第10話

「うん、こっちでも問題ないみたいだ。

それじゃ、戦闘を再開しよう」


そう言ってオークジェネラルにただ歩いて近づいて行く。

オークジェネラルはチャンスと思ったのか、

片手で大剣を振り下ろしてきた。


「烈火さん!」


俺が振り下ろされた大剣を全く避ける素振りを見せてないのでステラさんが焦っている。

が、オークジェネラルの大剣が俺の体に纏っている青い炎に触れた瞬間溶けて蒸発してしまった。


「まぁ、こうなるよね。万が一、真っ二つになっても今の状態だったら俺死なないし」


突然、大剣が消失して動きが止まった、オークジェネラルの懐に入り手刀で逆袈裟斬りをはなった。


その結果、オークジェネラルは鎧ごと真っ二つになって光の粒子になって消えた。


「おめでとうございます!

流石烈火くんです。あそこまで神の炎を制御する人間なんてあなた以外にいないでしょうね」


オークジェネラルが消えたのと同時にニャル様が出て来ておめでとうと言ってくれる。

因みにさっきまで身に纏っていた青い炎はもう消えている。

あれは制御が大変なので、今のところ長くて1日3分ぐらいしか使えない。

それ以上使おうとすると、制御出来なくなって俺ごと周辺を消滅させる事になる。


3分使えると言っても、3分ギリギリまで使うと自分で動けなくなるぐらい消耗してしまうので、実際は1分半ぐらいしか使わないけど。


「人間にも使えるように大幅にダウングレードしてるとはいえ神の力を3分間も制御できるだけで凄まじい事なんですよ?

烈火くんは自覚無いみたいですけど」


そんな事より、EXステージのクリア報酬のレアスキルがまだなんですが?

いつ貰えるんですか?


「せっかちですね〜烈火君は、ホイっとな」


(上級スキル、上級錬金術Lv1を取得しました)


「烈火くんには上級錬金術をステラちゃんには雷魔法、2つとも上級スキルだよ、やったね!」


「上級スキルなんて聞いたことが有りません・・・そんなスキルが存在するなんて」


「人類はスキルダンジョンすら完全クリア出来てないですからね。上級スキルダンジョンも解放されてないし、知らなくて当然ですね」


そんなダンジョンも有るんだ。


「ニャル様、どうやったら上級スキルダンジョンに行けるようになるんですか?」


「簡単です。スキルダンジョンをLv10まで完全攻略する、ただそれだけです。クリアした人は上級スキルダンジョンに挑戦できるようになります。詳しい説明をすると、上級スキルはLv1で普通のスキルのLv10相当の性能です。後、上級スキルダンジョンに初挑戦時もう一度、どのスキルダンジョンに挑戦するか選べますよ」


そうなの!?ならスキルダンジョンは火魔法スキルダンジョンにして、火魔法のLvガン上げした後、上級スキルダンジョンでランダムスキルダンジョン選べば良かった。

今の俺が使える火魔法はLv20だから上級スキル換算するとLv2。将来、上級スキルダンジョンに行ったときに火魔法スキルが取得できなかったら、火魔法でヒャッハー出来ない。


「ランダムスキルダンジョンでしか意味は無いけど、加護の効果で加護に関係のあるスキルは出やすくなるから、烈火くんが火魔法スキルが出ないって事は無いから安心してください。同じLvを10回も周回すれば入手出来ますよ」


それは朗報だ。でも、運要素が関わってくるから最初からこの事を知ってたら火魔法スキルダンジョンを選んでただろうな。



「でも、火魔法スキルダンジョンだとステラちゃんとは一緒にダンジョン攻略できなかったと思いますよ?彼女ハスターの加護を持ってるから風魔法スキルダンジョンに行ってたと思いますし」


確かに、ステラさんとダンジョン攻略楽しかったし、それだけでもランダムスキルダンジョンを選んだ意味はあったのかな?

炎神の寵愛のおかげで火魔法スキルはでやすいみたいだし。


「そろそろ時間みたいなので、今回はこれで失礼します。ではまた」


ニャル様が腕時計を確認するような動作をした後、唐突に話を切り上げて帰って行った。

ほんとに自由な神様だ。


「俺たちも帰りますか。ここにいてももうやることないし」


色々あって放心状態で地面に座り込んでしまっているステラさんに声をかける。


「その通りなんですが、色々ありすぎて腰が抜けてしまって立てなくて・・・烈火さんがおんぶして貰えないですか?」


これはガチっぽいな。

仕方ないか。


「仕方ないか。ステラさんの部屋までおぶって行けば良いですか?」


「そうですね。お願いします」


ステラさんが顔を真っ赤にしながら答える。


「あれ?1日1回抱きしめてもらうとか言ってたのに恥ずかしいんですか?」


「ダンジョン潜って汗だらけの状態なのにおんぶされるのが恥ずかしいんです!」


待ってよく考えたら、おんぶする俺もステラさんに汗の匂いを嗅がれる?


「確かに汗の匂いを嗅がれるのは俺も嫌です。ステラさんが立てるようになるまでここで休憩しましょう。ネットだって見られるし、ボスも倒したんだから敵も出てこないですしね」


ステラさんの隣に座ってスマホを使ってネットサーフィンを始める烈火だった。



読んでいただきありがとうございます。






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