結 文明論の意義

以上、〝文明の星〟図が便利な理由を記しましたが、

事情があって六芒星ろくぼうせいを使いにくい場合は、

トルコや中国の国旗のように、

自然環境以外の要素を五角星や星5つで表し、

自然・社会環境を科学・技術の角を覆う三日月や、

図形ので表すこともできましょう。


図解に当たっては、様々な時代や地域で用いられてきた、

印象的で神秘的な図案で説明できるという、

不思議な偶然が嬉しかったことも事実です。

しかし何より、学問的にみて説明上便利だというのが、

六芒星ろくぼうせい(ヘキサグラム)を使った主な理由なので、

他の形でも文明論の意義は変わらないと思います。


文明には、どんな成り立ちや意義があるのか。

これまでどうなってきて、これからどうなるのか、

それに対して私達はどうしてゆくべきか……。

こうしたことを考えても、すぐに何か利益があるとか、

仕事ができるとかいうわけではありません。


しかし、人類は文明により、現在の繁栄を得ました。

人間の仕事がどんどん省力化していく一方で、

文明活動がますます拡大・複雑・加速化する今日、

人々が文明全体について知って、考えられる社会と、

そうでない社会では、将来大きな違いが出るでしょう。


文明への理解が千分の一、万分の一でも増えれば、

それを百万人の人が知ることで千人力、万人力、

あるいは協力が増してそれ以上の力が生まれます。

個人的にはそうした知識の分野で社会に役立ちたい、

そんな気持ちもあります。


今後は文明全体についての知識が、

モレなく正しくバランス良く(包括的で分析的、総合的に)、

地域や組織、学問分野の垣根かきねを越えて、

初等教育から高等・専門教育、一般教養まで、

今後一層社会に普及し、役立てられたらと願っています。


ご興味がおありの方は、関連のエッセイ『文明の星』や、

小説『Lucifer(ルシファー)』シリーズなども、

ご覧いただけましたら幸いです。


最後に、〝ダビデの星〟を国旗に描くイスラエルは日本と同様、

①周辺の大国と比べると小さな国土ながら独自の文明圏をなし、

②歴史的・地政学的な関係から、

欧米・周辺諸国間の交流や近代化の拠点となることができ、

③天然資源が少ないため、教育など人的資源の向上を通じた、

技術や政策の進歩を重視してきたという共通点があり、

さらには④日ユ同祖論という、夢のある説もあるそうなので、

これも何かのご縁、他の国々と共に学び合い、協力し合って、

発展してゆけたらいいなと思います。


人類文明が今後も、新たな技術と政策を社会に活かして

発展し続けられるよう、期待します。

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六芒星(ヘキサグラム)は文明の星!(改訂版) 平 一 @tairahajime

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