第15話
恋人繋ぎをしながら街を歩くこと数十分、わざと遠回りしてない?無駄に道を曲がったりしてるしと思ったけど、何か言ったりせずに
歩いていると、大きなビルの前で止まる。
ここで食材を買うの?大企業のオフィスって感じだけど?
「このお店です。貴族御用達のお店なので新鮮でレアな食材も沢山揃ってます。
まぁ買いに来るのは貴族の雇った人達で、貴族本人が来ることは基本ありませんが。
目利きも必要ですし」
ここがお店であってるらしい。
後、ステラさんを見て貴族も普通に料理するのかな?って思ってたけどやっぱりしないらしい。
「どうしたんですか?中に入りましょう」
ホントにここでいいの?と思っているとステラさんに手を引かれビルの中に入っていった。
中に入った感想は大企業のエントランスやっぱり食材が売っているとは思えないんだけど。
ステラさんはそんな事気にせず、受付のお姉さんに話しかける。
「いらっしゃいませステラ・フリューゲル様本日は食材の購入でしょうか?買取でしょうか?」
ホントに食材が売ってるお店らしい。
買取もしてくれるのか。
「購入と買取両方希望なのだけど…烈火さんお肉を販売したいのですが良いですか?」
俺たちで独占するといらない恨みをかいそうだから、王家に献上したりどこかに販売するつもりだったから、売るのは賛成。
ステラさんがこう言うって事はここは信用出来るってことだろうし。
「ステラさんが売るって言うなら問題ないよ」
「ありがとうございます。という事ですので今日は両方です」
「かしこまりました。そう致しましたらまずは地下一階の買取フロアへお願いします」
そう言って、受付のお姉さんがステラさんにカードを手渡した。
「そちらのカードは購入フロアにも移動出来るようになっているので買取が終わったあとそのままお使いください」
「そう、ありがとう」
そう言ってステラさんがエレベーターに向かったので後ろからついて行く。
エレベーターのボタンを押して待っている時にステラさんがボソッと。
「彼女は後でこってり叱られるでしょうね。私にしか挨拶しなかったですし」
と言った。別に俺、貴族でも無ければ有名人でも無いんだからあれが当たり前じゃないの?と聞いたら。
一般には火の寵愛児の顔は出回ってないですけど、貴族や大企業は別ですよ。
私と婚約したって言うのも、お父様があえて情報を流しているはずですから。
大企業の受け付けとしては烈火さんが火の寵愛児だって気づかないとまずいんですよ。
実際隣の受付嬢は気づいてたと思いますよ。
と言われて厳しいな〜と思ってしまった。
ちなみに火の寵愛児と言うのは俺の2つ名的なものらしい。
【炎神の寵愛】を持ってるからってことだろう。
あー子様が舐められないように、火魔法を使って流石、火の寵愛児と言われるように活躍しないと。
そんな話をしているとエレベーターが到着した。中に入りステラさんが操作盤に渡されたカードを触れさせるといくつかの行き先ボタンが光る。
最初に要件を聞いて必要な階のボタンしか反応しないカードを受け取るのか。
防犯面でも便利そう。
ステラさんが地下一階のボタンを押すとエレベーターのドアが閉まり、移動を始めた。
地下一階に到着しチンと音がなりドアが開くといかにも出来る人オーラをだしている50代ぐらいの男性が立っていた。
「ようこそお越しくださいました。
烈火様、ステラ・フリューゲル様」
この人、ステラさんより前に俺の名前を呼んでるけど、これは良いの?
ステラさんの方を見ると当然って顔をしてるから良いみたいだ。
「久しぶりね、リカード。まさか会長直々挨拶に来るとは思わなかったわ」
この人会長さんなのか確かに出来る人オーラが凄いからな、納得。
「烈火様とステラ様がレッサードラゴンを討伐なされたという話はもう出回ってますからね。私以外に対応させる訳には行かないでしょう」
レッサードラゴンの情報もう出回ってるのか、まだダンジョン出てから1時間経ってないのにすごい速度だ。
「交渉なんてしなくてもレッサードラゴンの肉は売るつもりだから安心して、独占して恨まれたくないし。烈火さん紹介致しますね。この人はリカード・クラール。クラールコーポレーションの会長です」
この世界、貴族じゃ無くても国に認められる
功績を残すと家名を名乗れるらしいから。
リカードさんもそう言うことだろう。
「ステラ様ご紹介ありがとうございます。
改めましてリカード・クラールです。
リカードとお呼びください」
「烈火です。よろしくお願いします。
リカードさん」
右手を前にだしリカードさんと握手をする。
今後、食材関係でお世話になりそうな気がするから仲良くしておきたい。
「レッサードラゴンの肉を販売して頂けると言うことで、ここですぐに商談を始めたいですが、そんな訳には行きませんので商談室へご案内致します」
リカードさんの後を着いて商談室へ向かう。
一体いくらになるのかな?と少しワクワクしながら商談室へ入る烈火だった。
読んでいただきありがとうございます。
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