第二回、あなたにピンチが訪れた! さあ、どうする!?

0:みなさんは青春真っ只中の高校生! そして今日は文化祭! 思いっきり楽しんで、ピンチを乗り切りましょう!


 勢いのままに書いた。

 反省はしていない。



3:大変だ……眠い! 朝なのだが、ワクワクしすぎて眠れなかった! このままでは文化祭を楽しめない……ピンチを乗り切ってください!


 自室の壁のコンセントに指を突っ込んで電撃ショック&電力チャージ!

 パッチリ眼が醒めたら冷蔵庫のエナジードリンクを飲み干し、窓からとびだし直接ガレージのチャリンコにまたがる!

 五速のギアで駅までドラッグレースです。



2:この前のように遅刻はしない! だが、人身事故で電車が遅延している! なんとか学校に間に合うようにしてくれ! ピンチを乗り切ってください!


「わしは止まったら死ぬんじゃーい!」

 乗っている電車の運転席に無理やり乗り込み、運転手を蹴り倒して速度調整レバーを最高速に!

 威力激倍増に魔改造したエアガンでポイント切り替え機を撃って線路を次次に乗り変えて、人身事故現場の線路を回避して、めざす駅に複線ドリフトで滑り込みます。



3:学校に予定通りついた……しかし、目の前で女子友達がナンパに会っている! 友達は見るからに嫌そうだ! 友達として、助けなければ! ピンチを乗り切ってください!


「おはよーございますーッ!」

 ナンパ野郎の後頭部に開幕飛び蹴りをくらわし、筋肉ドライバーでコンクリートに息の根を止める。

「俺に惚れたっていいんだぜ」と言いつつ、彼女をオプションキャラにして学校内へ全力疾走……しようとしたのだが。



4:クラスのリーダー的存在の男子A君が、なんと遅刻をしそうになっている。彼なしで円陣を組んで、文化祭を始めたくはない! ピンチを乗り切ってください!


「今はまだ何も言えん! だが俺を信じろッ!」

 校内からA君の首にロングチェーン付き首輪を巻きつけ、地面を引きずって校門まで一本釣り。

 彼をオプションキャラその二として遅刻間際の校門をくぐり、廊下を引きずったまま自分のクラスへとブレーキを兼ねたドリフトをしつつ飛び込みます。



5:自分達のクラスの出し物は喫茶店……しかし、学校一のヤンキーが「このコーヒーに髪の毛入ってんじゃねーかよ!」と言ってきた。あの髪の毛赤い!絶対お前の髪だろ!ピンチを乗り切ってください!


「おめでとうございます。コーヒーの中に赤い毛は、我らが喫茶店の一等賞の印でございます」

 ヤンキーが何をくれるんだ?という表情をしたら、

「一等賞のプレゼントはこれだーッ!」とその顔面に熱いコーヒーをポット一杯ぶちまけ、火傷して立ち上がったところにオラオラした正拳ラッシュをぶちかまし、割ったガラスごと窓から放り出します。

「……すっごくさわやかな気分だぜ。新品のパンツに履き替えたばかりの正月の朝みたいによ」



6:先輩のクラスのお化け屋敷に、恋人と行った。しかし、怖すぎて前に進めない!このままでは恋人の前でビビり散らかしたあげく、クラスのみんなから笑い物にされる!ピンチを乗り切ってください!


「いいか! どんな強い男にもギャップ萌えというジャンルがつきまとう! ここが俺のチャームポイントだ!」

 訳の解らない事を言い出しながら堂堂と怖がり、しかし取り出したチェーンソーを振り回す。

「サム・ライミ監督はホラーとコメディは紙一重だと教えてくれた! 今日はこのお化け屋敷が死霊のはらわただー!」

 恐怖に泣きわめきながらもチェーンソーを振り回しながら前進し、先輩のクラスの出し物を壊滅させつつ迫力で恋人のハートをわしづかみにする。



7:お昼ご飯はお弁当だ。しかし、カバンに入り切らなそうなので当日は買うことにしたのだ。だが!そのことを忘れてお金は文化祭を楽しむ用しか持ってきていない!なんなら買えるほどのお金がない!ピンチを乗り切ってください!


 ウォンウォン泣きながら恋人に土下座し、昼飯を買えるだけのお金を借ります。

「この礼は身体で返すから……!」

 服を脱ぎ始めたところを恋人にチョップで止められるところまでがお約束(そうか?)。



8:体育館に向かったところ、劇の出演者と間違われてステージに上げられてしまった!このままここでこの劇を失敗するわけにはいかないが、この劇のシナリオを何一つ知らない!ピンチを乗り切ってください!


「うぉう! 殺ーられーたー! ……なんじゃこりゃーッ!!」

 ステージに上げられた途端、劇の流れに構わずに機関銃で撃ちまくられた演技をし、きりきり舞いに倒れる。。

 と、これで流れを一旦断ち切って自分は死んだ事にして、後は正規出演者のアドリブ力が優れているのを祈りつつ、速やかにステージから退場する。

 これで自分は誰の記憶にも残らずに無事に劇から離れられた……そう思っていたのだが。



9:劇のお陰で一躍有名人になった自分……しかし、そのせいでサインをもらおうとするファンが殺到してきた!この人混みは辛い!ピンチを乗り切ってください!


「何で有名になってるんだー!」

 観客には不条理劇だと捉えられたらしい。真に迫った表情とロバート・デ・ニーロの様な演技力が観客の興味を惹きつけたのだ。

「俺のサインは一筆、一〇〇万円だー! その覚悟がある奴だけかかってこんかーい!」

 さすがにそれでサインを求めてくるにわかファンは減り、その隙に恋人と一緒に人ごみを脱出する。



10:文化祭が終わってしまった。キャンプファイヤーで文化祭で作った道具を燃やすのが恒例行事だ。だが!なんとその火が校舎に燃え移ってしまった!これは最大のピンチ!ピンチを乗り切ってください!


「バックドラフトだー! タワーリング・インフェルノだー! 破壊消火だー!」

 プールの水をかぶった後、校舎に正拳突き連打とエアガンとチェーンソーをくらわし、火災が広がる予想地域にある物を破壊しまくって延焼を防ぐ。

 それでも火事が止まなければ、オプションキャラその一とオプションキャラその二を炎の神へいけにえとして捧げて鎮火を祈る。

「……よく考えりゃ、消防士さんに任せておけばいいんじゃないのか」

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