第8話 小さな命



麓までの道は綺麗に雪解けされ

見上げる山は真白で


ここからはアイゼンをつけての旅になる


辿り着いた雪原の雪を

しっかりと踏み締め

シートを敷き

テントの中へ更にシートを敷き

寝袋に半分身体を埋めて暖を取る


フラスコからシングルモルトを口に入れ

ガス灯に火を入れると

小さな部屋の中は赤く染まる


バーナーの上の器から白い湯気が立ち上り

暖かい食事に感謝する


外へ出て

改めて雪原の上の

小さな明かりを灯すテントを見ていると


生きる意味よりも

生きていることを感じる

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