第37話

「サブマシンガンはこれで完成でいいや」


車に乗ってる4人が二挺づつ使えるように8挺作った。まだ到着するまで時間がかかるみたいだから、まだ作る事も可能だけど。

他の人の分まで作り出すとおわらないので、今回は作らない。


「基本俺以外の3人は戦わないんだろうけど。想定外のことが起きる前提で動いた方がいいだろうし。何かあってからじゃ遅いから」


俺が作ったサブマシンガンが有れば余程の事が無ければ、切り抜けられるはず。


「何が起きるかわからないモンスターパレードですし。有難く使わせて貰います」


「確かに遠慮なんかしている場面じゃないか。私も有難く使わせてもらうけど。モンスターパレードが終わったらレッカくんに返すよ」


「私も貸し出しってことで今回は思う存分使わせて貰うね」


エマ先輩とミラ先輩もモンスターパレードを前にレッサードラゴンの素材を使った魔法銃を受け取ることを渋ることは無かったけど。

モンスターパレード中だけ借りるという事でまとめられてしまった。別に2人なら貰ってくれても良いんだけどな。


「先輩たちがそれが良いなら、貸し出しって事で。でも、貰っていっても良いんですよ?」


「イヤイヤ。確かに魅力的だけど。最高品質のものだとしても、ただの鉄で作ったハンドガン型の魔法銃でも凄い価値がついてるんだよ?そこにレッサードラゴンの素材で作ったサブマシンガンを持ってるなんて知られたら…。四六時中命を狙われそうで怖いからね」


「エマの言う通りだよ。レッカくんと仲良くしてるってだけで、既に1部の女子からヘイトをかっている状態だからね私たち」


そこまでか…。そうなると無理に渡すのも良くないか。


エマ先輩とミラ先輩にも障壁を展開できる付与を付与した装備を渡しておくべきかも。


「ちなみに今回のモンスターパレードでポップした魔物は何系なんですか?」


モンスターパレードでポップする魔物はある程度どおなじ系統でまとめられてポップする。

虫系とかゴーレム系とかそんな感じ。


「今回は人型系だから結構色んな魔物がいるみたい」


人型だとゾンビだって人型だしゴーレムも人型だもんな。今回のモンスターパレード中々厄介そう。


人型だと飛行する魔物はいないらしいからそこは安心できる。

飛行できる魔物ってそれだけで厄介だからね。移動速度も早いし。壁が意味なくなっちゃう。


「今回はゴブリン、オーク、オーガしか確認されてない見たいだから対処はしやすいみたいだけど。如何せん数が凄いらしい」


7割ゴブリンらしいけど。万単位で町に押し寄せているらしい。


「は?ヘリコプター?」



モンスターパレードについて詳しい話を聞いているとヘリコプターが一機上空を通過した。


この世界は航空機の類は開発されて無いはずなんだけど。


どうも魔法を使って浮かせる研究はされてるらしいんだけど。それだとせいぜい地面から2mぐらいしか浮かばないし。消費魔力が多すぎるから実用化は夢のまた夢って感じらしいけど…。


物体を浮かばせる魔法を使うんじゃなくて、

魔力を動力にしたモーターでプロペラを動かせば飛べるんじゃない?って密かに思ってたけど。多分そう言う事だよね?

一体どこの国がと一瞬考えたけど。直ぐに答えがうかぶ。


「バルトゥーラ神王国か」


魔法に頼ることが出来ないからこそ、ヘリコプターの開発の成功したってことか。

それにしたって、最初から地球のヘリコプターと瓜二つな物ができるものなのか?

もしかして…バルトゥーラ神王国にも転移者がいたりする?


これは後であー子様に確認をとった方が良いだろう。


そんなことを考えていると頭上を通過したヘリコプターが旋回してこちらに戻ってくる。

何のつもりだ?と警戒をしていると、もう一度頭上を通過する時にヘリコプターのドアが開きアタッシュケースのようなものが車目掛けて落下してくる。


あれ、もしかしなくても爆発物だろう!


「クソッタレが!」


車を守るように火の壁を空中に展開する。

アタッシュケースが火の壁に接触した瞬間大きな爆発が起きる。


爆風で車は飛ばされて横転してしまう。


「先輩達は問題ないですか?」


「問題ない」


「私も」


先輩達は怪我もなさそうだし大丈夫そう。


「ステラさんも大丈夫ですか?」


車が横転する瞬間に怪我しない様に抱きしめたステラさんの顔を見るとゆでだこ状態だ。


「怪我は大丈夫です。ただ、レッカさんから抱きしめられたのは初めてだなって思ったらちょっと恥ずかしくて…」


ステラさんも問題なさそう。


ヘリコプターは逃す訳にはいかない。


車のドアを持ち上げて外に脱出する。


流石ヘリコプター、一瞬でだいぶ離れているけど。まだ、何とか狙える距離だ。

すぐさまヘリコプターに向かって火で作られた槍を飛ばす。

ヘリコプターは回避しようと横にズレながら前進する。


その程度のこと予想済みだ。

結局、槍の軌道からは外れてしまったので直撃はしなかったがヘリコプターの近くに槍が到達した瞬間、槍を爆発させたのでヘリコプターは大破地面に向かって墜落を始めた。



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訳あり男、異世界へ 塩分過太郎 @rinyo89340141

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