第8話 僕に神になれと……
「乾杯」ブッダ
「乾杯」僕 何にですか?
「何でもいいのよ。ビールが飲めれば! ク~、うまい!やっぱり瓶ね!」
「そうですね!缶より美味しいですね!」
「うん。今日ごめんね。忙しいのに……」
「そんなことブッダ様がおっしゃらないでください。僕みたいな身分のものに……」
「あれ? 身分ってあるの?カ-ストみたいなやつ?」
「いや、制度的なものは今の日本にはありません。恣意て言えばお金が身分を作っていますね。でもブッダ様の眼前にいれば誰だって己の身分をわきまえると思いますよ」
「なんで?」
「なんでって!この世で唯一無二の存在だからです」
「だから?」
「ブッダ様。やめましょう。お話しがあるならそちらを……」
「いや、だから今、その話をしているのよ。山口さんがなぜ、私がブッダだからかしこまらなくてはいけないのか?ということ?そういうのが嫌いでこんなラフな格好してるんだけど……唯一無二はだれでも一緒なんだけどな。違う?それにブッダは一人ではない」
「え?」
「そうだよ。ブッダはランクの名前だよ。十方、全宇宙ね、には僕以外にもブッダは大勢いるんだよ」
「へ~~学校で教えてくれなかった。なんで学校は…やめよう」
「へへ、大したことないの、本当に」
「それはブッダ様の人柄で……ごまかしてる気します……」
「インド語と中国語はマスターしてもらわないといけなくなるね。あと数字の値が難しいのよね~。金輪際とか無量大数とかね!」
「ちょっと待ってください。僕に神になれとおっしゃるのですか???」
「そう。私、転勤なの」
「転勤? ブッダが転勤? どこによ?」
「まだ聞かされいない。不安。まあ、銀河系内ではないでしょうね。ほら、初めての転勤だから勝手がわからないやん。移ってすぐにそこの宇宙人となじめるかわからないやん。住まいも心配やん。ビールあるかも心配やん。あれ~関西弁になってますやん、て突っ込んでよ!」
「ブッダ様、全然心配してませんね(笑)」
「バレた。ただ山口さんのことが心配なだけ」
「煩悩の数が普通より5つ少ないだけで神になる資格あるんでしょうか?」
「私がそれだけを考慮してあなたを私の後釜にしようとでも考えたとお思いか?」
「え? 他に何か? 特別な何か?」
「うそ~~。ない。何もない」
「あのね~、神様じゃなかったらしめてますよ」
「あのね~、私は強いの。私をしめるなんざ2000年早い~」
「僕は誰と話しているのかわからなくなってきた……」
「それは、神だよ。あなたと私は何も変わらない。ただ君は漫然と50年生きてきた、のに対して私は悟りを開き2000年修行してきた、だけの違いだよ」
「…悟り…神…できるか俺?」
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