第24話
「ミラ先輩が車の免許を持っていてくれたおかげでバスを使う必要が無いのはラッキーでした」
飛竜の谷は学校から歩いて行ける距離にあったから、歩いて行ったけど。ポライト火山は学校がある都市の隣町まで行かなきゃ行けないので公共のバスを利用しようと思ってたんだけど、ミラ先輩が車の免許を持っているということでレンタカーを借りてミラ先輩の運転で隣町を目指している。
この世界は現代日本とファンタジーをミックスしたような世界なので車も当然存在する。
「俺も車の免許とろうかな」
日本みたいに通いか合宿で免許取れるみたいだし、やっぱり免許は取っておいた方が移動が楽だ。
「あっゴブリン。そのまま引いちゃうからなにかに掴まって」
ただ、道に出てきた魔物や盗賊を気にせず突っ切ったりするので割とスプラッタな感じ。
その為にシャーシも頑丈に作られてるらしいし。
「ダンジョンが有るからもっと賑やかなのかと思ったらそうでも無いですね?ダンジョンに挑戦するって感じの人も1人もいないし」
車を2時間走らせて到着したダンジョンのある町は想像していた雰囲気とちょっと違った。もっといっぱいダンジョンに挑戦する人がいてもっと騒がしい町だと思ってたけど。
武器屋に防具屋も無いわけでは無いけど、ダンジョンがある町にしては数が少ないし、すごい繁盛している感じでもない。
「当然です。Lv8ダンジョンなんて入る人普通はいませんから。入るとしても自殺志願者ぐらいですよ」
頑張ってLv7ダンジョンの入口付近ぐらいしか無理なんだっけ?今のダンジョンの攻略具合って。
そう考えるとLv8ダンジョンなんてあっても無くても同じか。
「そう考えると今のうちに土地を買っておくと後々大儲けできそうですね」
生産系のスキルを上げてる人を仲間にして、俺の作った武器を使ってスキルダンジョンを進めて貰って、ある程度進んだらその人も俺と同じことして貰ってと進めていけば、スキルLvの高い生産職が増える。そこから戦闘職の装備を供給すれば、無理だと言われているLvのダンジョンもクリアできるようになるだろう。
そうすると今はダンジョンが有るのに普通の町と変わらないここもダンジョンに挑もうとする人が増えるだろう。
でも、武器を持った人が増えるのは嫌だって住民も居そうだな。そこら辺は為政者の人達にお任せしよう。
「確かに今のうちに土地を買っておくのもありだと思いますけど。土地の管理とか運用って結構大変ですよ」
確かに。しかも学生しながらってなると、もっと大変か。
「それにわざわざ買わなくても私の実家の領地内だったらお父様が土地を用意してくれると思いますよ」
なんかすごい紐になった気分。
「凄いね。2人とも今からLv8ダンジョンに入るって言うのに……あのミラだってちょっと緊張してるのに」
「レッカさんは分かりませんけど。私は慣れです。先輩方も1度経験すれば慣れますよ。後、部屋に突然火の女神様が降臨するとか訳の分からないイベントに比べればダンジョンなんて可愛いものです」
部屋に帰ったらあー子様とニャル様がいたもんなあの時あれ以上の場面ってそうそう無いだろう。
「それにレッカさんがいてLv8ダンジョン程度で問題が起きることはないですよ」
「まぁ、やばそうだったら俺が魔法連打してどうにかしますから。そう言えば斥候のスキルダンジョンって攻撃スキル手に入るんですか?」
生産職と違って斥候はダンジョンに挑戦するんだから、自分の身を守るスキルがゼロってことはないと思うけど。
「【投擲】と【状態異常付与確率上昇】が斥候の攻撃スキル。だから私はこれを使ってる」
そう言ってミラ先輩が棒手裏剣を取り出した。
当然だけど戦闘をサポートする感じだね。
でも、その棒手裏剣じゃLv8ダンジョンの魔物相手だとダメージを与えられないだろう。
ダメージを与えられなければいくら状態異常にする確率を上昇させても意味なくなっちゃうし。俺が棒手裏剣作ってみるか。
こう言うのって特にバランスが重要そうだからもしかしたら失敗するかもしれないけど。
「ミラ先輩、棒手裏剣ちょっと見せて貰えないですか?良ければ入れ物ごと」
ミラ先輩は俺の考えていることが何となく分かっているみたいで快く貸してくれた。
間の時間で作っておいたレッサードラゴンの魔石を使って作ったマジックバックから鉄を取り出して、棒手裏剣を作っていく。
できるだけ重心が同じになるように作っているけど、若干の誤差は出来てしまう。
やっぱり、鍛冶師に棒手裏剣を作ってもらって、効果の付与を俺がするって言うのが良いんだろうな。
ちなみに棒手裏剣にした付与は【投擲時、貫通力上昇】【麻痺付与】【自動回収】の3つだ。
【投擲時、貫通力上昇】は投擲を使って攻撃した時しか貫通力は上がらないけど。その代わりどんな攻撃でも貫通力が上昇する【貫通力上昇】より上昇率が高い。
【麻痺付与】はそのままダメージを与えた敵に確率で麻痺を付与する。
【自動回収】は入れ物と連動していて、投げた棒手裏剣が自動で入れ物に帰ってくるようになってる。自動回収の発動は投げた人が任意のタイミングで発動できる。
ミラ先輩に1つづつ説明すると、やっぱり自動回収が1番喜ばれた。
これでミラ先輩に戦闘のサポートをしてもらえる様になったし。
これでダンジョンに挑む準備は全部終わったかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます