第19話 凄まじく申し訳がないんですねぇ!

お兄さんのお菓子はやっぱり美味しかった。


お兄さんが作ったのはフロランタンでとてもクオリティが高かったのにはびっくりした。


…十分くらいしか待ってないのだけど?


まぁ、そんな話は置いといて…このカフェの雰囲気がすごい落ち着くなぁ…


なんか、ウトウトしてきちゃって…ねむ…く…


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「あれ?寝ちゃったかぁ…」


睡眠薬はもちろん入れていない。ただの幸せ物質による睡魔だろう。


うちはヤバいことに手を染めないのが信条だからな。


「おーい希穂〜起きろよ…ってめっちゃよく寝てるな…」


すぅすぅと寝息を立てていて可愛らしいな…


「可愛らしいお嬢さんですね」


マスターも一仕事終えたのかこちらに寄ってきて肩に手を乗せる。


「すみませんがマスター…この後時間とってもらってもよろしいですか?」


「構いませんよ。家までお嬢さんと一緒にお送りいたしますよ」


「助かります」


「別に優希くんは私と対等の立場で話してもよろしいのですよ?」


「冗談は勘弁をしてくださいよ…僕はやっぱりこのくらいでちょうどいいんですよ」


マスターに雇ってもらっているのも理由がある。


少しだけマスターを助けたことに恩を感じてくれて雇ってくれているのだけど、正直大したことはしてないからこんなんでいいのかと罪悪感がえげつないものだけどありがたくこの恩返しを受け取らせてもらっている。


「では、すぐに車を準備させていただきますね」


「ありがとうございます」


ニコリと微笑んで店を一時的に閉じておく準備をしてくれている。


チクタクと時間が進む中、希穂と優希の時間はゆっくりと進んでいた。

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