【 クリスマス・イブ 】
「今日、みんなで一緒に夕食でも食べましょう」
私はそう提案した。
今日はクリスマス・イブ。愛し合うふたりの聖なる夜。
「ほら、丸鶏のローストチキンよ。美味しそうでしょ。一緒に食べましょう」
そう言って、買って来た一羽まるごとの大きな狐色のローストチキンを見せる。
「あ、ああ、そうするか……」
父はそう言い、彼女とリビングのソファーへ向かう。
ソファーに腰掛け、テーブルの上にあったタバコを一本箱から取り出し、ライターで火をつける。
「ふぅー」と煙を吐いてから、テレビをつけると、大好きなお笑い番組を大きな声を出しながら、ふたりで笑って見ていた。
私は買って来たローストチキンをもう一度、軽くオーブンで焼く。
焼き上がると、香ばしい匂いが部屋中に漂う。
「おっ、何か美味しそうな匂いがするな」
父の食欲にも火がついたようだ。
ダイニングテーブルを囲み、そのローストチキンを堪能する。
「うん、うまいなこれ」
「そうね、美味しい」
父と彼女は、美味しそうにローストチキンを平らげた。
「今日は、クリスマス・イブだから、シャンパンを買ってきたの。一緒に飲みましょ」
私がそう提案すると、「ああ、いいね」と父が応えた。
再び、父と彼女はリビングのソファーでくつろいでいる。
私はキッチンで、みんなのシャンパンをグラスに注ぐ。
その内の2つに、今日買って来たある物をこっそり混ぜて……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます