第27話 行き当たりバッタリ

待つ間泰真は考えていた。


俺の頭は噴いていた。


ここで頭を擦り付け、土下座して茉穂の兄に罵倒されようが殴られようが許しをこう自分の先には、束縛、独占欲に身を包んだ茉穂と二人の生活が待つている。

それは生涯を共に生きなければならない!

と言った窮屈そうな一生が待っている。



そう俺には責任、義務、が課せられ

何より忍耐が必要になる。


その覚悟は今の俺にはあるんだろうか?家族を持っ覚悟だ!


茉穂が言うには大家族の予定

子供ポンポン産む計画

子供はポンポン作れる自信はあるが


ポンポン産まれてくる子供の

子育てする覚悟はあるか?



と言った所で茉穂を手放す勇気は

到底ない、考えられない。


「泰真、分かってるだろうな

お前が本気なら、俺も一緒に土下座

する。」


「・・・」

泰真は黙ったまま俺(大河)をジッと見た。


「は!お前」


「・・・」


「まさか、未だ決心出来ないか?」


「・・・・」


「なぁ、今がそんなに大事か?

茉穂が好きなんだろ!」


「・・・」


「は?」

大河は何も言わない泰真に呆れて

しまった。



「彼女が幸せになろうとしてるんだ、お前が幸せに出来ないなら

他の誰かに委ねたがいいんじゃないか?


未来を捨てて迄、拘る事か?

今動かないと彼女は真面目な子だ

結婚したら絶対結婚相手と添い遂げるぞ、そしたらもうお前の手には入らない!

良いんだな!」


「・・・・・」



「何をそんなに悩むんだ?

彼女が好きなんだろう?

違うのか?」



「・・・・・・」


こうしている間にも見合いは進んで

俺(大河)は気が気では無い。

泰真は、束縛されたくない、自由でいたいそれは遊びも恋愛も・・

その気持ちは男なら誰にも分かる


だがそれに彼女を巻き込むのは違うと思うぞ‼️




「今日、今、決めれなければ

彼女は諦めろ

それくらいの想いしかないんだと

理解した方がいい

迷うって事は決心出来ないんだろ

とりあえず見合いは破棄して貰お

なんて甘い事は言うな

彼女の人生にチャチャ入れるのは

良くない!!」


大河は泰真にキツイ事を言うが最もだと誰もがうなずくだろう。


そして見合いが始まって2時間が過ぎた。

茉穂の兄貴と向こうの付き添い人らしき男性が、ホテルのフロントに現れた。

向こうの、付き添い人も茉穂の兄貴と同じ位の歳の男性だった、エリートと分かるような銀縁メガネに高身長でちょっと気難しそうな男性。



すると少し置いて付き添い人によく似た男性と一歩遅れて茉穂が現れた。

泰真と俺は仇を見るような目をして

この2人を見つめていた。


「ホントに?」


「はい。」

楽しげな会話がきこえてくる


泰真は動くか?と奴を見るが唖然とした顔をしていた。


「アイツ!」



「どうした

知り合いか?」

俺は泰真の顔を見て聞いてみた。


「アイツ・・・」

スックと立ち上がった泰真はドカドカと歩み寄り男に顎下からのォアッパーパンチ

ガッンと決まった!


ゲッ!!一同ポカーン

ぶっ倒れた相手を見て皆唖然

「何すんのよ!」

茉穂の一言に皆我にかえる。


「な、何をする」

「やめて泰真」

茉穂はビックリ仰天

修羅場と化した。


そこにいる全員が茉穂を取られそうになり爆発した嫉妬深い男と泰真の事を思った事だろう。


奴の多分兄貴だろう、掴みかかる泰真の間に割ってはいりドタバタ

宗次郎も泰真を引き剥がしにかかった


「お前、なんのつもりだ!!」

宗次郎が叫び

泰真は、直ぐ宗次郎に羽交い締めにされた。


泰真が又腹の底から怒鳴る

「それはこっちのセリフだ、

お前今日が何の日か知らないわけ

ないだろう💢」


咄嗟の事に


「は?なんの事だ!!」

と言う


「華枝さん、コレはどう言う

事ですか?

茉穂さんのお知り合いの

ようですが💢」

付き添い人が宗次郎に不快な顔をする。

茉穂はバツ悪そうな、何とも言えない顔をした。


多少心当たりのある宗次郎もすこし

困ったような顔をして

「いえ、コレは、違います」

と言ったが相手は納得しない。


「いやいや、どう見ても

茉穂さんの、まさか、彼氏ですか?」


そう言う付き添い人の男を泰真は睨みつつ又彼の顔を睨みつけ

「何を言ってる!!

今日は晴音の6歳の誕生日だ

お前が捨てた、桜子の娘だ

知らないわけないだろう

高見一也!!」


茉穂の見合いの相手の名前が出た時

またもや一同がシーンと静かに

なった。


お構いなしに泰真は叫ぶ

「晴音はレンタルしても

父親とマウスーランドに行くって

泣いたんだぞ

お前、1度でも娘にあって誕生日

祝った事あるか?」


桜子と聞いて彼は目を大きく開いた。


「・・・桜子の知り合いか?」

とポッンと呟いた。


「・・・そうだ‼️」


そしてたたみ掛けるように

どなりつける


「娘に養育費も払って

無いだろうが、なのに見合い?

笑わせんな!💢

お前は子供を持つ覚悟なしに

娘を作ったのか?」


高見一也は少し戸惑いながら



「桜子には子供出来ないはずだ

そう言って彼女は家を出たんだ

捨てられたのは俺!だ!!」



「は?」


「彼女には子供が出来なくて

だから実家に帰ってしまった!!

俺は子供が出来なくても良かった

だから桜子の為に我武者羅に

働いた!」



「は?」


「その間お前の母親が桜子をいびって追い出したんだろうが💢

孫孫コールに耐えれ無かったらしいぞ!!

お前は仕事仕事で、家に帰らず

桜子は我慢に我慢して

我慢の限界を超えたんだ!!


そして別れてから妊娠が分かった

皮肉なものだと言っていた。

お前何が見合いだ❓笑わせんな!!

晴音の気持ちも考えろ!」


そんな奴を庇う様に付き添い人が

声をあげた。


「弟はずっと彼女が忘れられず

長年苦しんで

やっと見合いする気になったんだ

邪魔をしないでくれ!」



「は?捨てて置いてか?

理由はどうであれ

桜子を迎えにも行かなかった

違うか💢」



「・・・」



「晴音は父親がいなくて

俺にレンタルでいい

1日パパと呼ばせて欲しい

お友達に自慢したいって泣いて

頼んだんだ!

だから俺が代わりに1日だけの

約束で、引き受けた💢」

それを聞いた高見一也は泰真に飛び付いて胸ぐらを引っ掴み聞いた



「えっ、ここにきたんですか?

ム、娘も、一緒なんですか?」


奴も少し慌てた様に詰め寄って来た

泰真も少し引き気味に


「お、おう、今レンタルパパ三人とマウスーランドにいる、勿論桜子もな!!

俺が頼んだんだ、変な奴らじゃない、桜子が高校の時マネージャーをしていただろう、その時の仲間だ!」

そう泰真が言うと奴は嬉しそうな顔をして泰真の胸ぐらを掴んでいた手を緩めて離した。。



彼は彼女を捨てた訳じゃ無かったのか?コイツも苦しんでいたのか?

そんな妙な考えが湧いてくる。


「直ぐ行きます

桜子に連絡してください。

番号も変えられていて」

高見一也はそう言うと茉穂をみて



「 茉穂さん、私は、

申し訳ありませ

ん・・」

そう言うと彼は礼儀正しく頭を深く下げた。


「いいんです。

私も桜子さんとお子さんは

存じ上げております。

娘さん、

あなたによく似てらっしゃいますよ。

上手く行くように祈っています。

お誕生日のプレゼントはちゃんと

買って上げてくださいね。」

「ご迷惑かけました。

ありがとう茉穂さん

どうか良い方と巡り会えるように

祈ってます。」


「はい。」


茉穂は少し垂れた彼の目と晴音の

可愛らしく垂れた目を思い出した。


「一也、一也」


彼の兄の声を聞いて一也は

兄を睨みつけ


「兄貴は知っていたのか?」

母が桜子をいびっていた事を

そして娘が生まれていた事を?」



「いや、聞いていない

母さんがそんな事する訳ないだろ!」

そう言う兄は、少し思い当たる様な

顔をしていた。


兄貴が知っていようがいまいが今の

一也にはどうでも良いようだった。


娘と桜子に早く会いたいと流行る気持ちを抑えるので精一杯だったのだろう。


宗次郎も

「あなたの弟さんは・・


しかしあなたの家に嫁入りさせなくて良かった、うちは嫁と母親は凄く

仲がいい嫁イビリなんて頭に無かった、もしかしてあなたの奥さんも

やられているかもしれませんね。

この話はこちらから

お断りさせて頂きます。」


高見一也の兄の目を見て言った

高見は気まずそうに頭を下げた。


そして茉穂と泰真は見つめあって

いた。

大河もお邪魔虫の状態になり


「ああ、わりーぃ俺、帰る・・ヮ」

とソワソワしだした。


ところがこの2人見つめ合っていたのではなく睨み合っていたのだと気付く!


「邪魔すんな💢って

言ったじゃんか

なんでタイミング良く出て来るの!

💢」

と、茉穂が叫んだ。


「う!

す、すまん。」


まあ見合いをぶち壊したのは確かだ

泰真は茉穂に謝った。


「今度出て来たら通報するから💢

後9回あるからね、わかったか

アンポンタン!」



泰真もしょぼんとしながらも茉穂に

きいた。

「アンポンタンって?

ナポリタンのまちがいか?」


「は、ナポリタン?

はああぁぁあ、アンタ、

アンポンタンしらんの?アホの上を

アンポンタンって言うんじゃ

つまりは、バカに近いってこと、

いやいやバカの中身がからつぽ

バカに中身がない

つまりアンタ!

アンポンターン」アハハハハ

泰真に向けて文句言わずにいられない。


そんな訳分からん、嘘かホントか

怪しいウンチクどーでも

いいって感じで泰真は

「・・なんで見合いなんかした

俺に内緒で、卑怯だぞ!」

と怒鳴って来た。


「はいぃぃぃぃー」


「どの口が言ってますかー

彼女をお泊まりさせたって事は

高見さんには、言えなかったけど

疑いは、はれてないヨ


アンタこそどー言うつもり?


でもぉー


(๑ ิټ ิ)ヘヘッ来週も再来週も、その次もお見合い入ってますから邪魔スンナ

ワタシ28ギリギリで結婚するんだから・・まだまだ誕生日まで

あるし頑張っちゃうんだから

4月中に電撃結婚する!!

悔しいだろーw

悔しいかぁーWww

アンタより早く結婚してぇーサ

ポンポン産むんだよ!!

旦那様の玉のような子供を・・

七五三にはたんまりとお祝いクレ」


「・・・・」


「お前見合い👉邪魔スンナ!ヨ!」

茉穂は憎たらしい顔をして挑発!


ワナワナと拳を握りしめた泰真は


「誰が許すか!

俺は認めないぞ!」

とほざきやがった。


大河にはじゃれあってるとしか見えない┐(´д`)┌ヤレヤレダゼ

2人を見て呆れ顔で耳ホジホジ

勝手にヤレ状態!!





「へーぇ

許さないの?許さないならサ

アンタが嫁にしてくれる?

そしたらアンタの子供を

ポポ、ポーンと勢い良く産むからサ!

アンタ分娩室でキャッチしてよ


アハハハハ即、結婚届け書いてから、なんやらかんやらホザケ

婚姻届書いてから出直してコイ、

そんな勇気あればね━━━━!

へヘッ結婚にビビッてるアンタに

出来るかねぇ~マジ、

チッセーワ」👅ベーダ!!




「ヌアンだとおおおーぉぉ」

オコォォォォ!!!


ドタマに来た泰真は

「コイ、」茉穂の手を掴み玄関へと歩き出す。

ドアボーイに車を回してくれと

頼み込みホテルの車止めにセダンが

回って来た❗


「もうこうなりゃ破れ被れ」

カッカカッカ


勢いに乗って進む泰真は車の助手席に茉穂を無理やり押し込んだ!

勢いがある内に進むー

バタン

発進💨<ウッヒョオオオアアア!!!

ヒエェェェヤバ!ーー

「どこ行くのサ━━━━━━

ヤバくナ━━━━━━イ!!

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