第6話 一本の灯り



隣の村へ続く道は狭く

道路灯は数本だけで決して充分であるとは言い難い


頼りになるのはヘッドライトだけの山道で

急に見えた曲がり道に心の鼓動が止まりそうになる


ひらひらと落ちて来ていた雪は

いつの間にかくるくると舞いながら

一本の道路灯の明かりで美しい舞踏を見せている


まるで今まで気づかなかったように

目の前の明かりに現れる白い舞踏に

二輪が苦渋の顔を見せている


隣村に着くまでの間に

雪が積もらなければいいのだが


坂道を登る二輪が唸り声を上げる

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