12.中節

━─━─ № 12-51 (1,820) ─━─━

  〖はんこ〗(名詞)


はん】⚠⛏  #2,015

 〈印章〉の意。

 転じて〈印章によって印影をしるすこと〉の意。


はん】⚠⛏  #2,016

 〈判突き助手〉の意。

 「はり」「うり」「だしゲフンゲフン」の類型の語。

 〝〈印刷する〉の意の「はんこう」が、〈判をす〉の意の「はんこう」に拡大解釈され、最終的に「はん」に丸まったものだから、〈印章〉〈印鑑〉を指す語だ〟との説明が一般にされるが、「版行」「判行」は〈印刷作業〉〈なついん作業〉と解釈するのが自然であって、むしろ〈印章〉〈印鑑〉と認識するのは苦しいと考えられる。

 はい論破(



━─━─ № 12-53 (1,822) ─━─━

  〖しゅにく〗(名詞)


しゅにく】⚠  #2,017

 〈印章の印影をたいしょう紙面へ移しだすために使用される顔料〉の意。

 朱色である事がその名の由来だが、この色は原料のひとつ「しゅ」によるもので、その主成分はりゅう水銀。

 このしゅの別名がなんと「けんじゃいし」であり、そこから得られた水銀に金を溶かし、これを熱して水銀だけを蒸発させると「きんめっき」が成立するので、そこに着想を得て「れんきんじゅつ(という名のじゅtsゲンフゲフン)」がはっしょうゲンフゲフンはっしょうした模様。

 なお水銀合金(amalgamアマルガム)を使用する手法は古来からの伝統的なものであるが、蒸散水銀が激烈に有害であり、東大寺の大仏もこのアマルガム法できんめっきされたが、施工後に原因不明の病気によって死亡した者が多く出たと伝えられる。

 そのため現在では一般に、目的金属の水溶液を電解、または化学的に置換ないしかんげん、もしくは気化金属を蒸着させることで実現する。

 〝水銀に金を触れさせるとその金色を失いながら溶ける様子〟から「めっきん」と呼ばれたのが「めっき」の組成であり、つまり「めっき」は純然たる日本語である。

 なお{鍍金めっき}という熟字訓がみられるが、「めっきん」を一字に集約したのが「めっき」であるから、これでは{金}がぶんになると思われる。



━─━─ № 12-55 (1,824) ─━─━

  〖じゅうひし〗(名詞)


じゅう】⚠  #2,018

 〈獣の毛皮を原料とした筆記用の紙〉の意。

 「paperペーパー」という語が「papyrusパピルス(「かみつり(パピルス草)」を原料とした紙)」を起源としている事から〝「紙」とは植物紙に限定されるもの〟との説が根強いが、これはアルファベット圏での都合に過ぎず、一方で〔紙〕の糸へんは〈せん〉を示すものであって、獣皮もまた立派なせん構造であるから、獣皮紙もまさに紙に該当すると考えられる。

 適切な厚さと柔らかさを持つ獣皮なら原料にでき、「羊皮紙」をはじめとして「牛皮紙」「鹿皮紙」「皮紙」「とん皮紙」など案外多彩。

 なお「羊皮紙」と呼ばれる物の原料の大半は羊ではなく「山羊やぎ」。

 牛皮紙の場合、成牛だと厚すぎてこうしうし)のものしか適さないため、「とく皮紙」と表記される事もある。



━─━─ № 12-57 (1,826) ─━─━

  〖がんりょう〗(名詞)


がんりょう】⚠  #2,019

 〈人の顔面の装飾に用いる着色料〉の意。

 転じて〈着色料のうち粒子がおおきな物〉の意。

 粒子が荒いため色せが起きづらく、ただし液体には溶け込まず、大抵はたいしょう物の表面にせて塗るかたちとなる。



━─━─ № 12-59 (1,828) ─━─━

  〖かおう〗(名詞)


おう】【おう】⚠  #2,020

 〈はなばなしい飾りのような署名〉の意。

 署名を大量に繰り返すとだんだんと達筆化するものだが、それならばいっその事と、装飾めいた筆の運びをされるようになったもので、現在での「色紙にするサイン」とほぼ同様のものであり、最終的には高度に洗練されすぎて文字としては判読できないところまでへんぼうしたりする。



━─━─ № 12-61 (1,830) ─━─━

  〖しめ〗(名詞)


しめ】⚠  #2,021

 〈ここで文章をめる〉の意。

 転じて〈もよおし物のおわり〉の意。

 〝それでは、さようなら〆〟のように文末にけ加えて用い、〝筆記済みの文字が消去できない〟との前提においては、他のだれかに勝手に追記される事を防ぐ強力な抑止力となるもので、その効力を高めるためにどこか誤記があった場合、一般に訂正を入れずに白紙から書き直す。

 私信の場合には「〆」では味気ないという事で、「敬具」「敬白」「敬答」「きんげん」「きんぱく」「拝具」「拝答」「不備」「不一」「草々」「かしこ」など結語で代用する文化がある。

 〆を文末に記述する事を〝しめる〟とい、〈期限〉の意の「しめきり」の語源となっていると思われる。

 なお「めきり」「めきり」は〈⦅とびらなどを⦆締めて閉じたままにする〉の意であり、〈期限〉の意である「しめきり」とは別語なので、それらのほうは混同を避けるために「じきり」のような言い方をしたほうがいいのかもしれない。

 なお〝形と音と意を持つもの〟という定義を満たすため、奇妙ながら〔〆〕は漢字である。



━─━─ № 12-63 (1,832) ─━─━

  〖でたらめ〗(名容詞)


でたらめ】【でたらめ】⚠⛏  #2,022

 〈その場しのぎでいい加減なこと〉〈常識に反すること〉の意。

 転じて〈けた外れであること〉の意。

 組成は〈出任せ〉の意の〔〕と思われる。

 〝「サイコロを振って出たら目が決まる」に由来する「たら」が組成〟との説だが、この説明自体も「たら」ということば自体もいびつすぎるように感じられる。


たら】⚠✗  #2,023

 でたらめな当て字のため遣うことをすいしょうしない。



━─━─ № 12-65 (1,834) ─━─━

  〖まくる〗(ラ五段動助詞)


まくる】⚠⛏  #2,024

 〈執拗に繰り返す〉〈没頭する〉の意。

 語源は〝それをする結果として布が折りかさなる〟ことから〔まくる〕。



━─━─ № 12-67 (1,836) ─━─━

  〖さいたる〗(副詞的ラ五段動詞)


さいる】⚠  #2,025

 〈このうえない〉〈最高の〉〈筆頭の〉の意。



━─━─ № 12-69 (1,838) ─━─━

  〖くもんじょ〗⛏(名詞)


もんじょ】⚠⛏  #2,026

 〈こうぶんしょ〉の意。



━─━─ № 12-71 (1,840) ─━─━

  〖じゅそん〗(サ変名詞)


じゅそん】⚠  #2,027

 〈水れによって発生する損壊や損害〉の意。

 割と日常的に発生する困った事のはずにのに、運送業界以外でほぼ聞かれない言葉。



━─━─ № 12-73 (1,842) ─━─━

  〖せんりょう〗(名詞)


せんりょう】⚠  #2,028

 〈着色料のうち粒子がちいさな物〉の意。

 粒子が細かいため水に溶かすと透明な水溶液となるか、多少荒くてもコロイド状の不透明液となり、それはそのままたいしょう物を染め上げるせんえきとなる。

 染料は微細なレベルでたいしょうの素材に絡みつくものなので、一度染め上げられた物の色を落とすのは至難をきわめる一方、粒子が小さいせいで紫外線によって破壊されやすく、日光などにさらされるとたいしょくしやすい。

 なお、白髪しらが染めなどは着色料ではなく変色薬であり、色をつけるでなしにたいしょう物そのものを変色させるので、色落ちという概念はない。



━─━─ № 12-75 (1,844) ─━─━

  〖あさ〗(名詞)


あさ】⚠  #2,029

 〈「たいhempヘンプ)」「linenリネン)」「ちょlamyラミー)」などあさ類から得たせん素材の総称〉の意。

 あさせんは非常に丈夫なため縄や網や荷袋に用いられる一方、ある程度の柔らかみもあるため衣料にも積極的に用いられる。

 一般に出回っているたい素材は、薬効成分を含まない部位を用いているため医学的にも法律的にも問題ないが、取り扱いの際には「あさ」ではなく「指定外せん」と呼んで区別される。



━─━─ № 12-77 (1,846) ─━─━

  〖のる〗(ラ五段動詞)


る】⚠  #2,030

 〈告知する〉の意。

 〝る〟など。


る】⚠  #2,031

 〈決め事を宣言する〉の意。

 転じて〈祝詞のりと)をみあげる〉の意。


る】⚠  #2,032

 〈決め事にしたがう〉の意。

 「のっとる(る)」は〈決め事を採用する〉の意。


る】⚠  #2,033

 〈決め事にしたがわせる〉の意。


る】⚠  #2,034

 〈決め事をしたためる〉の意。


る】⚠  #2,035

 〈決め事によって整合性をとる〉の意。


る】⚠  #2,036

 〈決め事を見本にする〉の意。


る】⚠  #2,037

 〈きまった単位をさだめる〉の意。


る】⚠  #2,038

 〈単位によって度合いを量る〉の意。


る】⚠  #2,039

 〈単位によって程度を測る〉の意。

 〝みちのり〟など。


る】⚠  #2,040

 〈きまった流れに任せる〉の意。

 転じて〈物の上にあがる〉〈人の手によらずに物の上にあげられる〉の意。

 さらに転じて〈乗り物で移動する〉の意。


る】⚠  #2,041

 〈人の手によって物の上にあげられる〉の意。

 転じて〈記事として記述される〉の意。


る】⚠  #2,042

 〈物の上に積む〉の意。

 転じて〈乗り物にる〉〈含む〉〈機能が組み込まれる〉の意。


る】⚠  #2,043

 〈平らになる〉の意。

 転じて〈やっつけられる〉の意。

 〝乗られるとされる〟ことから。



━─━─ № 12-79 (1,848) ─━─━

  〖うってつけ〗(成句・名詞)


ってけ】⚠  #2,044

 〈ぴったり合わさっているさま〉の意。

 転じて〈最適であるさま〉の意。

 〝くぎで打ち付けたかのようであること〟から。

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