14.後節

━─━─ № 14-91 (2,042) ─━─━

  〖ちき〗(名詞)


】⚠⛏  #2,199

 〈理性の無い状態や気質〉の意。

 なお〝「」は当て字であって「ちき」は〈俗表現を意味する接尾語〉だ〟との説があるが、〝唐突に「俗表現を意味させる語」が単体で誕生する機序〟がなんら説明されていない。

 むしろ、どちらかといえば〝結合の結果そういう意味になる既存の言葉を寄せ集めた〟と解釈したほうが、はっしょう可能性としても高いと思われる。

 なにより〈言葉の意味に字義が合う字〉は「くん」であって、〈漢字から意味を捨てて音だけを借りる〉ものである「当て字」には相当しない。


ちき】⚠✗  #2,200

 字義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 [ちき]は〔てき〕の崩れとされるものの、この字に〈非理性的〉のような意味合いは無い。



━─━─ № 14-93 (2,044) ─━─━

  〖とんちき〗(名詞)


とん】⚠  #2,201

 〈軽率な者〉〈慌て者〉〈鈍重な者〉の意。



━─━─ № 14-95 (2,046) ─━─━

  〖ほざく〗(カ五段動詞)


く】⚠⛏  #2,202

 〈大声でかしを叫ぶ〉の意。

 「かす」同様、受け手の判断のみでうため必ずしもそれが本当にかしだとは限らないというか、むしろそうでない場合に相手をにする目的で言いつける言葉。

 なお残念な事に、この〝にする目的〟という「遣われ方」を〝意味〟として解説している説明が多数みられるんですけど、ちょっとみなさん「意味」の意味を辞書で確認してもらっていいすか。



━─━─ № 14-97 (2,048) ─━─━

  〖うつろう〗(ワア五段動詞)


うつう】⚠⛏  #2,203

 〈移り揺れる〉の意。


うつろう】⚠✗  #2,204

 

 同形異義語が存在するので遣うことをすいしょうしない。

 〝うつろう〈うつう〉:うつろう〈うつりましょう〉〟など。

 なお厳密には常用の読みではない。



━─━─ № 14-99 (2,050) ─━─━

  〖ぎりぎり〗(副詞)


ぎりぎり】⚠  #2,205

 〈限度いっぱいでそれ以上が無いさま〉の意。


ぎりぎり】⚠⛏  #2,206

 〈物が強く擦れ合う音やそのさま〉の意。



━─━─ № 14-101 (2,052) ─━─━

  〖こます〗(サ五段動詞)


ます】⚠  #2,207

 〈仕込ませる〉〈与える〉の意。

 転じて〈思い通りにする〉の意。



━─━─ № 14-103 (2,054) ─━─━

  〖いてこます〗⛏(サ五段動詞)


ます】⚠  #2,208

 〈やっつける〉〈殴ってす〉の意。

 おおさか方面での方言として有名で〔ってます〕が組成とされるが、〝いってまえ〟との呼び掛けが〈やっつけてしまえ〉の意となるならば、「ってまえ」であると解釈するのがとうと思われる。

 また「ます」についても、ここでは〈思い通りにする〉の意の[ます]のおんいん変化と解釈したほうが意味的にちょうど当てはまる。

 そのため、この表記を提案するもの。



━─━─ № 14-105 (2,056) ─━─━

  〖なおじる〗⛏(ザ上一段活用)


なおじる】⚠⛏  #2,209

 〈そのままにする〉〈放置する〉の意。

 形としては、単漢字「信」が動詞化してザ変動詞「信ずる」となり、さらにザ上一段動詞「信じる」へと転化したのと同じもの。

 正直「おざなりにする」と「なおざりにする」の混同が面倒なので、どちらか一方に消えてもらったほうがよいと考えられるし、同時に「なおざり」の表記についても議論が決着しておらず、だったらウダウダ悩むよりこう書いてしまったほうがいろいろスッキリできるのではとも思われたため、この表記を「なおざりにする」の代わりとなる新語として提案するもの。



━─━─ № 14-107 (2,058) ─━─━

  〖ひとひら〗(名詞)


ひとひら】⚠⛏  #2,210

 〈ひとかけら〉〈ひとにぎり〉の意。

 意外と知られてないようだけど{ひら}って読みがあるし、なんなら「はなびら」のそれだよ。



━─━─ № 14-109 (2,060) ─━─━

  〖どつぼにはまる〗(成句・ラ五段動詞)


つぼまる】⚠  #2,211

 〈こえめに落ち込む〉の意。

 転じて〈最低最悪の状況になる〉の意。

 「ハマる」の語源。

 なお[つぼ]は土につぼを埋め込んで用いた事から〈こえめ〉の意。

 落ちれば当然ながらくさいし不潔だし、みじめな気分になるうえに、なかなか自力じゃい上がれないんだよなあアレ……ナンデスカ ソノメハ(



━─━─ № 14-111 (2,062) ─━─━

  〖ごびゅう〗(名詞)


びゅう】⚠  #2,212

 〈前提や評価過程に誤りがあるために間違った判断が出ること〉〈バグ〉の意。



━─━─ № 14-113 (2,064) ─━─━

  〖しかして〗(接続詞)


しかして】⚠  #2,213

 〈そうして〉〈そのようにして〉の意。

 〈そうではあるが〉の意の「しかし」とは微妙に異なる。



━─━─ № 14-115 (2,066) ─━─━

  〖こぶし〗(名詞)


こぶし】⚠  #2,214

 〈手指から手のひらまでの部分の総称〉の意。

 転じて〈手を固く握った状態〉の意。

 組成は〔ぶし〕。

 なお本来、転じての意の場合は「にぎこぶし」となるはずだが、当該語にその意が含まれてしまったもの。


辛夷こぶし】⚠  #2,215

 〈モクレン科モクレン属の落葉高木〉の意。

 語源は〝花が人の握りこぶしに似る〟ことから〔こぶし〕とされる。

 〔シンイー〕は〈もくれん〉転じて〈もくれんのつぼみを乾燥させた生薬〉の意であり、[辛夷こぶし]については「リ゙ーベンシンイー」と呼ばれるが、その英名は「kobusコブス-magnoliaマグノリア〈コブシモクレン〉」、学名も「kobusコブス」であり、極東圏から英語圏への外来語としては妙に日本語が優先されがちな傾向がみられる。

 あるいは中国が大国すぎて、しっまたは敵視ゆえに中国語が忌避された、という事なのもしれないが、いや仲良くやろうず。

 なお〝「中国人が自国をと呼ばれるのをいやがる」というのは大まかにデマで、「Chinaチャイナ」とは中華人民共和国の立国時にその政府自身がつけた英名であり、実際にいやがっているのは台湾をはじめとした本来そこには属さない国々である〟とのこと。

 日本では中国のことを昔から「もろこし」と呼んでいて、「」は中国政府に応じた呼称である一方、「ちゅうごく」はそのあたり面倒だからと日本外務省が〝「深く考えるな」と念押しした上で勝手に〟出した通達によるものであって、これはこれで古来より日本に存在する「中国地方」とかぶるため、新たな衝突が起きている。

 いや、世界情勢ってデリケートなんだから深く考えて、っつか関係する土地の代表者全員集めてちゃんと話をして合意取ろうぜ、今からでも遅くねえよ。


ぶし】⚠  #2,216

 〈歌唱の部分部分で聴かせる小規模で独特なうたごえ〉の意。

 [こぶし]は関係ない。



━─━─ № 14-117 (2,068) ─━─━

  〖きじょ〗(名詞)


じょ】⚠  #2,217

 〈しくみ〉〈mechanismメカニズム〉の意。



━─━─ № 14-119 (2,070) ─━─━

  〖おうどう〗〖よこみち〗(名詞)


おうどう】⚠  #2,218

 〈人道からそれた善くない道〉の意。


よこみち】⚠  #2,219

 〈無関係の事象や方向〉の意。



━─━─ № 14-121 (2,072) ─━─━

  〖らくはく〗(サ変名詞)


らくはく】⚠  #2,220

 〈おちれること〉〈らくないしおのらくすること〉の意。



━─━─ № 14-123 (2,074) ─━─━

  〖しきい〗(名詞)


しきい】⚠  #2,221

 〈区切り〉〈状態のへんせんが起こる境界〉〈へんせんしないでいれる極限〉の意。

 転じて〈障害〉〈hurdleハードル〉の意。


しき】⚠  #2,222

 〈戸などの仕切りをめ込む下部の水平材〉の意。

 転じて〈踏み込みにくさ〉の意。機能としてそこにある物なので障害やハードルとは別物。



━─━─ № 14-125 (2,076) ─━─━

  〖なづむ〗〖なずむ〗(マ五段動詞)


なづむ】【なずむ】⚠  #2,223

 〈はかどらない〉の意。


なづむ】【なずむ】⚠  #2,224

 〈気かりな事に心をとらわれる〉の意。


☞ 組成は〔む〕。

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