バードウォッチング日記

宮草はつか

第一期 ~カメラを持って出掛けよう!~

第1話 はじめに~晴れたらバードウォッチング症候群~

 窓の外を見ると、青い空が広がっていた。


 雲ひとつない晴れ渡った空。天気予報を見ると、今日は一日晴れらしい。


 そう知るや否や、とある衝動が、私の中を駆け巡っていく。


「あぁっ、バードウォッチングがしたいっ!」


 私の住んでいる地域では、冬は毎日のように空を雲が覆っている。昨日は雪だった。一昨日も雪だった。今度いつ晴れるかわからない。晴れたとしても休日ではないかもしれない。


 寒い? 疲れた? 小説書きたい?


 否。今、外へ出なくてどうする? 鳥を見なくてなんとする!


 愛用の双眼鏡と野鳥図鑑をリュックに入れて、最近手に入れたカメラを首からさげて。


 さぁ、鳥たちがいる野外へと、レッツ、バードウォッチング!



 ――と、このように私は、「晴れたらバードウォッチング症候群」という病にかかっている。


 晴れると無性にバードウォッチングがしたくなって、外へ飛びだしていくという恐ろしい病である。もちろん、正式な病気ではない。私が考えた。今さっき。


 私は小さい頃から生き物が好きで、学生時代にサークル活動でバードウォッチングを始めた。あれからもう、十年以上経つだろう。


 とはいえ、ずっと鳥を見てきたわけではない。卒業してからは、日々の忙しさに追われ、双眼鏡を押し入れにしまいっぱなしにしていた時期もあった。

 

 しかし、あるきっかけで、私は自分が鳥好きだったと再認識することになる。


 それが、2017年からおよそ三年間連載した作品だ。


『バードボーイズウォッチング ~鳥男子たちの恩返し~』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883987841


 この作品を書いていく中で、「あっ、私って鳥好きなんだ」と改めて自覚することができた。


 そして、最近、手に入れたのが、カメラである。


 カメラについては詳しくないので細かく書けないが、超望遠のコンパクトデジカメというものらしい。一眼レフのように高性能ではないが、野鳥撮影を手軽に始めたい初心者向けのカメラだそうだ。


 ちなみにこれは自分で買った物ではない。兄がプレゼントしてくれた物だ。


 新しく与えられた玩具おもちゃのごとく、嬉々としてカメラを首からさげて、私は久し振りのバードウォッチングへ出掛けていった。


 そして再発見したのだ。


「バードウォッチング、めっちゃ楽しい!」


 こうして、今まで下火だった私の鳥熱が、再燃した。



 私のバードウォッチングスタイルは、レアな鳥を求めて山奥を分け入っていく、というものではない。


 ちょっと田舎な家の周りを散歩して、身近な鳥を見て、撮って、愛でる。


 そんなラフなバードウォッチングライフを、このエッセイで書いていこうと思う。


 これを読んで、一人でも多くの方が鳥に興味を持ってくれれば……なんて高尚なことは言わない。


 ただ、私の「楽しい」を読んで、少しでも楽しんでいただければ、幸甚である。

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