マキナ装備

 ・突撃銃

 企業連合軍、共和国軍双方がほぼ同性能の物を使用した、第二世代型以降マキナのにおいて装備で最も一般的な銃火器。

 対人、対物、対機甲戦闘を万能にこなす火器として開発され、特に貫通力を重視した設計がとられたことで、弾薬にはサボット付きの高速徹甲弾を用いる。しかし、日々向上していた機甲戦力の防御力向上には対応しきれず、機甲歩兵隊においては豆鉄砲と揶揄されている。一方、その軽量さと発射衝撃の小ささから、サブアームに装備しての運用が可能という利点を持っていた。

 様々なカスタムパーツが取り付けに対応しており、前線部隊では下部に擲弾発射器を、儀仗隊ではハーモニックブレードを銃剣として同時装備する姿が見られた。



 ・マキナ用狙撃銃、重狙撃銃

 セミオート式の大口径対物銃。長距離射撃を前提とした長銃身のライフルであり、装甲目標にも一定の火力を発揮し、当たり所によってはマキナを一撃で撃破することも可能だった。呼称の違いは生産国によるもの。

 作中では対『団結する者』戦で翡翠が使用した他、ヤークト・ロシェンナやヴァミリオン・ガンマも様々な場面で使用した。



 ・携帯式電磁加速砲パーソナルレールガン

 企業連合軍が運用した対重装甲目標攻撃用のレールガン。使い捨ての蓄電ユニットから電力を供給し、耐熱徹甲弾を超高速で発射する兵器。

 マキナ単体での汎用運用を前提として小型軽量化が図られており、他機の支援や補助エネルギー装置などを用いる必要がなく、高火力兵器としては比較的取り回しがいい。

 ただ、発射衝撃は相当なもので、高出力アクチュエータを装備する翡翠が使用してもなお銃身が大きく跳ね上がる程。また、1発ずつ蓄電池を交換する必要があることから、連射性は低く対集団戦闘には不向き。更に、銃身加熱の問題から連続で射撃を行うと破損の恐れがあるなど、使用には知識と熟練を要する。

 しかし、超長距離からでも重装甲のマキナや主力戦車でさえ一撃で破壊できるなど、その威力は圧倒的であり、作中では翡翠がミクスチャを撃破する際に多用していた。



 ・ハーモニックブレード

 企業連合軍マキナが装備した近接戦闘用補助兵装。高速振動によって対象を切断する物理剣であり、前腕部側面に独立した収納式ユニットとして搭載された。

 刃渡りこそ大して長くないものの切断能力は高く、重装甲目標に対しても一定のダメージを与えられた他、首元などを狙えば一振りでマキナを行動不能に陥らせることが可能である。一方、刃自体に側方からの衝撃や捻りに弱いという特徴があり、敵に刺さった際に力づくで引き抜くと破断してしまうことが多発していた。そのため、攻撃した相手に噛みこんだ際は、振動を行いながら外すようにという注意勧告が出されている。

 甲鉄や素銅などの第一世代型にも同名の物が装備されたが、より大型で刃渡りが長かったことから、第二世代型以降との互換性はない。



 ・収束波レーザーフラ光長剣ンベルジュ

 企業連合軍が運用していた、収束させた高出力レーザーによって対象を溶断、破壊する近接戦闘武器。その名の通り刃渡りの長い大型の剣。

 対装甲目標用の武装であり、レーザー減衰被膜を備える装甲でも数秒で切断することが可能だった。しかし、その長さから取り回しが悪いため、対重装甲目標攻撃用特殊装備という扱いで、機甲歩兵の基本装備には含まれていない。

 恭一にとってはお気に入り装備の1つであり、対装甲目標戦闘以外でも作中でよく振り回していた。



 ・重榴弾砲

 甲鉄の専用装備として同時開発された重砲。

 折り畳み式の連装長砲身に加え、自動装填装置と給弾切替機、弾薬庫に姿勢制御機構までを一体化した非常に大型の装備であり、甲鉄以外のマキナでの運用は不可能。その代わり、他の砲戦型を圧倒する射程と火力に加え、高い砲撃精度を誇る。

 砲弾には主に、レーザー誘導式の榴弾やサーモバリック弾が使用された。

 作中ではハイパークリフの遺跡で出現した甲鉄が装備していた他、玉匣砲兵隊で使用された甲鉄隊においても多用された。



 ・連装式榴弾砲

 一般的な砲戦型マキナが装備した榴弾砲。企業連合軍は肩に、共和国軍は腰に装着する。

 口径による火力の減少を、自動装填装置を備えて発射速度を向上させることで抑え、専門の砲戦型マキナを準備しなくても運用できるよう設計されている。ただ、重榴弾砲と比較するとほとんどの性能に劣っており、両軍に採用された砲戦型マキナの中で、甲鉄が最優秀機と呼ばれる所以となった。

 砲弾は重榴弾砲と同じく榴弾やサーモバリック弾が使用された他、共和国軍では直接攻撃用のレーザースキャッタ弾なども使用されている。

 作中ではモーガル・シャップロン搭乗のヴァミリオン・ガンマが装備し、翡翠との戦闘で使用している。



 ・携帯式榴弾砲

 企業連合軍が運用した腕部に接続して使用する小型の榴弾砲。直接戦闘を行う機甲歩兵の砲火力を増強することを目的として、企業連合軍が開発、運用した武装。第三世代型マキナならば片手で扱えるほど軽量で、発射衝撃も小さかった。

 伸縮展開式の砲身を持ち、3発を収めることが可能な弾倉を備える。ただ、装備全体が小型軽量であることから、火力は上述の榴弾砲から遥かに劣る上、有視界射撃を前提としているため射程も非常に短い。砲弾は多目的榴弾や徹甲榴弾、ナパーム弾、サーモバリック弾を使用可能だった。

 作中ではロガージョ・クイーン戦で翡翠が使用している。



 ・ガトリング砲

 企業連合、共和国の双方が運用した、マキナの肩部分に装備する大型多銃身機関砲。機体からの動力供給によってモーターを駆動し、凄まじい発射速度を誇る。

 束ねられた6本の銃身に加え、バレル状の弾倉と駆動系を一式とする大掛かりな装備であり、マキナの機動力が損われることから、主に支援射撃用として用いられた。なお、その火力は凄まじく、大型シールドを装備した程度の第二世代型マキナはもちろん、装甲車や主力戦車をも容易く粉砕できる程。

 作中では雪石製薬地下研究所から出現した黒鋼D-4が装備していた他、ロガージョの巣から発見された本装備を、翡翠が雪石製薬地下研究所における戦闘で使用している。



 ・重電磁加速砲リニアカノン

 企業連合軍が使用した対重装甲目標破壊用の大型レールガン。携帯式電磁加速砲の原型であり、マキナの背面全体を覆うように装着する。

 伸縮式の長砲身に別体式放電用エーテル機関、衝撃吸収用アウトリガー等で装備が構成されており、大型かつ非常に重量がある装備。本来は甲鉄による使用を前提としていたが、後に第二世代型以降でも装着が可能となるようアタッチメントが付加された。

 その巨大さから、装備したマキナの機動性は著しく損なわれる上、発射体制時には機体を固定する必要があり、長距離からの支援射撃を前提とした運用以外不可能だった。一方、その威力は凄まじく、要塞施設などの防壁すら破壊することが可能である上、弾速が非常に速く、有人のマキナでは発射を確認してから回避することは不可能であり、シンク・マキナでさえ致命傷を避けるのが限界だった。

 作中では雪石製薬地下研究所に残されていた本装備が登場。シンク・マキナへの攻撃に、翡翠が装備して使用している。



 ・荷電粒子砲

 企業連合軍が開発、使用した高出力のビーム砲。元々は拠点防衛用大型砲台で使用されていた兵器を、マキナ用として転用したもの。

 火力を確保するために大エネルギーが必要であり、専用のエーテル機関を別に搭載するか、あるいは他のマキナからのエネルギー供給が必要だった上、システム自体も大型で放熱の問題なども付きまとうことから連射ができないなど、非常に取り回しの悪い装備。ただ、凄まじい威力を誇ったことで、拠点攻撃用兵器として主に運用された。

 作中ではシンク・マキナが装備して使用。機体そのものが大型だったことから、専用設計の大型エーテル機関や冷却装置を別に搭載することが可能で、取り回しの悪さを一定改善されていた。その凄まじい威力をダマルは、発電所を背負っている、と称している。



 ・自動散弾銃

 企業連合、共和国双方が使用したマキナ用の大型散弾銃。散弾をフルオートで連射することが可能であり、近接戦闘用装備として運用されていた。なお、これをデチューンしてセミオート化したものが、警察機関などで使われていたとされる。

 作中ではヤークト・ロシェンナが装備して使用。ダマル操縦のオブシディアン・ナイトを撃破している。



 ・マキナ用機関銃

 分隊支援用の大口径機関銃。共和国軍にも同様の装備が存在し、こちらは機関砲と称されていた。

 弾幕を展開する制圧射撃での使用を前提として設計されており、容易に銃身交換ができる他、反動の大きさからバイポッドなどの装備も可能としている。

 突撃銃と比較すると、火力が高く照準精度も優秀であり、中距離からマキナの装甲を貫通、撃破することが可能。ただ、突撃銃よりも銃身が長く取り回しが悪いため、支援担当の装備として運用されることがほとんどだった。

 一方で、恭一はこの火力と照準精度の高さを気に入っており、独自の感覚で反動の制御と取り回しの難しさを克服し、近接戦闘でも振り回して使用していたため、ダマルから変人扱いされている。



 ・短距離対空対装甲誘導弾

 企業連合軍が開発した、対ロシェンナ用の誘導弾。

 マキナの脚部に箱型のユニットとして装備され、機体によるロックオンが完了すると円筒形のコンテナが射出される。この円筒形コンテナには6発の小型誘導弾が内蔵されており、コンテナが一定距離を飛翔後、放射状に誘導弾を展開する構造となっている。基本的には全システムが使い捨て。

 作中ではガーデンに保管されていた物を翡翠が使用し、ユライアシティ上空で飛行型ミクスチャを多数撃墜している。



 ・小型誘導弾発射器

 企業連合、共和国両軍が使用したマキナ用のミサイルランチャー。

 使い捨て型であり、肩部や脚部等に装備して使用される。

 作中では前哨基地においてヴァミリオン・ガンマが使用し、弾幕を展開することでヤークト・ロシェンナが退避する時間を作った。



 ・プラズマトーチ

 共和国軍機の一般的な近接戦用装備。

 攻撃時のみ薄緑色のプラズマを発生させ、超高温によって対象を溶断破壊する。柄部分は前腕部に取り付けられており、そのまま振りかざすことも、切り離しマニピュレータに持ち替えて使用することも可能。

 鍔迫り合いが不可能なエネルギー式の近接武装であることから、企業連合軍のハーモニックブレードに対して優位に立ち回れた一方、主機関への負荷が発生することから連続使用には限界があった。また、レギュレータの限界を超えた機関出力の低下や不安定化が起こった場合、威力が大きく減衰するという欠点もあった。

 作中では護国衆のフクシヤがミクスチャを相手に用いた他、ヴァミリオン・ガンマも翡翠との戦闘において使用している。なお、ヤークト・ロシェンナも同武器を装備してはいたが、使用はしていない。



 ・プラズマカノン

 共和国軍が開発した大型エネルギー砲。

 プラズマトーチの制御機構を改良、発展させた兵器であり、凄まじい熱量を誇るプラズマを直接投射する。

 レーザー減衰被膜を備えるマキナであっても、着弾地点から広範囲に渡って撃破が可能な程の威力を誇った。一方、攻撃時にはプラズマが目標地点に着弾するまで磁場を照射し続けなければならず、砲の破壊などによって磁場の照射が妨害、あるいは不可能になると、プラズマが分解霧散してしまうという欠点があり、非常に取り回しの悪い兵器だった。同時に、主機関への負荷が凄まじく、エネルギー供給用の随伴機が無い場合、マキナの性能を極端に低下させてしまう上、砲身加熱の問題から4発以上の連続射撃ができないという致命的な問題も抱えていた。

 登場当初はその凄まじい威力から企業連合軍に恐れられたものの、装備が鹵獲されたことで上述の問題が露見し、磁場を妨害する簡易的な防御装備が開発されると、全くと言っていいほど役に立たなくなり戦場から姿を消している。そのため、運用期間は非常に短く、生産数自体も少数だった。

 作中では、ユライア王国のカーネリアン・ナイトが装備していたとされ、ミクスチャ『割れて増える者』との戦いで使用した記録が残されている。



 ・空戦ユニット

 ロシェンナへの対策として、企業連合軍が運用したマキナ用強化飛行装備。奇襲用として開発された使い捨ての空中移動装備を元に開発されており、第二世代型以降に空戦能力を持たせることが可能だった。

 しかし、元々の設計が空中機動に向かない汎用マキナで、空戦特化機であるロシェンナに対抗するというコンセプトを実現するためには、推進系出力で勝る他なく、移動速度こそ満足のいく数値を出せたものの、ピーキーで扱いづらい装備となってしまっている。同時に軽量化も施さねばならなかったことから、ユニット全体の装甲が貧弱であり、被弾した際に爆発墜落する危険性が高かった。

 姿勢制御用の安定翼の他に、武装の搭載が可能なハードポイントを有する補助翼が存在しており、誘導爆弾や対空誘導弾、ガンポッドなどを装備して戦闘能力を強化することが可能だった。一方、翼の存在によってサブアームの可動範囲が狭められるという欠点も存在する。

 作中ではガーデンに保管されていた物が登場。翡翠が装着し、その後の戦闘で使用している。



 ・レーザー減衰被膜

 装甲表面に展開される不可視の熱防御装備。両軍共に第二世代型マキナ以降には標準装備され、第一世代型にも後付けで装備された機体が多い。

 一種のバリアであり、レーザーの他にも高熱による攻撃を軽減する効果が認められている。主機関出力に比例して減衰効果は高まる一方、広範囲の防御に用いると急激に効率が悪化するという特徴を持つため、戦車より大型になると展開部分を絞った運用がなされている場合が多い。

 基本的には瞬間照射を受け止めることを前提としており、近接武器や高出力のレーザー砲で用いられるような連続照射には耐えられず、僅かに減衰を発生させた後に飽和、効果が消滅してしまう。しかし、飽和しても主機関からのエネルギー供給が断たれなければ、一定時間の放熱後に再展開され、再度効果を発揮することが可能。

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