第5話

1月はミス続きであったが、今日はミスなくできた!

意気揚々と帰ろうとしたところ、あまり会わない営業さんがやってきた。

「最近ミス多いね」

出鼻をくじかれるとは少々意味合いは違うが、うまくいったと思っている時に、そう言われると、私の虚弱精神がさらに弱くなり、ますますミスを連発するので勘弁してください。出来ても当然で「良くなったね」と褒めてくれる人が先輩しかいないので、見守ってくださるという実感もない。まぁ、出来て当然の仕事なんですが、やっぱり一言あると嬉しいものだ。

私はミスが怖い。

係長も上司も社長も出来ない奴の悪口を言っている。言いたくもなる気持ちもわかるのだが、延々と聞く身にもなって欲しいものだ。

アンタらは話せて気持ち良いとは思うが、下に溜まる愚痴や鬱屈とした感情をどう発散したらいいのだ。

こうして文に書く他ないのだ。

さて、ミスが怖い原因としては4月に入社した子についてである。

気が利かない、ミスが多い故辞めさせられたのだが、冷静的に見れば、なんでアンタら教えてやらんのだ。と思ってしまうのだ。

係長と2人になる機会が増えて兎角思うのが、自分の都合の良いことしか覚えていない。値引きの計算式を教えてくださいと請うても、計算式を渡されただけで式を使用しても全然金額は合わず、聞いてみたら「小計の計算だよ?何がわからないの?」と言われた。いや、小計の計算って事がもうわからなかったし………

(続く)

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