第3話
「そもそも烈火はどうやって邪神教団と戦ってきたのか忘れたのか?」
「そりゃ、あー子様に頂いた炎を生みだし操る能力で・・・そう言う事ですか!」
転移特典で貰わなくても既にチートスキルを持っているって事か!
「そう言う事だ。因みに【炎神の寵愛】と言うスキルと言うか加護を与えている状態だな。この加護の効果で火魔法Lv+10×2されるのと一時的に私の炎を使えるようになる」
「使い勝手は地球にいた時と変わらないんですよね?」
「全く変わらないから安心しろ」
なら安心、もう10年以上使ってきた能力だ。それがあるなら確かに負ける気がしない。
因みにキャラLvは無いけど、スキルLvは存在する。
ただ、スキルを使い込んでLvを上げるのでは無く、これもダンジョンで上げる。
ダンジョンにはLvがあってクリアするとそのレベルのスキルが手に入る。
例えば剣スキルダンジョンLv1なら剣術Lv1とか体力上昇Lv1のようになっていて、
剣スキルダンジョンLv2をクリアすればLvが2のスキルが手に入るようになる。
ただし、クリアしてスキルLvが上がったからと言って最初から100%性能を使いこなせる訳では無いので、練習は必要だ。
後、1度上のLvをクリアするとそれよりしたのLvのスキルダンジョンに挑戦出来なくなってしまうので注意が必要だ。
例、剣スキルダンジョンLv1で剣術Lv1を1回目で手に入れたからと言ってすぐにLv2に行ってしまうと、体力上昇Lv1が無いから途中で体力が無くなってクリア出来なかった。
じゃあもう1回Lv1に行って体力上昇Lv1を手に入れようと言った事は出来ない。
なのでスキルダンジョンは何度か周回すること前提になっている。
資源ダンジョンはLv表記は有るけど、これは
このLvのスキルを持っている人が適正だよと言う基準なのでLv2のダンジョンに入った後、Lv1に入ることも可能。
なんで、スキルダンジョンと資源ダンジョン別れているかと言うと、スキルダンジョンでは、クリア後のスキル以外何も手に入らない。道中倒した魔物から何もドロップしないようになっている。
代わりに資源ダンジョンは魔物を倒すと素材やアイテムをドロップするようになっている。
魔物が丸々残るタイプじゃないので解体が要らない。
「今度こそ質問はないか?」
今のところは大丈夫だろう。
「問題ないです!」
「じゃあ今日は帰るぞ。近いうちにまた会いに来る」
そう言ってあー子様はどこかへ行ってしまった。
「ここは俺が通う学校の寮だって言ってたな」
スマホから校内マップを開いてランダムスキルダンジョンがある場所を確認する。
「早速行ってみますか!」
ハンガーにかけてあった制服のブレザーに着替えてランダムスキルダンジョンに向かって歩き出した。
「なんか騒がしいな」
廊下を歩いていると、一人の男が女の子をお持ち帰りしようとしたのを拒否されて、それにキレてるっていうお約束のような場面に遭遇した。
俺は正義のヒーローでも無ければ、主人公でも無いので、スルー安定かな。他の人もそうだしと、横を通り抜けようとした時、こんな会話が聞こえてきた。
「【炎神の加護(小)】を持っている俺が妻にしてやると言ってるんだぞ!」
「いくら加護持ちでも人間として終わっているような貴方の妻なんて死んでもお断りよ」
スルーするつもりだったけど、予定変更。
あの男のせいで、あー子様が悪く言われたら最悪だ。
寧ろ、あー子様はなんであんな男に加護なんて与えてるんだろう?
(【加護(小)】は神が直接与える物ではなく、ある程度ランダムで付与されてしまうんだ。私もムカつくからその男の加護は消しておいた)
あー子様の声が聞こえてきた?
念話ってやつかこれ?
(そうだ、この世界ならこうやって何時でも会話が出来る)
成程、じゃあ分からないことがあったら念話しますね。
(何時でも念話してくれて良いからな)
そんな感じであー子様と話している間にもドンドンヒートアップしていく。
早く止めないとまずそうだな。
「お前が何をしようと勝手だが、クトゥグア様の加護を理由に好き勝手されるとクトゥグア様の評判まで落ちるから止めろ。ぶち殺すぞ」
しまった。もうちょっと穏便に済ますつもりだったけど、ついやっちゃった。
でも、問答無用で火だるまにしてないだけ、優しいと思うんだ。
(折角、この世界に連れてきたのに、犯罪者になるつもりか?私の為を思ってくれるのは嬉しいが、それじゃ狂信者と変わらないぞ)
それは嫌だな。深呼吸して1回、心を落ち着かせる。
「なんだお前は、俺は加護持ちで偉いんだ!
俺の妻になるという光栄な事を断るあの女が悪いんだ!」
「聞こえてなかったのか?クトゥグア様の評判まで落ちるから黙れと言ってるんだ。
それとお前もう加護持ちじゃあ無いぞ、
クトゥグア様もムカつくから加護消しといたって言ってたから」
「加護が消えた?何意味分からないことを言っている。調子に乗るなよ」
そう言って手のひらを上に向けてなんか言ってる。何してるの?ポージング?
「何故だ何故?火球が出せない。俺には
【炎神の加護(小)】が有るんだぞ!」
あ〜そういう事。
「だから、加護は消えたって教えてあげたじゃん。因みに俺は【炎神の寵愛】持ってるから」
「ふざけるな!そんな嘘信じ、あばばばば」
半狂乱になっていた男は警棒のようなものを持って現れた女子生徒に警棒で殴られると痙攣しだした。麻痺効果でもついてるのかな?
ネクタイの色から女子生徒は2年生の先輩だろう。
「助けて頂いてありがとうございます」
実力行使以外に問題を解決する方法思いつかなかったから、先に倒してくれて助かった。
特別な許可が無ければ基本、学園内で戦闘スキルを使うと罰則の対象だからどうしようと思ってたんだよ。
「私はこれが仕事だからね」
そう言って風紀委員と書かれた腕章を見せる。
「風紀委員の方でしたか。では、俺はここで失礼します。スキルダンジョンに向かう予定だったんですよ」
何となく面倒事の予感がしたので逃げようとしたが・・・。
「まぁ、待って欲しい。君が加害者でないのはわかっているが、事情を聞かない訳には行かない。一緒に風紀委員室まで来てくれるか」
逃げれないか〜。
読んでいただきありがとうございます。
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