第6話

 こうして、悠人は気持ち新たに受験に臨み、晴れて朝日高校に亮と共に合格し、心に決めてた通り新聞配達を始めた。

そして、朝日高校に入学すると亮に誘われるまま、放送部に入部した。

最初はあまり乗る気ではなかった放送部だったがお昼の放送の企画を練ったり、番組作りが意外と面白いと思うようになった。


 高校生活も部活を通して、本来の悠人を取り戻していた。

そんな悠人が2年生になったばかりの4月のことだった。

放送部にも新1年生が入部してきた。

今年は可愛い女の子が二人。

一人は、シャキシャキとして、何でもすぐこなしてしまうアナウンサー希望の美人系の中村美玖。

もう一人はどちらかというとおっとりしているけど芯は強そうな可愛い系の松本彩。

2人の新人が入って来てくれたことで、放送部も賑やかになってきた。


 早速、部会が開かれ、お昼の放送の担当チームが組まれた。

悠人はAチームで、副部長の相原由紀と入部してきた1年生の松本彩と同じチームになった。

チームごとに分かれて話し合いが始まり、自己紹介となった時に悠人は、持ち前のお調子の良い明るさで、

「俺のことはユートと呼んで」と言い

彩のことは

「彩ちゃんと呼ばせてもらうよ」と馴れ馴れしく突っ込んでいった。

悠人は、一目見た時から、なんとなく彩の存在が気になっていた。

どこか懐かしく、初めて会ったような気がしなかったのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る