第20話

「まだ3時?2度寝しよ」


思ったより早く目が覚めてしまったので2度寝しようと思ったけど、ステラさんにあげる魔法銃を作るのに丁度良いなと思いベットから出て錬金術を始めた。


パーツ自体は昨日作った自分の魔法銃と同じ型なのでこっちはスムーズに完成する。


「問題は雷魔法の魔法陣の難易度が高いんだよね〜」


雷魔法スキルダンジョンは存在しないので恐らくランダムスキルダンジョンのみで手に入るレアスキル、その分魔法陣の難易度が高い。

ただ魔法銃で雷魔法の弾丸を撃てるようにするだけで、着弾時爆発して視線誘導付き火魔法の弾丸と同じぐらいの難易度の魔法陣を書かなきゃいけない。


着弾したら放電したり、近くの敵にも電撃でダメージを与えたり追加効果をつけようと魔法陣の難易度が高すぎで今の俺には書けそうにない。

せめて視線誘導を付けれないかな?とそれでも中々の難易度。

でも、不可能じゃない難易度だと思うので失敗してもめげずに何度も挑戦する。

外が明るくなってきてステラさんが朝ごはんを作ってる音が聞こえてきた頃ようやく成功した。


「何とか完成した〜。凄い集中力使ったから朝から精神的に疲れた。昼頃まで寝たいけど、ステラさんが朝ごはん作ってくれてるしそれはやめておこう」


服を着替えて顔を洗って歯磨きしてからリビングに移動する。


「烈火さんおはようございます」


「おはようステラさん」


挨拶をしてテーブルを見ると焼き鮭がのっている。昨日の夜はお酒にステーキと暴飲暴食をしてしまったのですごく助かる。


「今日はどうしますか?やっぱりランダムスキルダンジョンでスキル集めですか?」


「それもするけど、午前中は射撃訓練場に行って、作った魔法銃の試し撃ちしたいかな。これ、ステラさんの分ねハンドガンだけど」


朝ごはんを食べ終わって今日の予定を話し合っている時に今朝作ったステラさん用の魔法銃を手渡した。


「朝から部屋で何してるのかなって思ってたんですが、もしかしてこれを作ってたんですか?」


「そうだよ?本当は色々効果をつけたかったんだけど、今の俺の実力じゃ視線誘導しか付けれなかったけど、雷魔法の弾丸を撃てるようになってるよ」


「視線誘導って私が目標を目視してれば照準無しで弾が自動で目標に当たるって事ですよね?」


「まだ1発も撃って無いから断言は出来ないけど、そうなってくれる予定」


誘導性能があんまり良くなくて多少照準を定める必要が有るとか、可能性はあるからね。


「視線誘導だけで十分すぎる効果ですよ?

ほんとに私が使って良いんですか?」


「ステラさんの為に作ったんだから使ってくれないと困る」


「ありがとうございます。大切にしますね。じゃあ烈火さんの言う通り、午前中は射撃訓練場に行きましょう。私もこの魔法銃を試してみたいです」


魔法銃の試し打ちが終わり次第、ランダムスキルダンジョンでスキル集めをする予定なのでステラさんは防具を、俺はまだ防具を作ってないので制服に着替えて射撃訓練場に向かった。


「想像以上に注目されてる。そんなに気になるもんかね?」


移動中からそうだけど凄い視線が集まってる。

射撃訓練場についてからはさらに顕著だ。


「皆さん烈火さんがなにをするのか気になって仕方ないんですよ」


「ステラさんが綺麗だからみんな見てるだけかもよ」


「それがないとは言いませんけど、流石にそれだけじゃこんなに視線は集まりませんよ。どうします?プライベートエリアを借りますか?」


通常の射撃訓練場は左右に衝立が有るぐらいで、周りから観察し放題。

そのため、見られたくないスキルを練習するために、外からは確認できないプライベートエリアというのもあるらしい。

特に見られてまずい事をする訳じゃないのでこのまま練習を開始する。


寧ろこの魔法銃を見て鍛冶師とかが食いついてくれないかな?とか思ってたりする。


「それじゃ恨まれそうだし。このままここでやろう。最初は俺からで良い?」


勿論です。と譲ってくれたので射撃位置の近くにあるスタートボタンを押す。

すると、丸が描かれた的とバツが描かれた的が幾つか出現する。


丸の描かれた的を撃てばポイントバツの描かれ的を撃ったら減点。

今回は障害物とかないスタンダードな設定を選んだ。


魔法銃をセミオートで丸の描かれ的を狙う。

最初は視線誘導を切って試し撃ちをする。

弾丸は的に当たった瞬間小爆発を起こした。


「狙い通りの効果だけど、威力が想像より高かったな。これはこれでありなんだけど、もっと威力はそのままで爆発の範囲を縮小させたものも用意しておこう」


このままじゃ近くの敵を撃ったときに自分も爆発に巻き込まれる事になる。

遠くにいる敵を撃つ時は周りも巻き込めるから逆にいいと思うけど。

今回も狙った的以外の的も爆風で全部壊れてしまった。


「私は烈火さんの魔法を見ているので、この程度もう驚きませんけど、周りの人は放心状態ですね」


その内慣れるでしょ。


「俺らには関係無いし、勝手に覗き見して勝手に放心してるだけだし。この魔法銃はこの射撃訓練場じゃ練習出来なさそうだし、ステラさんに交代するよ」


「どこ狙っても爆風で全部的が壊れちゃいますもんね。じゃあ早速。私も新しい魔法銃早く試して見たくてソワソワしてたんですよ」








読んでいただきありがとうございます。

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