第6話 釈迦に説法の前に

「始めからわかっていたことなんだけど……その時がきたわ……」


「何が来たの?公共放送はなんとかバカの振りしてお帰り頂いたが……?だって払えないもん」


「あなたのことが好きよ。美里がなんであなたなんかと結婚したのか全く理解できなかったけど、今はわかるわ。あなたは特別なのよ」


「モグ、さっきから何を言ってるんだ?もう寝ろ。疲れてるんだろう」

「フフ、疲れてるわ……怖いくらい。あなたに伝えないといけないことがございます」


「うむ?」


「ブッダ様からあなたにお話があります。ブッダ様はこの日を2千年お待ちになられました。」

「2千年?」

「話しの腰をおらないで下さいませ。人には108つの煩悩がごさいます。しかしあなた様には103つの煩悩しかございません。これが何を意味するか!103つの煩悩を持つのは宇宙人だけです。つまりはあなたは宇宙人の生まれ変わりのはじめての人間ということです」


「うむ??」


「輪廻転生に宇宙人が含蓄されるまで2千年かかりました。これはブッダ様が強く望まれていたことです。それがやっと叶ったのです。なぜなら簡単に言えば貪欲を抑えるのが仏教の教え。しかしブッダ様の教えにもよらず煩悩が減ることはなかった。それが宇宙人の血筋が混血することによって5つも減った。勿論、煩悩の数が減れば良いというものではありませんが正直、それだけで救われる人間は計り知れないのです」


「モグ、もうダメ。わかんない……僕、帰りたい。と言ってもここが家だし~~」


「大丈夫です。あなたは特別ですから……。ここまでが私が話さなければならない役目でした。私があなたと話すことができたのはブッダ様の力でこの瞬間の、今、お話しした事を伝える為だったのです。

ここから先はブッダ様が直にお話しされます」


「何、ブッダと会うの?やだよ?あの人は神様だよ。僕は派遣社員だよ。だいぶん気が引けるな~」

「あなたは特別なのよ。ここにきて派遣社員は関係ないです」

「モグ、おまえ、関係ないことないだろ。僕が期間満了でクビになってみろ、おまえ達のドックフ―ドも買えないんだぞ!」

「だから、今、クビになったとかの世知がない話ではなくて、崇高な脈絡と流れる輪廻転生の……」

「何が崇高だ。霞を食って生活できるのか?(やばいよ。やばいよ。そう、うつのそう状態に入ってる。今、ブッダと話したら大変なことになるぞ!)だいたい宇宙人の女性って見たことないぞ。女を出せっていうの。なあ、モグ!」


「この男、ある意味…やはり特別だな……」

うつ状態になるまでブッダ様に合わせてはならないと固く誓うモグであった。

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