第26話
「リザードマンの集団ですね。エマ先輩宜しくお願いします」
ファイヤーオセロットを倒して冷却効果のあるマントをパワーアップさせて、ポライト火山を登っていく。上級錬金術のスキルについてくる素材探知を頼りにいくつか素材を回収した。魔力を込めるとほんのり温かくなってカイロ代わりになる放熱鉱石見たいな火山特有の素材からファンタジー鉱石の代表格ミスリル鉱石も手に入った。鉱石以外にも熱耐性ポーションの材料のマグマ草とか食べると辛すぎて本当に口から火を吹く事になる火吹きハバネロみたいな植物素材も手に入った。
火吹きハバネロは食用では無く、加工して催涙スプレーにしたり、虫除けスプレーにしたりできる。あとは自分では食べないけど。的に食べさせると言う使い方も存在する。
ブレスを吐いて攻撃するような相手を除けば
大抵の敵に効果がある。
魔物が思ったより居なかったのもあって目的を忘れて、ガッツリ採集を楽しんでしまった。
目的を思い出して、ミラ先輩に魔物を探して貰うと、リザードマンを見つけることが出来た。このまま気付かれないように通過することも出来るけど、それじゃポライト火山に来た1番の目的が達成出来ないので、ちょっかいをだして、こっちに気づいてもらう。
ポライト火山に来た1番の理由はエマ先輩に作ったショットガンの威力を確かめるためだから 、エマ先輩にも戦って貰わないと。
「出来れば最初は一対一が良かったけど…」
エマ先輩はショットガンの弾をスラグ弾から
散弾に変更した。
複数の敵と戦う時は単発高火力のスラグ弾より散弾の方が安全に敵を倒せるだろう。
「じゃあ私が投擲でリザードマン達をこっちに気づかせるね」
ミラ先輩がリザードマン達に気づかせるために棒手裏剣をリザードマンに向けて投擲した。
ミラ先輩が投擲した棒手裏剣はリザードマンの肩に見事命中。
そして命中した瞬間、リザードマンの肩に刺さっている棒手裏剣が消えた。ミラ先輩は棒手裏剣を入れている入れ物を確認してニヤニヤしてるので自動帰還もちゃんと機能しているみたいだ。
「ミラ先輩、リザードマン釣れてませんよ?」
ミラ先輩の棒手裏剣が肩に刺さったと言うのにリザードマンは1歩も動かない。
攻撃されたリザードマンが動かないので、他のリザードマンも仲間が攻撃された事に気づかず。こちらに向かってくる様子はない。
「多分。麻痺が入っちゃった。今回は麻痺させるつもり無かったから、状態異常付与確率上昇は使わなかったんだけど。運が良いのか悪いのか…こんなところで運を消費したくなかったよ」
発動させるつもりがない時に限って、低確率をひくって偶に有るよね。ポケ〇ンの急所とか。
麻痺が解けるまで待ってるのも、時間が勿体ないので、もう一度他のリザードマンに投擲で攻撃してもらう。
今度は麻痺が発動せず。棒手裏剣が飛んできた方目掛けて走って来て俺たちを発見した。
リザードマンは硬い鱗に覆われている為、防御力は高いけど、俊敏な動きはできないし遠距離攻撃も無いらしいので。
鱗の防御を貫通できるだけの威力を持った遠距離攻撃が有れば、割と倒しやすい魔物だと思う。
リザードマン達を引き付けて、散弾の有効射程に入った瞬間エマ先輩のショットガンが火を噴く。
リザードマンは散弾の多さに驚いて一瞬立ち止まる。そのせいで防御姿勢も取れずに、関節や目と言った鱗がなくて防御力の低い場所にも散弾が当たってしまう。
鱗に当たった散弾は弾かれてしまっているけど。
衝撃は伝わってるみたいだし、数発当たれば鱗の防御も貫通できるだろう。
エマ先輩はリザードマン達に対して容赦なく散弾を打ち続ける。
密集してこちらに向かって来ていたのもあってリザードマン達は麻痺で動けなかった個体を除き、全員が散弾の雨に対して防御姿勢でやり過ごすことしかできず。1歩も動けなくなっている。
所々、鱗にヒビが入ってきてるし。決着が付くのも時間の問題だろう。
「あのリザードマン。麻痺が解けたみたいだね。散弾の範囲外から近づいて弾幕を散らせようとしてるのかな?」
新しく近づいて来リザードマンの方にもエマ先輩が攻撃するなら、弾幕が薄くなってしまうため。防御姿勢を取って動けないリザードマン達が動いて攻撃出来るようになってしまう。
まぁ、ショットガンの威力は体験できたとお思うし、エマ先輩一人で戦う必要は無いわけだから、遅れて来リザードマンは俺たちが倒せば良いだけだ。
「あのリザードマンは私が貰って良い?」
ミラ先輩が両手の指と指の間に棒手裏剣を持った状態でそう聞いてきた。
ミラ先輩も棒手裏剣を使いたいみたいなので、遅れて来リザードマンはミラ先輩に譲った。
ミラ先輩が下手なげで八本の棒手裏剣をリザードマンに向かって投擲した。
手で投げてるだけなのに、銃身を切り詰めてるから更に射程が短いとは言え、ショットガンより射程が有るって地味に凄いよね。
恐るべし投擲スキル。もし、ランダムスキルダンジョンで投擲スキルが手に入ったらミラ先輩に指導してもらおう。結構使えそうだし。
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