女の性癖

その女とは出会い系アプリで出会った。

器量が良くて少しポチャッとした俺の好みのタイプだった。

相性が良いというのか、俺たちはすぐに意気投合して男と女の関係になってしまった。


俺も女も若いから、そういう関係になってしまうと毎日会っていたくなり、話し合って女と同棲するようになった。俺たちは体の相性が良く時間さえあればお互いを求めあった。


同棲をするようになると彼女は玄関マットを買ってきた。

色は薄いピンクだった。

「私ピンクが好きなのよ。」

そう言って女は笑った。


そしてキッチンマット・トイレの便座カバーとピンクの物が増えていった。それからドアのノブカバーや枕カバーもピンク色になった。


暫くすると彼女は弁当を作ってくれるようになったのだが、弁当袋と箸の色もピンクだった。そしてお弁当の中身はまるで子供の弁当のように華やかで、ご飯は何時も濃い味の混ぜご飯で、そのうえオクラや竹輪には中に詰め物がしてあるのだった。


オクラや竹輪にまで詰め物がしてある・・

彼女のそのしつこさが・・

その拘りが嫌だった。


ドアノブも便座も・・

靴の下敷きまでも・・


詰める・・

埋める・・

包む・・

それが女の性癖なのだ。


俺は仕事の帰りに公園に寄った。

ペットを連れて散歩を楽しむ人たち・・

犬も人も楽しそうだ。


ああ、嫌だ・・

アパートに帰りたくない・・



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