【異世界ファンタジー】殺し屋が元同僚の薬屋に執着して、記憶をなくして平和に暮らす薬屋を同じところまで引きずり下ろしたい話

@minimoti9

第1話 年を取らない娘と強すぎるただの薬屋

※ファンタジー世界観イメージ

※魔物とか魔族とか魔王とか冒険者とか魔法使いとか普通にいる世界観。

※今回はBL要素薄いです。

※薬屋の娘の視点で話が進みます。(ルーン)







「でてけ!ここに金目のものなんてねぇよ!」


私の養父は薬屋のボロい木製扉をガッと大きく開くと、

荒くれものの男たち3人をまとめて蹴っぽり出した。


時刻は午後14時。


お天道様がちょうど真上にきている。


ついさっき威勢よく店に乗りこんで騒ぎ立てた3人の荒くれものは、

ものの3分ほどで外に放り出された。


おてんとうさまはそんな子悪党どもを笑うように照らしている。


「くそっ、覚えてろ!」


荒くれもののリーダー格、派手なモヒカン頭は

養父に向かってお決まりの決め台詞をはく。


そうして、仲間のツンツン頭の金髪と、禿げたデブ男を連れて

ドブネズミみたいにそそくさと逃げて行った。


ざまぁみろだ。


私は養父の後ろに隠れながら、

逃げていく男たちに向かって「あっかんべー」

と舌を出して、馬鹿にした。


「ここも治安が悪くなったねぇ」

「大丈夫かい、ケガしていない?」


さっきまで物陰に隠れて、一部始終(悪党が店に押し入って、放り出されるまで)を

見ていた近所の人間(暇な人妻や年寄り夫婦)が養父の周りに集まってきて、

馴れ馴れしく話しかけてきた。


だから、私は慌てて養父から離れて、店のぼろ扉の前に隠れた。


近所の奴らに見えない位置で、暗い扉に背中を預けた。

ひんやりとした木の感触を感じながら、耳だけそばだてて話を聞く。


「ええ、だいじょうぶです」

「最近、ああいう荒くれものが多くて、本当にわたしの店もいつ襲われるか

わかったもんじゃないよ。ねぇ」

「本当に、旦那がいても弱っちくて役に立たないもんね、腰を抜かして隅で震えてるよ」


これはあまりよろしくない空気だ。


私は近所の奴らをあの荒くれものよりもたちが悪いと思っている。

無害そうな、優しそうな顔をして、使えるものは何でも使おうとする

欲深さを上手に隠して近づいてくる。


地面に転がっている石の下を好奇心で覗いたら、

気持ち悪い虫がうじゃうじゃしてたみたいな

眉間がぞわりとするような気持ち悪さを感じる。



扉から顔だけ出して、養父のほうを見ると、けばけばしい赤毛の人妻が

養父の腕にすがって、ひっつきながら真っ赤な唇を動かす。


「だからさぁ、あたしの店の用心棒に「ジャック!」


養父を利用しようとする汚い人妻の言葉をさえぎって、

わたしは苛立ちを隠さずに養父に向かって大声で叫んだ。


「お店の片づけ手伝って!」

「はいよ!ルーン、では失礼、うちのプリンセスがお冠だ」


養父はするりと軽やかに腕の拘束から逃れると、社交ダンスの時みたいに

ちょっとカッコつけてお辞儀をして、私のほうへすぐに来てくれた。


そうして、養父は木の重たい扉を閉める前にちょっとこちらへ向かってウィンクした。

「助かった」声には出さずに、口パクだけで私にそう伝える。


私はその様子に満足した。


私は養父-ジャックのことになると、誰よりも物知り博士になる。


例えば、ジャックは硬派で、女性が苦手。

例えば、ジャックはカッコつけだが、かなり泥臭い仕事の仕方をする。

例えば、私を撫でる手が節くれだっているけど大きくて暖かいこと。


このとおり私はジャックが好きだ。

だから、この養父っていう言い方も本当は好きじゃない。

確かに、娘みたいにかわいがられるのもいいけど、望んでいるのはそうじゃない。


でも、本当に私が成長して女になったら、ジャックは私のこと苦手になるかもしれない。

あのけばけばしい人妻を見る時みたいに、

いやなものを我慢してみるみたいな目で見られたら、

わたしはそんな目をジャックに向けられたら

生きていけない。


「なぁ、ルーン。今日の晩御飯はシチューにしような」

「うん!ちゃんと分量間違えずに作ってね、そうしないとだめなんだから」

「わかった」


だから今は、しばらくはこのままでいい。

優しい彼が大好きだから。







それにしても、と先ほどの赤毛の人妻は言いかける。


「あの薬屋の色男、娘がいたんだね、知らなかったよ」

「嘘つけやい、知っていたくせに。あんたはそうやって人のもんでも

ためらいなく手を出す癖に何を言っているんだか」


ジャックが薬屋に引っ込んだ後、近所の暇人たちでしばらく談笑が続く。


赤毛の女は恨めしそうに、ジャックが消えた扉のほうを見つめた。

赤毛の女は頭の中で、ジャックとこれから仕事を終えて帰ってくるだろう亭主を比べてみた。


自分の亭主などしなびたもやしのようになってしまい、もう何の魅力も感じない。


対してジャックはどうだろう。若くて、しなやかなたくましい筋肉。

30を超えた男の落ち着いた色気を感じる。


あんなわがまま娘を世話していたのでは欲求不満なのではないか。



「それにしてもあの娘はいつまでたっても大きくならないねぇ」


ふと赤毛の女の思考は一人の腰の曲がった婆さんの言葉でさえぎられた。


「ルーンちゃん。引っ込み思案でいつも扉の陰からこっちを見て、

挨拶もしたことない」

「本当、いつも睨んでいるみたいだよね」

「それにここに来た時から年も変わらないように見える。

ちょっと気味が悪い子だよ」

「こらこら、そんなこと言うもんじゃないよ」


老人たちはすぐにその話題に飽きてしまったのか、

別のことを話し始める。


赤毛の女は薬屋の思い木製の扉をじっと見ながら、

ジャックのことと、その娘のルーンのこと、

そして先ほどの老人たちの会話を頭の中で何度も反芻した。











「もう寝る時間だぞ、ルーン」


1階から聴こえてきたジャックの言葉に顔を上げた。


自室の白い壁にかかっているネコ型の壁掛け時計は

黒い長針が揺れて、ちょうど23時を指したところだった。


「もう少し!」


私は油のランプで手元を照らして、

うーんうーんとうなっていた。


オレンジの淡い光をたよりに、小さなパズルのピースをつまんで

ここでもない、そこでもないとぴったりはめ込める場所を探していく。


私は今巷で話題になっているパズルに熱中していた。


心の中を映し出すパズルという触れ込みで、

それを見たときにどうしても欲しくなってしまった。


結局、少々高かったのもの私が譲らないのをみると

ジャックが私に買い与えてくれた。


そのパズルは、最初はすべてのパズルが灰色のピースでなんの絵も描かれていない。

しかし、パズルをすべて完成させると、イラストが浮かび上がるらしい。


そのイラストがパズルを作っている人の

心の中の本当の姿を映し出すそうだ。


誰もが一度は名前を聞いたことがあるような有名な魔法使いが監修しているらしく、

子どもたちの間では今や大ブームとなっていた。


「そんなんじゃ大きくなれないぞ」


もう!うるさい。


そんな「大きくなれない」なんて言葉で私が寝る気になると思っているのだろうか。

ジャックは少々私のことを子ども扱いしすぎじゃないか。


「すぐ寝るから!」


2階の私の部屋から漏れる灯りのせいでジャックは私が起きていることが

わかるんだろう。


私はカーテンを開ける。

四角の木枠の1メートル四方の窓から、青白い月明かりが差し込む。


今日は満月のようだ。


窓のカギを開けて、空気を入れるとひんやりとした冷たい風が

流れてきた。


月明かりが明るいから大丈夫そう。


私は手元のランプをふーッとかき消すと、

暖かいオレンジの炎が消えて、

代わりに冷たい月明かりが部屋を照らした。


月明かりを頼りに机まで行くと、

パズルの続きに取り掛かる。


あと2ピースほど。


ピースを手でつまんで月明かりに照らして、

形を確かめる。


「これはここかな…」


真ん中より右端の空白にピースをはめると

ぴったりはまる。


あと1ピース。


はめるところはわかっている。


ピースを手にもってはめようとしたとき。





ぶわっ。





急に窓から風が流れてきて、カーテンを膨らませた。


私は慌てて完成間近のパズルが風で飛ばないように

体を盾にして、守った。



「お嬢さん、ご機嫌よう」


突然声をかけられて、何を考えるよりも

声のした窓のほうを振り向いてしまった。









そこには黒い衣服で身を包んだ、底なし沼を

見るような暗い目の若い男が立っていた。


そして男が刃渡り15センチほどの鋭い刃物を

左手にもっていることが分かった。



月明かりに照らされて刃物の金属部分が

きらりと白く反射する。


「ジャ・・・・!!」


男は私が叫ぼうと口を開けるか否か、

瞬間移動の魔法のように私の目の前に

現れて、大きな右手で私の口をふさいだ。




「最後に神に祈りなさい。

まぁ、あなたは神に祈ることも

許されないのかもしれませんが」




男は黒手袋の右手で私の口をふさいだまま

ナイフの切っ先を私の首の側面にあてる。

それは氷みたいに冷たい。


どうしてか体が冷凍された魚みたいに

動かなかかった。


何が起きているのかよくわからなくて、

呼吸をふさがれた息苦しさと、首にあたる

ナイフの冷たさだけを感じる。


「では、さようなら」




部屋中に響き渡るような衝撃音とともに

ルーンの自室の扉が吹っ飛んだ。


パンっ。

パンっ。


間を開けずに空気を切り裂くような

破裂音が2発、聴こえた。


私の耳の横を細くすさまじい空気の刃が

通り過ぎた。



「ぐっ…!」


私は急に床に投げ出され、冷たい床に強かに

体を打ち付けた。


うつぶせの体制のまま後ろを振り向くと、

黒い襲撃者が左肩を抑えて

床にうずくまっているのがわかった。



「ジャ・・」


私は顔を上げて、見るも無残に木くずになってしまった

自室の扉の方向を見る。




そこに立っていたのはやはりジャックだった。


でも私にはそれがジャックだとすぐに認識することが

できなかった。


だって、あまりにも違うのだ。


小さい黒いリボルバー式の拳銃を構えて、ジャックは

じっと襲撃者のほうだけを見ている。


月明かりに照らされたジャックの顔は襲撃者と負けず劣らず

暗い暗い井戸の中みたいな目で怖かった。


はじめてジャックを怖いと思った。


声をかけることもためらわれて、私は下を向く。


「ルーン、こっちへ来なさい」


緊張した声音ながらも少し優しさをにじませる言い方で

私に声をかけてくれて、慌てて腰が抜けながらも這って

ジャックのほうに行くと、後ろに隠れた。


「夜更かし娘を叱るのは後だ。」


ちょっと怖い調子で言われて、

私はうなだれながらも反省する。


だって私が悪いってことはわかっている。




「どうして、ルーンを狙った?」


ジャックが未だに撃たれた左肩の痛みに

呻く男に銃口を向けたまま問いかける。


男はジャックの声に反応して顔を上げると、

痛みに脂汗を流しながら、

にやりと意地悪く笑った。


「カッコウって知ってますか?」


急に何を言い出すんだろう。

この襲撃者は頭のおかしい人間なのかもしれない。


ジャックも男の真意を測りかねているようだ。

警戒を解かずに男に問いかける。


「何が言いたいんだ?」


「いやあなたを見ていると愚かで健気で

とてもかわいらしいなと思うのですよ。

自分が育てているそれが何かも知らずに、

餌を与えて、世話をして、

素晴らしい、種族を超えた愛ですね」


襲撃者の明らかにジャックを馬鹿にしたような口調で

ジャックに語り掛ける。


私はその襲撃者に対してぐつぐつと煮えたぎるような

怒りを覚える。


それと同時に背筋からつぅーっと冷たい汗が

流れた。






あなたは不思議に思ったことはありませんか?


どうしてその娘を育てているのか?

誰から託されたのか?

薬屋になる前は何をしていたのか?

そしてどうしていつまでたっても娘は大きくならないのか?


「ジャック!聞かないで!」


私はこらえきれずジャックに向かって叫んだ。


これじゃあ、まるでまるで私が…。


なおも襲撃者はジャックだけを見て続ける。

まるで私の声も存在もすべていないかのように振る舞う。



「何も言わなくてもいいですよ。


あなたのその銃の腕も、

とっさの判断力も

ただの薬屋ではありえません。


明らかに戦いなれているものの動きだ


しかしね…。」


そこで襲撃者はやっと私のほうを向く。

その目は憎しみなのか、怒りなのか

赤く染まっているように見えた。


怖い。


明らかな殺意を持った目を向けられて

縮みあがる。



「あなたが疑問に感じるたびに

それは氷が解けて消えるように

忘れていったのでしょう?


その娘が…、



…いやその魔族がかけた魔法によって」



満月がちょうど窓の真ん中にきて、

月明かりが部屋を隅まで照らした。


机の上にある完成されたパズルを

月明かりが照らす。


そこにはジャックと私の姿があった。


いや違う。


ジャックを飲み込もうとする

恐ろしい怪物の絵が浮かび上がった。






ジャックが右下の腰あたりにしがみついている

私に視線を向ける。


その視線が怖くて、私は思わず下を向いて

見ないようにした。


頭の中に優しいジャックが化け物を見るような目で

私を見る映像が浮かんで、怖くなってぎゅっとジャックの

服の裾をつかんだ。




ふいに。



そっと私の頭の上に手を置かれる。

それはあったかいいつものジャックの手だった。


「安心しろ、ルーン」


顔をあげれない私にジャックが小声で声をかける。


その声が優しくて、暖かくて思わず喉元まで

熱いものがこみ上げてきた。


ジャックに体を寄せるようにしがみつくと、

頭をまた一撫でしてくれる。


「この娘は俺の愛娘だ。

そして俺はただのしがない薬屋だ。」


ジャックが宣言すると、襲撃者はひどい悲劇を見たように

体のそこから深い深いため息をついた。


そして体をふらふらと揺らしながら立ち上がる。


「どうやら、強引な手段で

目を覚まさせるしかないようですね」


「やる気になっているところ悪いが

あんたはこのまま憲兵に突き出させてもらう。

怪我の治療もしてやるからおとなしくつかまれ」


ジャックは襲撃者に対して降伏するように促す。

しかし、襲撃者は急に背筋を伸ばすと狂ったように

笑い出した。


そしていきなり口調が変わったように喚き散らす。


「甘い甘い!


なんて甘さなんだ。

以前からは考えられない。


あんなに冷たい目をして敵には容赦なかったお前が!

その化け物のせいで骨抜きにされたようだな。


大丈夫だ、俺が俺が元のお前に戻してやるよ、

そうじゃなければ俺がお前を一生飼ってやる。


その魔族などには渡さない」



男はそう言うと急にコートをバサッと脱いだ。


男の左肩は人間の皮膚、腕なのに、右肩は機械仕掛けの

金属の腕になっていた。


「お前のせいで利き手はやられた。

まさか左までやられるとは思っていなかったが。

しかしそのおかげで俺はこの腕を手にすることができた」


男は右腕を構えるとジャックに向けて3発鋭い小さな針のような

ものを発射した。


ジャックはいともたやすくそれを見破り、避けた。


「・・・・っあ!」


私が気づいた時にはその針が右肩に深々と突き刺さっていた。


痛いよりも先にびっくりする。


そして、すぐにその針から血管に根を張って広がっていくような

ジンジンとした痛みがぶわっと広がる。


「…ひぃぅっ」


私はこらえきれず肩を抑えて床にうずくまる。

息を口を開けて空気を入れようとしているのに

全然酸素が入ってこない。


パクパク口と勝手に口が開いて周りの酸素を必死で

取り込もうとしているのに、全く入ってこないのだ。


苦しい。

苦しい。

苦しい。

助けて、お父さん。


「ルーン!!」


慌ててジャックが私のほうを振り向いた。


ためらいなく男に背を向けて、私の肩に刺さった針を抜いた。


そして、肩部分の服を破くと、私の肌の針によって赤い穴が

空いた部分に口をつけて、血をじゅっと吸い出す。


手が震える。ぶるぶる震える手を伸ばして必死で私の穴から

血を吸い出すジャックの頭に手を添える。


「唇が紫になってきましたね。

かわいそうに。

あと1時間ほどで死ぬでしょうね」


襲撃者は高みの見物を決め込んで、

哀れな父娘をあざ笑うように

その様子を言葉にした。


「なんだ?この毒は?人間用の毒じゃないな?」


もう意識が落ちかけている私を床に横たわらせて、

額を撫でながら、解毒方法を調べるジャックは

襲撃者の男に問いかける。


「ええ、もちろん。

万が一あなたに当たったらいやですから。


それは魔族だけを殺せる特別な毒です。


そして人間用の薬しか置いていないここでは

解毒薬は存在しない」


ジャックは息を吐いた。

ふーッと瞳を閉じて、また襲撃者を見る。


「解毒薬を持っているんだな?」


襲撃者が満足そうにうなずく。


「もちろん。それを渡して

解毒する代わりに…」


「わかった。要求に従う。


ただし、俺がお前の要求に従ったら、

この娘には今後危害を加えないと

約束してくれ


「ええ、私の目的はあくまでもあなたの

目を覚まさせることです。


では、解毒薬を渡して、この娘を助けたら

今後一切この娘と関わらないと誓ってください。」


「わかった。だが約束を破ったら・・・」


「わかってますよ。

あなたの実力は重々承知しています。

たとえ武器がなくとも、あなたなら私を

簡単に殺めることができるでしょう。


約束は守ります。

私自身はその娘に何の思い入れもない


では私たちのアジトに来てください。

そこに解毒薬があります。」


男は窓から入ってきた時とは違い、

紳士らしく玄関から出ていく。


ジャックはぶるぶると震え続ける私を毛布に包んで

横抱きにした。


私の額にキスを落とす。


「絶対に助けるからな。プリンセス」




ああ、なんてこと。


私は薄らぐ意識の向こうで思った。

ジャックはなんて誓いをしてしまったのだろう。


そんな私はジャックがいなくなったら

ジャックがいなければ生きている意味なんてないのに。


「・・・・ジャック」


私のかすれた声小さなはジャックには届かなかった。


お願い、お願い。


ジャックともう会えないというのなら

今すぐここで死なせてください。


ジャックは私の気持ちなんて一握りもわかっていない。

ただ私の命を助けるために必死で自分の身まで捧げようとしている。


その選択は、きっと私にとってもジャックにとって

ただの地獄でしかないのに。


そのひたむきさが愛らしくて、愚かしくて、そして憎たらしい。







私のせいだ。


もしも、あの時パズルなんかやらずに灯りを消して眠っていたら。


もしも、あの時窓を開けなかったら。









もしも、もしも、私が人間だったら。





続きます。

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