迫り来る時間

第13話 タイムリミットは2時間

札幌にいられるのもあと2時間ちょっとだ。


正直に言って帰りたくない。

何にしろ私はここ札幌で誕生日を祝われるのを楽しみに、年明け後のバイトやら大学の期末テストやらを乗り越えて、楽しみに待ち続けていた訳だ。


時間が経つのが早すぎる…。

もう終わりが近づいている…。

もっと楽しい時間があっていいじゃないか?

足りないよ…もっと楽しんでいたいよ…。


私の心を察したのか、先輩はある提案をした。

「札幌駅に行って自分にお土産を買わないかい?」


そう言って2人は札幌駅に向かい、エスカレーターで登っていく。


服とか装飾品とか様々なものを見ていく中で、自分にいいお土産を見つけた。


ディズニーのキャラクターが描かれたカップなどが売られている。


カップを含めて3つくらい買った。


このお土産を家に置いているだけで、『あの時は楽しかったな』と思い返し、また違うことで楽しみたいと前向きに考えられる。


いい提案をしてくれた先輩に感謝。


買い物が終わった後も次から次へとショップを駆け巡り、時間を忘れるような気持ちで残り少ない札幌での時間を過ごす。



いよいよ私は釧路くしろに戻る時がやってきた。


出発15分前。

バスは駐まっていて予約した人を次々と確認していく。


私はバスに乗った。


出発した。


先輩は手を振りながら私を見送った。

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