第6話 婚活

仕事を辞めてから2か月半ほどが過ぎ、

節約も板に付いてきた頃だった。


携帯が鳴った。


司だ。

「はいは~い。」


「あ、美羽?いきなりで悪いんだけど、明日時間ある??お昼の2時間だけ!」


「明日は~・・」

冷蔵庫にはってあるカレンダーを見る。特に予定は入っていない。


「2時間ぐらいだったら大丈夫だよ。でも何~?平日の昼の2時間だけって。何かのイベントでもあるの??」

不思議に思い聞いてみた。


「恥ずかしいんだけど、婚活に応募したの。ほんっと美羽には申し訳ないんだけど、サクラで良いからさ、一緒に来てくんない?あ。女性は完全無料だから。そこは心配しなくていいからさ。」

司の必死さが伝わってくる。『玉の輿にのるのが私の夢』って言ってたっけ。それに子供も好きだって言ってたし、年齢的にも焦ってくる時期ってわけか。


「良いけど、旦那には絶対秘密にしててよ。嫌な気分になるだろうから。」


「もちろん!!!ありがとー美羽~!まじ感謝する。後輩に頼んでたんだけど、風邪ひいて明日行けるか分からないって言われたんよ(涙)ほんっとありがと!時間は1時から3時。待ち合わせ場所はレッセルホテルの前ね。」


「オッケー。じゃぁまた明日。」


電話を切った。

「はぁ~・・、婚活かぁ。司には幸せになってほしいけど、でも私、既婚者なのに、嘘付けるかなぁ。ま。何とかなるか~。」

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