第16話 歌ってみたを撮って見よう

「初めまして!良かったらコラボしましょう!」


 こうdmを送ったものの、数日間返信が来なかった。どうしたのだろうか、もしかしたらあれは初配信だけの説明?ホラ?かも知れない。


 ……流石に我慢ができずに追いDMを送信した


「ダメだったかな、、、?急に連絡してごめんね」


 ふぅ、流石に無視されるのはメンタルにくるなぁ……

 少しメンタルが抉られてやばいけど気にせずに昼から用事があるからその準備をしよう。


 昼食を食べたあと、私は直ぐにタクシーに乗り込み、都内某所にあるスタジオに向かった。


「わぁ……流石に緊張するなぁ、」


「お疲れ様です〜」


 そう声をかけてきたのは顔なじみ…と言うほどでは無いが、何回か顔を合わせているカドライブの社員さんだった。その容姿は黒いTシャツに青色でカドライブと印刷されており、下はジーパン、髪の毛は黒髪のショートカットだ。髪型以外は完全にモブなんだが、それがいい。滾る。


「あっ、お疲れ様です!」


「どうぞこちらへ〜」


 そう言って通された部屋は、凸凹した完全防音で大きなマイク、機材がある音響スタジオだ。


 収録前にカドライブの社員さんが手配してくれたボイストレーナーの方に歌い方や声の出し方の指導から入った。

 部外者の私のお願いを快く受け入れてくれた挙句、ここまで手配してくれるカドライブまじナニモンなん?すごくね。

 問い合わせフォームからメールを送ったんだけど、直ぐにLINE教えてくれて、企画担当者のLINEグループに突っ込まれ、色々話を聞いてくれたり、なんなら関係ない活動についての相談も聞いてくれたり、、、私が感謝の言葉を伝えると、「いえいえ、最上さんには色々お世話になっておりますから、」で済ましてくるんだよ!?お世話になってるのは寧ろ私の方だよ!!!( ;⌄; )


 さぁ、少し取り乱してしまったが、ボイトレの指導も終わり、いよいよ収録に移る。

 曲は人気のVOCALOIDで、今日も朝から20回以上聞いてるから完全に頭に入っている!さぁ、いざゆかん!



♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜


「ふぅー、、」


 最初の数テイクこそ、緊張からか音程を取り乱してしまったりしたが、なんとか収録を終えることが出来た。

 カドライブの方曰く私の歌い方はアイドルにガチ恋して発狂しているようでパワフルだったようだ。どんな歌い方なんだ……

 でも、普段からみはねちゃんの歌枠でオタクコールしてたから実際合っているのかもしれない。


☆その後☆

 

 その曲はまたしてもカドライブの方が手配してくれたMIX師方によりMIXされ、オリジナMVも付き、いよいよ配信されることになった。


 オタクっぽいと言われていたが、コメントでは……


:⚠ここはアイドルのライブ会場ではありません

:やっぱりオタクなんだなぁ、しみじみ

:この曲好きだから歌ってくれてサンガツ

:概要欄の収録協力カドライブってどゆこと?カドライブと太いパイプを持っているんですかねぇ……

:もこレインボー

:原作をバカにしている


 うーん。やっぱりコメ欄はコメ欄だ。多少厳しそうなコメントが多いが、低評価率は2%だ。彼らもツンデレなのだろう。そう思ってコメントを見たら可愛く見えてきたwww

 それに、動画自体は非常にバズり、あっという間に300万再生を突破してしまい、連日急上昇を独占していた。

 まぁ終わり良ければ全て良し。



 

 

  

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