第25話:魔女の館にて(幕間)

「……そう。タタンがやられたのね」

暗い森の中に聳え立つ、古い屋敷の中に一人の少女が呟いた。

部屋の窓からは枯れた木々と黒い空が見える。

少女はアンティークな造りの椅子に座り、窓の外を見ている。

彼女の表情は物憂げだ。

漆黒のドレスにエプロンをつけた可憐な容姿も、その表情も相まって触れがたい美しさを醸し出す。


「使えない子」


少女が嘆息すると、外を見ていた視線を後ろに移す。

「で、貴方はどうするの?」

「は、“魔女”様のお役にたつため、先ずはタタンを討伐した者たちを追おうと思います」

「そう」


魔女と呼ばれた少女は再び窓の外へ身を捻る。

外の森には手足の生えたお菓子の魔物モンスターたちがうろうろと歩いていた。

「まぁいいわ。タタンのお蔭で材料も手に入ったもの」

魔女は薄い唇をつり上げる。


「気長にやりましょう」

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