嫌いな女について

リノベ和香

第1話 身近にいた嫌いな女

 令和も4年目を迎える2022年、1月7日、それは突如となく現れた。


 その日は、前日大雪が降り、私が住む関東地方は雪かきや、車通勤する為のタイヤチェーン付けなど、慌ただしさが終わった午前10時ごろ、徐にインターフォンの音が鳴った。

「現金書留でーす。」という、配達員の間伸びした声に反応して、私はハンコを片手に玄関先へ。


 受け取る時、一瞬「多分××だろう」と思っていたら、案の定だった。


 緑の線に縁取られた褐色の封筒の送り先を見て、ほんの少しため息が出た。 封を開けると、手紙もポチ袋もなく、裸のままの一万円札。。。

 

 新年早々、特に年末年始で娘からもらった風邪がようやく回復しつつある中のこの何とも言えない重い手紙。

 (というか、無言の一万円のみ。。)

せめて、ティッシュとかに包むとか、一筆箋とかに包もうよ。 孫へのお年玉なら、なおさらだよ。。。

 これが、父親なら仕方ないかと思う部分もあるが、(男性は、なかなか気が回らない部分でもありますし)残念ながら父は昨年大腸癌で亡くなった。

 。。ということで、この不躾な送り主は母親になる。

 “せっかく、一万円も送ってくれたんだからいいじゃない“ と、思う方もいらっしゃると思いますが、母親が孫にくれたお年玉は、これが2回目か3回目くらいです。

 元々、遠方に嫁いだ(九州から関東に)のと、自営業だったこともあり娘が3歳くらいまでは、年1回くらい帰っていたのですが、小学校に上がり機会を窺っていたらコロナ禍に入り。。。と、こちらも帰省してなかった部分もありますが、本当に片手で数えるくらいです。それについては、あれこれ文句を言うつもりなど毛頭無いです。

 こっちも、頻繁に顔を見せにいかなかったからね。

 

 ただ、そんな母親が今回この高額な金額を手紙も書かずに送ると言うことは、私からの連絡を待っているのです。そして、私はその連絡路するのが大変に気が重いのです。。。


 私の性格上(というか今までの人生の中で)親戚や他人様から頂き物を受け取ったら、必ずお礼の連絡をその日にするのをモットーとしていますので、気が重い中スマホの連絡先にかけましたら、電源が入っていないという機会的なアナウンス。

 またまた、気が重くなりながら今度は実家の家電に連絡。

 ようやく繋がり、なんとかお礼は言えたのですが、勘の良い読み手の皆様は多分もう解っているでしょう。


 そうです、嫌いな女それは、母親でした。 まずは、これをプロローグに初めていこうと思います。


 はい!これから始まるのです。まさに、映画で言うならスターウォーズのメインテーマ曲が今流れているところでしょうか。

 これから始める、私めの普遍的人生においてのノンフィクション雑文がこれから始まります。ノンフィクションなので、家族の恥部もさらけ出していく事になりかねますが、それはまた次の話へ持ち越したいと思います。

 

 

 

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