第51日目 「新しいクラスの担任は、正田先生」4月

「新しいクラスの担任は、正田先生」が、良かった。

なのに、今回のクラス替えで担任がかわってしまった。今年の先生は、“深井先生”だ。去年の学年主任で1組の担任をしていて、わたしの社会の教科担任だった。

はっきり言うと、“苦手”。さらに言うと、“怖い”。最終的に、“嫌い”な先生なのだ。



「はぁぁぁ。」



と大きなため息が1つ、静かな教室に響き渡った。「あ、しまった」と思ったときには時既に遅く、“深井先生”がこちらを睨んでいる。今は、ホームルームの時間。



「それ、あなたは僕に何か質問があるのですか? それとも、ため息ですか? 」


「……質問があります。先生は、なぜ先生になろうと思ったのですか? 」



心にもない質問を、適当に言ってみた。



「両親が先生だったということが、大きいですね。あと地理が大好きだったので、それを多くの人に教えたいと思ったからです。これで、納得しましたか? 」


「はい。よく、分かりました」



へぇ、教師一家か。なるほど、と思った。

そしてその夜、わたしは今日の日記を書いた。



「先生の血液型は、何ですか?

先生の子供たちに社会の先生になってほしいですか?」


『A型です。

なってくれたら嬉しいけど、それよりもプロ野球選手になってくれたら嬉しい。』



へぇ、A型かぁ。なるほど、と思った。

次の日お父さんから、



「今年の担任の先生ってのは、どんな感じ? 去年の先生は、ポジティブモンスター先生だったけど」



っだって。昨日、早速わたしの日記読んだよね。去年の先生が、今年は変わったのを知ってるもんね。



「今年は、A型マジメ先生だよ」


「そうだと思った。俺と真逆の先生ばっかじゃん」



B型、ネガティブ、適当なお父さんに、なるほど。

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