第4話ヒーロー

僕は窓際の席で、今日も休み時間はトイレに行くだけ。


キイナは朝から寝ている


夜寝てないのかな?


キイナはいつも眠そうだ


キイナの周りにトップギャル集団が集まっていた。


僕は聞き耳を立てた

どうやら、恋バナをしているようだった。

ギャルたちから

 やっぱり〜!と大きな声が上がった

キイナも楽しそうに話しをしている。


聞き耳を立てたけど、ギャル達の声が重なりあって、ちっとも聞こえなかった。


トップギャルの子達でさえキイナに一目置いている感じだ。


不思議な子だな、いつも誰かが集まってきているのに、いつも1人でいる。


お昼、僕は母さんの作ってくれるお弁当を1人で食べる。


クラスにもう1人女の子で1人でお弁当を食べている子がいた。


僕は勝手に仲間意識をもっていた。


学食で大勢で楽しそうに食べる子達

教室で、お弁当やコンビニのおにぎりを食べながら話しをしている子達。


だけど僕は母さんのお弁当を1人でたべるんだ。


どこからか綺麗な鼻歌が聞こえて来て僕は耳を傾けた

ベランダで1人キイナがチョコバーを食べていた。


僕は1人でお弁当を食べる時間が早く終わらないかといつも思っていたけど。


ベランダで1人チョコバーを食べるキイナを見て


なんだか1人で食べてる事が恥ずかしい事じゃないように思えたんだ。


キイナはチョコバーしか食べ無かった

ポケットから何か薬を出すと、コーヒーで流し込んだ。


あれしかたべないのか?


キイナは気持ちよさそうにベランダの風に吹かれながら鼻歌をまた歌いだした。


僕はそれを聴きながらいつもよりゆっくり

お弁当をたべた。


気分がよかった、だけど僕の穏やかな気分を切り裂くように


ざわざわと廊下が騒がしいバタバタと人が走って行く音、


何か嫌な雰囲気を感じた


数人の女の子達がクラスに駆け込んできた。


キイナを見つけるとひっぱり教室の中に入れた。

僕の目の前だ。


 みさとちゃんが

ユキ達に囲まれて蹴られてるの

キキ助けて!


僕は驚いてお弁当を片付けた。


キイナは

気怠るそうに

 

 みさとちゃんて誰?と聞いた


 同じクラスだよ。

なにがあったかわからないけど

ユキ達が、


ユキ達ってゆうのはギャルなんだけど、不良と言った方が早い、そんな集団だ。


キイナは

 どこ?と聞いた


僕は、キイナ1人で行くの?と思った


 ウチのクラスの下駄箱のところ!


 はいはい、とキイナは下駄箱に向かった。


僕は急いで跡を追った!


下駄箱の周りは人集りで


簡単に言えば集団リンチだ


みさとちゃんが丸くうずくまっていて

ユキ達が暴言を吐きながら

ミサトちゃんを踏みつけたり

蹴ったりしていた。


僕は心臓がバクバクしていた。


キイナは

 ちょっとどいて、と言いながら

人集りを進んで行った。


 なにしてんの?

キイナがユキに言った

ユキは振り返ると

 は?あんたに関係ないでしょ?と

すると、

 キイナが半笑いで、関係あるんだよ。

 そこ私の下駄箱の前。

そう言った


僕はますますドキドキした、

先生こないのかな?

さすがにキイナが危ないよ


 キイナは半笑いのまま。

大きな声で、


 人の下駄箱の前でなにしてくれてんだ?

って聞いてるんだよ。


ユキは

 見リャわかるだろ?と言った

と思ったら


 キイナがユキの背中を思い切り蹴飛ばした。

ユキは倒れて、キイナはユキの頭を踏んだ。


 なにしてんだよー!

ユキが叫んだ


キイナは

 は?お前がやってる事と同じ事してんだろ?


ユキの友達がキイナにビビって引いて行く、

キイナは

 集団で囲んで、みっともねー女だな

と、また半笑いで言うと

ユキの顔に近づいて

大きな声で

 私の下駄箱の前で邪魔だって言ってんだよ

わかんねーの?

わかんねーんだったら

顔面踏み潰すぞ!


周りの人だかりもキイナの圧に引いていくのを感じた


ユキ達は逃げて行った。


キイナはみさとちゃんを起こすと

踏まれた跡を手で払って


 大丈夫?


と言った。


みさとちゃんは

 はい。

と言うと。


キイナは黙って教室に戻った


人集りが、キイナが通ると道を開けた


まるで怖がりもせず

動揺もせず、

キイナはまた教室で眠りだした。

まるで、何事もなかったように


みさとちゃんと、みさとちゃんの友達がキイナの所へ来て

 ありがとうと言った後

なぜ、あんな事になったのか話しだした。

男絡みの喧嘩のようだった。

 キイナは話を全部きかず。


 理由はなんでもいいよ。

 怪我しなくてよかったね。

とゆうとまた寝た、


もちろん、クラスだけじゃなく

そこら中でキイナの話しをしていた


ユキがキイナの所にやって来た


僕はキイナが何かされると思いドキドキがまたした。


ユキは

さっきの美里が、、、と話し始めたら


 キイナはユキを睨み


 理由はどうでもいい

 知らねー

 だけど集団で1人を攻撃したあんたを

 私は嫌いだ

 2度と話しかけるな

 わかったか?

 話しかけたら次は

 マジでキレる。


そう言った



ユキは次の日学校に来なかった。


キイナは圧がすごい、

怖がりや動揺がないから尚更、

 

帰宅時間になると

キイナが助けた内股男子が、キイナの所に来た

心配そうだった。


 キイナはその子の顔を見ると


 髪伸ばして、巻いたら?と言った

内股男子は

 バカにされるよ。男なのに、

すると

 え?

 関係ないじゃん?

したい髪してしたいようにメイクして

と言うと

内股男子にメイクをしだした。

 ほら?可愛いじゃん?

内股男子は動揺してた。


キイナは

 男だから?なに?人じゃん

 何もはずかしくないよ。

 私は女だけど、髪みじかいよ?

 同じ事だよ。


キイナには偏見をもたないんだ。

僕はそう思った

だけど

 偏見ばかりの世の中で

 偏見がないと堂々としていられるには

相当な強さがないと無理だろうと思った、


キイナはなんでこんなにも堂々としているんだろうか?と

僕は思った


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