1.後節゠1/2

━─━─ № 1-227 (228) ─━─━

  〖けんげき〗(名詞)


けんげき】⚠  #432

 〈けんほこの総称〉の意。

 転じて〈繰り出される武器〉〈武器が繰り出される様子〉〈武器のぶつかりあう音〉の意。


けんげき】⚠⛏  #433

 〈剣による攻撃〉の意。

 日本刀のように鋭利な刀剣でないかぎり、剣撃は実質的にはざんげきよりも打撃である事が多い。


けんげき】⚠⛏  #434

 〈剣の立ち合いが見せ場として用意されている演戯〉の意。

 〔劇〕はもともと〈激しい〉〈はなはだしい〉の意であるが、〈はなはだしい事柄を演じること〉の意の「演劇」につられて〈えん〉の意味も持つようになった。

 つまり「悲劇」なども〈悲しみのはなはだしい出来事〉の意であって演戯をするわけではなく、そちらの意味での〈げき〉に対しては「」や「」などの熟字訓を当てたほうがいいかもしれない。



━─━─ № 1-229 (230) ─━─━

  〖ああ〗(感嘆詞)


嗚呼あゝ】⚯  #435

 〈どうしてこうなのか〉の意。

 情動の揺さぶられた場合に言う掛け声。



━─━─ № 1-231 (232) ─━─━

  〖けんすぢ〗〖けんすじ〗(名詞)


けんすぢ】【けんすじ】  #436

 〈剣を扱う才能〉の意。


けんすぢ】【けんすじ】⚠⛏  #437

 〈剣の振るわれる軌道〉の意。



━─━─ № 1-233 (234) ─━─━

  〖まわる〗(ラ五段動詞)


まわる】  #438

 〈ある点を軸に回転運動する〉〈自転する〉〈物を回転させる〉の意。


まわる】⚠⛏  #439

 〈ある点を軸に周回運動する〉〈公転する〉〈物の周りをたどる〉の意。

 転じて〈全体に行きわたらせる〉〈頭をはたらかせる〉の意。


まわる】⚠  #440

 〈あちこちへ行き来する〉の意。


まわる】⚠  #441

 〈あちこちに行きわたる〉の意。



━─━─ № 1-235 (236) ─━─━

  〖ぎどう〗⛏(名詞)


どう】⚠⛏  #442

 〈相手の錯誤を誘い間違った対応をひき出す身ぶり〉〈feintフェイント〉の意。



━─━─ № 1-237 (238) ─━─━

  〖ひけ〗(名詞)


退】⚠⛏  #443

 〈弱みを感じる部分〉〈おくれ〉の意。

 原語は〔ひけ〕。



━─━─ № 1-239 (240) ─━─━

  〖おす〗〖へす〗(サ五段動詞)


す】  #444

 〈力を加えて後ずらせる〉〈その方向へ進める〉の意。

 転じて〈優勢になる〉〈あまねく〉〈ながびく〉の意。


す】【す】⚠  #445

 〈圧力や加重を与える〉の意。


す】  #446

 〈すいせんする〉の意。


す】⚠  #447

 〈判を突く〉の意。



━─━─ № 1-241 (242) ─━─━

  〖うけつうけつ〗(副詞)


けつけつ】  #448

 〈ただひたすら受けながら〉の意。

 [つ]は「の」同様の格助詞であり、また一般に「けつつ」と書かれるのはこれの省略形。



━─━─ № 1-243 (244) ─━─━

  〖じりじり〗(副詞的サ変名詞)


じりじり】【りじり】⚠  #449

 〈熱線が強く照りつけるさま〉〈強い熱でこげるさま〉の意。


じりじり】【りじり】⚠⛏  #450

 〈心が不快感にじっくりと支配されるさま〉の意。

 こちらの意味で[じりじり]と表記するのは字義不相応。


じりじり】【りじり】⚠⛏  #451

 〈少しずつだが物事が着実に進行するさま〉の意。

 こちらの意味で[じりじり]と表記するのは字義不相応。



━─━─ № 1-245 (246) ─━─━

  〖し〗(名詞)


】  #452

 〈仕官〉〈奉仕〉の意。

 上の者や客などに尽くすために何かをする場合にう。


】⚠  #453

 〈行為〉〈作業〉の意。

 単純に何かをする場合にう。

 こちらの意味で[]と表記するのは字義不相応。



━─━─ № 1-247 (248) ─━─━

  〖おいる〗(ヤ下一段動詞)


いる】  #454

 〈生息している〉の意。

 組成は〔る〕。


いる】  #455

 〈年齢をかさねておとろえる〉の意。

 組成は〔る〕。



━─━─ № 1-249 (250) ─━─━

  〖くさ〗(名詞)


くさ】⚠  #456

 〈物に成るまえの種〉の意。

 転じて〈所作〉〈表現〉〈くせ〉の意。


くさ】  #457

 〈植物のうち木のような木質部が形成されない物の総称〉〈そうほん〉の意。

 転じて〈雑草〉の意。

 原語は〔くくふさ〕であり、それがつづまって{くさ}になったもので[くさ]とは別語。

 なお「ふさ」は「ふさ」の語源でもあり、「ふさふさ」は〈よく茂っているさま〉の意。

 また髪の話をしてる。


くさ】⚠  #458

 〈⦅ニンニクなどの⦆においの強いくさ〉の意。

 「くさい」の語源。

 食べると精がつく物が多いため、欲を捨て去る修行をしている仏教僧には〈にんにくびるにらねぎらっきょうの総称〉を「くん」として禁忌とされているが、そのわりに「行者にんにく」とよばれるねぎ類のくさがあるのはどういう事だろう。

 ナマグサか。


くさ】⚠  #459

 〈くさむら〉の意。

 一字で{くさむら}の読みがあり、また〔莽〕は転じて〈⦅くさむらのように⦆広い〉〈⦅くさむらとらわれたように⦆そそっかしい〉の意も持つ。

 なお〈笑い〉の意をその頭文字で〝w〟と表記される場合があり、さらにこれを〝wwwww〟のように繰り返したものがくさむらにも見えることから〈笑い〉の意で「くさ」とわれたりするが、くさむらなのだから「くさ」とうほうがより適切かと思われる。しらんけど(



━─━─ № 1-251 (252) ─━─━

  〖なめる〗〖ぬめる〗〖のめる〗〖ねぶる〗(マ下一段動詞)


める】【ぶる】⚠  #460

 〈舌ででる〉の意。

 転じて〈でる〉〈なぞる〉の意。

 [める]は[ぶる]が{ぶる}{むる}を経由してのおんいん変化であり、ちなみに「ぶる」は〈もてあそぶ〉の意の「なぶる」の語源。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


める】【ぶる】⚠  #461

 〈味わう〉の意。


なめる】【ぬめる】【のめる】⚠  #462

 〈べる〉〈粘性がある〉〈すべり転ぶ〉の意。

 転じて〈なだらかになる〉〈何らかのためのみぞつぶれて不為だめになる〉の意。


無礼なめる】⚠  #463

 〈あなどる〉〈ないがしろにする〉の意。

 こちらの意味で[める]と表記するのは字義不相応。

 古語の形容詞〔無礼なめし〕が動詞化したものであり、元〔ぶ〕である「める」とは別語。



━─━─ № 1-253 (254) ─━─━

  〖ここぞ〗(感嘆詞)


】⚠⛏  #464

 〈これこそが機であるぞ〉の意。

 重要な局面で言う掛け声。



━─━─ № 1-255 (256) ─━─━

  〖しまう〗(ワア五段動詞)


しまう】⚠  #465

 ⦅他動⦆〈終わる〉の意。

 たぶん本当は{まう}で、その語源は〔む〕。


しまう】⚠  #466

 ⦅自動⦆〈終わらせる〉〈催しを終了する〉の意。

 こちらの意味として〔リィァォ〕は中国語でよく遣われる。


しまう】⚠⛏  #467

 〈片付ける〉〈てっきょする〉の意。


う】✗  #468

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 なお〈舞をけんじょうする〉の意の古語。



━─━─ № 1-257 (258) ─━─━

  〖すんでのところ〗(成句・名詞)


すんでところ】⚠  #469

 〈何かの実行が完了した丁度その時または場〉の意。

 転じて、〈ぎりぎりにまで危険に差し迫られたこと〉の意。

 〔已〕は〈完了〉〈終了〉〈過去しょう〉の意。

 [すんで]の原語は〔んで〕であり、「すで」の語源。



━─━─ № 1-259 (260) ─━─━

  〖しゃにむに〗(副詞)


しゃ】⚠⛏  #470

 〈何も考えれず必死になって〉〈ひとつの事に集中して〉の意。

 なお[しゃ]は〈次の手段に行き当たらず〉、[]は〈次の手段も無しに〉の意。

 {しゃにむ‐に}と分割してはいけない……(



━─━─ № 1-261 (262) ─━─━

  〖てぶら〗(サ変名詞)


徒手てぶら】⚠  #471

 〈何も持っておらず両手が自由である状態〉の意。

 組成は〔〕。


ブラ】⚠  #472

 〈下着の代わりに手で乳房を覆うタイプの宗教的儀式〉の意。

 カノジョへ向かって「気軽に手ブラで来てくれていいよ」とか言ってんじゃねえんだわよチクショウ(



━─━─ № 1-263 (264) ─━─━

  〖めく〗(カ五段動助詞)


く】⚠  #473

 〈しろいがのる〉の意。

 転じて〈よそおう〉〈身にまとう〉の意。

 他動詞「かす」としてよく遣われる。



━─━─ № 1-265 (266) ─━─━

  〖きらめく〗(カ五段動詞)


く】⚠  #474

 〈華々しさをまとう〉の意。

 なお[]は〈上等の絹織物〉の意。


きらく】⚠⛏  #475

 〈まぶしい輝く〉の意。

 語源は[く]。

 なおこれを〝「ひらめく」と同じ類型の語であるため{きらめ‐く}という分割のしかたが正当であり{きら}という読みを与えるのはおかしい〟とする説があるが、そもそも「ひらめく」が〈門のすきから人がちらりと見える〉の意の〔ひらく〕を組成とするもので、いずれも{〜めく}という類型の語である。

 「きら」が単独で存在できないなら「きらきらぼし」って一体何なんだ、あと夜神ライトにあやまれ。しらんけど(



━─━─ № 1-267 (268) ─━─━

  〖こうかん〗⛏(名詞)


こうかん】⚠⛏  #476

 〈完全な円で現れているにじの輪〉の意。

 それそのものを直接指す語が見当たらなかったので、新語として提案するもの。

 なお、〈太陽にこうかんが掛かること〉を「にちうん」または「Haloハロげんしょう」と呼び、これは{がさ}ともうが「がさ」と誤解されやすいので、前者でったほうがよいと思われる。

 また、〈高所にある物にこうかんが掛かること〉は「Brockenブロッケンしょう」と呼ばれる。



━─━─ № 1-269 (270) ─━─━

  〖さえづる〗〖さえずる〗(ラ五段動詞)


さえづる】【さえずる】⚠  #477

 〈小鳥がしきりに鳴く〉の意。

 転じて〈早口に口数多くしゃべる〉の意。


さえづる】【さえずる】⚠  #478

 〈ついばむ〉〈何かひとつを取りして騒ぎ立てる〉〈やかましくする〉の意。


さえづる】【さえずる】⚠  #479

 〈騒ぎ立ててもてあそぶ〉〈むだぐちたたく〉の意。



━─━─ № 1-271 (272) ─━─━

  〖あ〗〖あな〗〖あわ〗(感嘆詞)


】【あな】【あわ】⚠  #480

 〈なんて事だ〉の意。

 驚きや嘆きの場合に言う掛け声。

 ちなみに慌てた様子をう「あわあわ」は{あわあわ}{あわあわ}ではなく「あわあわ」。



━─━─ № 1-273 (274) ─━─━

  〖ぶらさがる〗(ラ五段動詞)


がる】⚠⛏  #481

 〈ぶらりと垂れ下がる〉〈り下がる〉の意。

 「る」は〔る〕の濁音減価。



━─━─ № 1-275 (276) ─━─━

  〖はめ〗(名詞)


】  #482

 〈木板を鳥の羽根のようかさねてめた壁面〉の意。

 転じて〈雪囲い〉の意。

 「はずす」は〈雪囲いを外す〉転じて〈閉じもった状態から解放される〉〈うっぷんを晴らす〉の意。


】  #483

 〈破れ目〉の意。

 転じて〈好ましくない状況〉の意。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る