第16話

「そちらのソファーにおかけ下さい。すぐにお茶をお持ち致します」


そう言われたのでソファーに座る。

すると1分もせずにお茶が運ばれてきた。

緑茶だな。緑茶もあるのか。

緑茶好きだったから、緑茶もちゃんとあるのは嬉しいな。

この世界、日本にあったものは今のところ全部普通に有るから、緑茶もあって当然ちゃ当然か。


「美味しい…」


「こちらの緑茶の茶葉も我が社で取り扱っているので、気に入られたようでしたらご用意させて頂きますよ」


良いね。お煎餅食べながらゆっくりこの緑茶飲みたい。


「お願いします」


「では、ご用意させて頂きますね。それでは早速商談に入らせていただきますが、レッサードラゴンの肉はここで金額を決めるのではなく、オークションを開催して販売金額の8割でどうでしょうか?」


オークションかその方が儲けは出そう、8割なのは会場を押さえたり、警備など色々手配しないと行けないだろうから、手数料としては妥当なのかな?


「良いんじゃ無いですか?ステラさんはどう思います?」


交渉なんてした事ないので、ある程度できそうなステラさんに確認する。


「私も問題ないと思いますよ。今回警備とか大変だと思いますし、手数料で3割とっても良いと私は思いますし」


ステラさんも良いって言ってるしそれでいいか。


「じゃあそれでお願いします」


「ありがとうございます。すぐに保管庫へと行きたいところですが、先に本日購入される食材をご覧になりますか?」


「そうですねお願いします」


ステラさんがタブレットを受け取る。

横から覗くと色々な種類の食材が載っていた。

これで選んで食材を用意して貰う感じか。


「食材を直接見て選ぶことも出来ますけどね」


それも可能なのか。


「レインボーフィッシュのさく!ホントに入荷してるんですか?」


タブレットを操作するステラが大声をあげる、レインボーフィッシュは珍しい食材なんだろう。


「レインボーフィッシュLv6ダンジョンに出現する魔物です。虹色に輝く鱗を持つ魚でその鱗は装飾品として凄い人気があります。

なので、さくはドロップとしてはハズレと言われてるのですがとても美味しいので、手に入ったと情報があると貴族で取り合いになる食材です」


さくって事は刺身で食べるって事だよね?

気になる…。

でも、Lv6ダンジョンに出てくる魔物って事は相当なお値段する訳で…。

レッサードラゴンの肉のお金はオークションが終わるまで手に入らないから、俺には買えない。


「タブレットに表示されてるって事はまだ買えるんですね?」


値段の所を見るとビックリする値段がついてた。億超えてたよ…。

ステラさん買うつもりなの?


「もちろん、今回ちょうどいいタイミングで入荷したので、まだお二人以外にはご紹介していませんので。それと烈火様とステラ様のご婚約祝いとしてクラールコーポレーションからお贈りさせてください」


婚約祝いに数億円の贈り物!?


「ありがとうございます。そう言えばリカード。レッサードラゴンの肉をオークションで販売するのに本人が味を知らないと言うのは問題でしょう?ひと塊で50キロなんですけど、売るのは45キロにして5キロはリカードが好きにして良いですよ」


そっか、贈り物をされたら、こちらもお礼をする必要が有るか。

貰ったラッキーで終わっちゃダメだよね。


「ご配慮頂きありがとうございます」


その後、野菜等の食材を一通り選んだ後レッサードラゴンの肉を納品する、保管庫へと向かった。


保管庫は空間が拡張されたりしないけど、食材の劣化を防ぐことができる魔道具らしい。

冷蔵庫みたいな形のもあればコンテナみたいな形のものもある。

その中で案内されたのは部屋自体が保管庫になっている1番大きな保管庫だった。

ステラさんがレッサードラゴンの肉をマジックバックから取りだし保管庫内に置いた。


「これがレッサードラゴンの肉ですか。

サシが細かく入っていて見ているだけで美味しいのが分かりますね」


俺も早く食べてみたくてうずうずしている。

錬金術の素材鑑定で調べたら生でも安全に食べれるって書いてあって、生で食べる味も凄い気になる。


「注文された食材が届いたようですね。烈火様、ステラ様ご確認お願いします」


食材の説明を受けながら確認をしてステラさんのマジックバックにしまう。

レインボーフィッシュのさくは虹色ではなく白身だった。

虹色に輝くのは鱗だけみたいだ。

いくら美味しくても虹色に輝いてたら食欲沸かなそうだから、普通の白身で良かったなと思った。


支払いはステラさんが済ませてしまった。

このぐらい気にしないでくださいって言われたけど女性に払わせて俺は一銭も払わないのはちょっと。

せめて半分払うとかさせて欲しい。


「そんなに気にしなくて良いんですけどね。そうだ、魔法銃の設計図届いてたので烈火さんのスマホに送りますね」


話を逸らされた気がするけど、魔法銃の設計図!

すぐにスマホを確認すると、サブマシンガンとハンドガン両方とも何種類かの設計図が用意されていた。


ステラさんの分も用意してあげれば今日のお礼になるかな?


サプライズで渡すのも良いけど、ステラさんに聞いてステラさんが使いやすい銃にするべきか?

どっちにするべきか悩む烈火だった。



読んでいただきありがとうございます。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る