12.後節

━─━─ № 12-81 (1,850) ─━─━

  〖ろく〗(名容詞)


ろく】⚠⛏  #2,045

 〈盤石〉〈立派〉〈しっかりしたもの〉の意。

 〝陸地が船上にくらべて頼もしい存在であること〟から。

 なお{りく}が漢音、{ろく}がおんであるが、意味に違いは無い。


ろく】⚠✗  #2,046

 字義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 〈石くれ〉転じて〈つまらないもの〉の意。


ろく】⚠✗  #2,047

 字義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 〈給与〉〈しょう〉の意。



━─━─ № 12-83 (1,852) ─━─━

  〖まるきし〗(副詞)


まるし】⚠⛏  #2,048

 〈まったく〉〈全然〉の意。



━─━─ № 12-85 (1,854) ─━─━

  〖にしこり〗(名詞)


錦織にしこり】⚠  #2,049

 〈鮮やかに織り上げた絹織物〉の意。

 [にしき]と書いて同義であり、その組成は〔(朱)〕〔〕〔〕。



━─━─ № 12-87 (1,856) ─━─━

  〖すかし〗(名詞)


すかし】⚠  #2,050

 〈紙の厚味の差によって光に透かしたとき意匠を浮かび上がらせる技術またはその成果物〉の意。

 絵画を表現できるような微細なすかしを実現するには、微細な金網によって型をこしらえればいいが、「黒透かし」と呼ばれるその技法は国がぞうへいのために占有していて、個人で実現してしまうと法律の規定により〝六ヵ月以下のちょうえき刑〟または〝または五千円以下の罰金刑〟もしくは〝疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負ったうらに対し、車の主、暴力団員たにおかが言い渡した示談の条件とは……。


すかし】⚠  #2,051

 〈ごげん取りをする〉の意。



━─━─ № 12-89 (1,858) ─━─━

  〖すきげた〗(名詞)


すきげた】⚠  #2,052

 〈紙料をすくい上げて紙に成形するためのすきを支持する道具〉の意。



━─━─ № 12-91 (1,860) ─━─━

  〖ちらり〗(副詞)


ちらり】⚠  #2,053

 〈一瞬だけ見るさま〉の意。


ちらり】⚠  #2,054

 〈一瞬だけ光るさま〉〈一瞬だけ見えるさま〉の意。



━─━─ № 12-93 (1,862) ─━─━

  〖がらすいた〗(名詞)


がらすいた】⚠  #2,055

 〈がらす製の板〉の意。 

 大きく平らで曇りないものを作るには、ガラスよりもゆうてんの低い合金の液体上に浮かべた状態で冷まして固化させる〝フロート法〟を用いるのが一般的。

 二枚の鉄板を合わせて押しつぶせば簡単なように思えるかもしれないが、けたガラスは溶岩のように粘度が高くてつぶすのに力が要るからそれに耐えるような厚手の鉄板はふつうに重量が増すし、必要な温度に熱した超重量の鉄板は人の手で制御できないし、鉄に接した状態で冷やすと急速に冷えすぎるせいで割れるか異様にもろいガラスが出来上がるし(逆に超ゆっくり冷やすと強化ガラスになる)、そもそもそんな広くて厚くて真っ平らな鉄板を作る技術がかつては存在しなかったというね。

 もともと固体の状態で液体の性質をあわせ持つとかいうなぞ物質、手だけで加工するには難しい素材なんです。



━─━─ № 12-95 (1,864) ─━─━

  〖ひしゃげる〗(ガ下一段動詞)


ひしゃげる】⚠  #2,056

 〈押されてつぶれる〉の意。 

 お前らの大好きな「ラーミィェン」は〈ひしゃげさせためん〉、〔麺〕は〈練った小麦粉〉の意。



━─━─ № 12-97 (1,866) ─━─━

  〖いがた〗(名詞)


いがた】⚠  #2,057

 〈熱した金属などを流し込んで冷やして固めることで本来固い物質の形状を自在に整える型〉の意。

 原語は〔がた〕。

 型は一般に、形づくりやすくて固まったあとに取り出しもしやすいよう、土やせっこうで作成する。



━─━─ № 12-99 (1,868) ─━─━

  〖とける〗(カ下一段動詞)


ける】⚠  #2,058

 〈絡まったものがほどける〉〈問題が解消する〉の意。


ける】⚠  #2,059

 〈やわらぐ〉〈とどこおりがなくなる〉の意。

 転じて〈固体がゆうかいして液体になる〉〈ゆうづうする〉の意。


ける】⚠  #2,060

 〈固体が液体にとけこむ〉の意。


ける】⚠  #2,061

 〈固いものが熱で液化する〉の意。


ける】⚠  #2,062

 〈固形の金属が熱で液化またはなんする〉の意。



━─━─ № 12-101 (1,870) ─━─━

  〖げんみょう〗(名詞)


げんみょう】⚠  #2,063

 〈奥深く微妙な〉〈おもむきぶかい〉の意。



━─━─ № 12-103 (1,872) ─━─━

  〖なまら〗(副詞)


なまら】⚠⛏  #2,064

 〈半端な〉〈半可な〉〈普通の尺度で量れない〉〈珍しい〉〈不思議な〉〈優れている〉の意。

 北海道を中心に聴かれる言葉だが、はっしょうにいがたとされる。



━─━─ № 12-105 (1,874) ─━─━

  〖ひたすき〗⛏(名容詞)


ひたき】⚠⛏  #2,065

 〈純然に透き通るさま〉の意。



━─━─ № 12-107 (1,876) ─━─━

  〖きちょうめん〗(名容詞)


ちょうめん】⚠  #2,066

 〈〝ちょう〟と呼ばれる間仕切りの角の面取りに施された細かなほり細工〉の意。

 転じて〈すみずみにわたる微細な作業をやりとげるほどの細やかな気質〉の意。

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