戦争について①

私が日本に、日本人として生まれて。

平成の時代。戦後、すでに半世紀が経過した時代。


幼少の頃から――

習った? 教わった?

はっきりした言葉でもなく、

空気でなんとなく読んだ?


――こと。


『戦争』とは、

国同士の対立で。

多くは侵略を目的にして。

相手国を滅多打ちにして。

非道にも上から支配して。

好き勝手するための。

悪辣で、非常識極まる。

最悪の行為。


人を殺す為に開発された極悪な武器を用いて。

人を苦しめるための兵器類、化学物質を活用して。

とことん『悪』に徹して。


欲望のままに他国を蹂躙する行為。


人が沢山死ぬ。

愛する家族が。友人が恋人が。

子が。親が。


殺される。

時に敵兵に撃たれて。時に、味方からも撃たれて。

そんな、意味不明な残虐の戦場に、強制的に放り込まれて。

人生半ばで死ぬ。


勝っても負けても被害は大きく、復興には時間が掛かる。遺族は一生、悲しみを背負う。


とことん無駄な――

文明人とはとても思えぬ、野蛮な――

唾棄すべき。

絶対的に否定。断固拒否すべき――


『巨悪』の行為であると。






――






 そう、教わりました。誰かが雄弁に語ってくれた訳ではないですが、『そんな空気』が、幼少期の私を取り巻く日本社会にはあったように思います。


 戦争はしてはいけない。それは悪の行為だと。


 以下、私の初投稿作品

『遥かなるマインド・ウォー』

第36話『平和のために!力を合わせて戦おう!』

冒頭から引用。


――


 戦いとは。

 争いとは。

 何か。

 辞書で調べてみる。


『たたかうこと。あらそい』


 これを見て、がっかりしてはいけない。

 戦いとは、すなわち、戦うことだ。それ以上に説明しようとすれば、必要の無い服飾文にまみれてしまう。

 次に、戦争とは。


『特に国家間で、互いに自国の意志を相手国に強制するために、武力を用いて争うこと』


 これは何も、国に限った話ではない。平和な国でも、個人団体問わず常になされていることだ。

 口で、拳で、武器で、権力で。家で、道で、学校で、職場で。『自分の意志を相手に強制』させようと戦争が起きている。戦争とは、日常である。

 相手に意志を強制すれば、戦争である。極端なことを言えば、『戦争なんて駄目だよねー』という会話すら、『言葉』という武力を用い、相手にその考えを強制しようとしている。戦争である。

 人間は、戦争をする生き物である。国家間の戦争が無い平和な日本に生まれたとして、幼少期、憧れたのは。戦隊ヒーローだろう。仮面ライダーだろう。変身ヒロインだろう。

 彼らは物語の中で何をしていた?

 戦っていた筈だ。

 敵と。

 悪と。

 『彼らの集団に対し悪と断定された者達と』。

 その敵を打ち倒す姿に、健気に、頑張って、努力して、どうにか勝つ姿に。憧れた筈だ。


 『戦い』に。憧れた筈だ。

 『ごっこ』で。真似をするほどに。


 年齢を重ねても変わらない。

 スポーツは戦いだ。受験は戦争だ。ポジションは争いだ。『反戦を訴える活動家でさえ』選挙『戦』に『勝たねば』ならぬと日々『戦って』いる。

 基本的に、人間の生活に戦いは密接である。不可欠である。貧富の差や生まれは関係無い。人間は生まれて死ぬまで、戦いから逃れられることは無い。

 何故か。

 『自分の意志を、強制したい』からだ。つまり、我儘を通したいからだ。受験に受かりたい。試合に勝ちたい。高い収入を得たい。


 ――生きたい。


 それらを叶えるためには、他者と争い、勝ち取らねばならない。ただ生きることすら、他の命に勝って食べねばならない。

 他者と競い、勝つ。このプロセスと欲求、報酬を教えてくれるのが、幼少期の記憶、経験である。

 教育的に、戦いに憧れ、学ぶべきだ。

 他者の子より、我が子が大事なら。他者の子を蹴落とし、我が子を持ち上げねばならない。

 戦争に勝てる人間に育てなければならない。そうやって、連綿と受け継がれてきたのだ。歴史とは、そういうことだ。戦争が科学を発展させ、競い合いが新記録を樹立する。戦いが力を磨いた。


――


 以上は勿論、物語上の演出です。ランスが精神力を補給する為に、各地で戦っている戦士たちを煽っているシーン。

 しかし、私はこの文章にある程度の『納得感』を乗せられたと思っています。


 続いて、また引用ですが……ちょっと文字数的にアレなので、②へ続きます。

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