第17話 


 施設での生活は特別変わった事をするわけでもなく普通に過ごすだけだった。


 ただ、蓮は夜になると猛烈に脂汗は出て震えが止まらなくなる。禁断症状に苦しんでいた。

 

 その度にアイビーに連絡してもらい駆けつけてもらっていた。

 

「大丈夫だから、ここに居るから」


「寒いよ、怖いよ」


 布団を頭から被り何かに怯える蓮。


「‥‥蓮」


 アイビーは蓮が眠りにつくまでいつまでも側にいた。昼間は施設にいる他の人達と話をしたり運動をして過ごした。


 スマホもテレビも禁止されているが不便ではないようだ。そのうち禁断症状もおさまり、夜アイビーに連絡してもらう事もなくなっていた。


 ある日蓮は施設の仲間と雑談をしていた。


「てか蓮の家族の話って聞いた事ないな」


 一つ上の先輩が言ってきた。


「そうだ、いっつも面会来てるのは姉貴?」


 他の仲間が言った。


「違いますよ」


「もしかして親いないパターン?」


「いますよ」


「どんな親?施設に入れるとかマジムカつくよな」


「これが俺の家族です」


 そう言って蓮は写真を見せた。


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ホオズキ___前編 @cakucaku

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