第16話 吾輩は死刑宣告を受けた黒猫である



 「乗りなさい! 黒猫さん! ここに乗るの!」


 「無理だニャン! セレナさん!」


 「黒猫さんにしか、ここは乗れないの! お願いだから乗って!」


 「逃げちゃ駄目ニャン 逃げちゃ駄目ニャン……」

 

 押し問答の末、吾輩はそれに乗る意思を示す。


 「乗りますニャン! 吾輩が乗りますニャン! 吾輩がセレナの膝の上に乗りますニャン! 乗らせて下さいニャン!」


 理性が完全に壊れてしまった。


 必死にセーブしていたのに女の子の膝の上に乗るだと?


 「ひざまくら!」


 俺のしてみたいランキング上位に食い込む、何とも神聖なご褒美をセレナから言い出すなんて、理性が飛ぶのも仕方がない。


 吾輩は 「理性を失った獣」 に成り下がりセレナの膝の上へダイブした。



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