第23話
「すごい威力だけど、まさかこのタイプのショットガンを作ってくるとは思わなかった」
一夜明けて、エマ先輩に約束していたショットガンタイプの魔法銃を渡して射撃訓練場で試し打ちをしている。威力にはとてもびっくりしてたけど。水平二連式ショットガンはやっぱり予想外だったらしい。銃身切り詰めてるからショットガンタイプの中でも更に射程が短くなってるからね。それでも有効射程40mぐらい有るんだけどね。
「そこは俺が勝手にその形にした分お安くしておくんで、ご容赦を」
ただの鉄製とは言え俺の作った魔法銃って考えると今すごい値段になりそうだし、そうやって理由をつけて若干安くする作戦である。
火力で言えばあのショットガンも国宝レベルらしいからね。
その気になればほんとに天井知らずの値段が着いてしまう。レッサードラゴンでショットガン作ってたらどれだけの威力が出てたんだろうなってって思うけど、自分で使うにはハンドガンかサブマシンガンの予定なので当分レッサードラゴンでショットガンを作るつもりは無い。
「それならありがたく、おまけしてもらおうかな」
「分かりました。詳しい値段のお話は後でしましょう」
ここで値段を言うとじゃあ自分も作ってて人がいっぱい出てくるだろうから、具体的な値段の話をする時は他に人がいない所でするつもりだ。
「所でエマ先輩はこの後お時間空いていたりしますか?」
「新しい魔法銃を受け取る事になっていたし、1日空いているけど」
それなら好都合。昨日ステラさんとちょっと話していた。資源ダンジョンにエマ先輩と一緒に行くって目的が早くも達成出来そうだ。
エマ先輩のお金稼ぎにもなるし。
「それじゃあ、Lv8資源ダンジョンのポライト火山に行きませんか?」
ポライト火山は飛竜の谷と同じフロア的には1階層しかないけど、それの1階層が馬鹿でかいタイプ。火山の頂上にボスがいると言われている。
エマ先輩は水魔法を使うし相性的にも良いので丁度いいと思う。
道中に魔物でも一撃で倒すというのは無理だけど、エマ先輩でも数発撃ち込めば倒せるだろう。
「いやいや、そんな遠足に行くようなノリで行くところじゃないからねLv8ダンジョンって」
「エマ先輩慣れてください。レッカさんはLv10ダンジョンに行く時も突然言い出しましたから」
確かに飛竜の谷に行くって言った時もサラッと言った記憶があるけど。あの時は結構注意しながら先に進んでたし。
「なんと言うかスケールが違いすぎるな」
「良いじゃんエマ!そのショットガンを作った本人がLv8ダンジョンに誘うってことは、そのショットガンが通用するって確信が有るからでしょ?」
誰だろう?いつの間にかエマ先輩の後ろから忍び寄ってきていた女子生徒がエマ先輩に抱きつきながらそれにLv8ダンジョンなんてこんな機会じゃないと入れないよ。と勝手に説得を始めた。エマ先輩の知り合いなんだとは思うけど。あといちばん重要な情報としてその人には猫耳としっぽが生えていた。
獣人と言うことだ初めて見た!
「全くミラは…突然飛び着いてくるなと言ってるだろうが」
そう言ってエマ先輩が猫獣人の先輩の頭にげんこつを食らわせて自分から引き剥がした。
痛そう。
「驚かせて済まない。こいつはミラレット。見ての通り猫の獣人で私のクラスメイトだ」
頭を抱えてうずくまっている本人に代わってエマ先輩が名前を教えてくれる。
「ミラって呼んでね」
「レッカです。よろしくお願いしますミラ先輩」
「ステラです。よろしくお願いします」
「そうそう、エマが行かなくてもLv8ダンジョンに行くなら、私も連れて行ってくれないかな?私、斥候系のスキルダンジョンを選んでるから。結構役に立つと思うよ」
一応、ランダムスキルダンジョンで索敵スキルは手に入ったけどLv1だし、本職の斥候の動きも1回見てみたい。俺的には連れて行っても良いかな?って思うけど。
「どう思う?」
「斥候という事ならありだと思います。エマ先輩のご友人なら悪い人では無いでしょうし」
ステラさんのOKも出たし、ミラ先輩も同行ということで良いだろう。でもエマ先輩がダンジョンに行かないなら、ランダムスキルダンジョンに行ってスキルの獲得をしたいのでこの話は無しだ。
「斥候の方が同行してくれるなら、安心材料が増えますし是非お願いします。ですがエマ先輩が同行しないならスキルダンジョンに行きたいのでこの話はなかったことで……」
それを聞いたミラ先輩がエマ先輩の肩を掴んでブンブン揺さぶりながら同行するって言いなさい!と必死に説得している。
「わかった、わかったからミラは1回落ち着いてくれ」
エマ先輩が必死の説得に折れてダンジョンに行くから落ち着けとミラ先輩をなだめる。
ミラ先輩は拳を突き上げてガッツポーズしている。
「レッカくん、決めた後に聞くのもあれだけど。本当に大丈夫なのかい?」
「エマ先輩がそのショットガンで攻撃してもスラグ弾なら数発で倒せる筈ですし。問題ないと思いますよ。あとは斥候の人の腕次第ですね」
それなら私がいるから問題ないね。とミラ先輩が言う。猫獣人の斥候ってすごい似合ってる気がするし期待させてもらおう。
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