【 父との別れ 】


 私は、父に若い彼女ができてから、そのことを相談していた相手がいた。

 彼は若かったが、とてもしっかりしており、頼りにもなる。


 私のことをとても心配してくれる、やさしい彼だ。


 父が私に気持ちがなくなってから、落ち込んでいた私にやさしく声をかけてくれる。


「大丈夫、僕が守るから」


 彼はそう言ってくれた。

 涙を流す私をやさしく抱き寄せると、彼は私の髪に口づけをする。


 そして、両手で私の頬をそっと包み込み、「大好きだよ」と言って涙をやさしく拭いてくれる。

 彼がゆっくりと顔を傾けると、私は目を閉じた。


 彼の唇と私の唇が一つに重なり、私は父以外の男性と初めて男女の仲になった……。


 私も父と同じように、若い男性に溺れて行ったんだ……。


 これが、6つ目の選択、『父と別れる決断』をするきっかけとなった。



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