第14話電波

 ミサンガの件以来、ヒロに電話をする事が増えた。

 アレルギーの話しから

 食べ物の話しになり

 好きな曲

 好きな本

 好きな映画

 自分の癖

 友達のこと

 星の話し

 ヒロが気を遣って合わせてくれてるんじゃないのかな?と、思うほど、話しが尽きなかった


 前に、ミチの彼氏が、

 私達の事を似てると言った事があった


 その話しを、ヒロにすると

 花もB型だよね!血液型が同じだからかな?と

 答えた

 ヒロはロマンチックな話しが好きで

 人魚姫の話しやロミオとジュリエット

 切ない恋の話しを、たくさんしてくれたし、

 たくさん聞いてくれた。

 ヒロは凄く聞き上手でリアクションが大きくて笑った。

 だけど話しはあまり上手じゃなくてオチが無い、

 ヒロはサッカーをしてるのにサッカーの話しは、全くしなかった。

 私が、オフサイドさえ知らなかったからかもしれない。

 ただ、すごく気を使いで。真面目で一生懸命な人なのは、知り合った時から変わらない

 ヒロは早口なのに、何故か穏やかで、

 話しをしてると安心する感じがした。

 必ず、無理するなよ。ちゃんと食べろよ

 睡眠取れよ!と言う

 ヒロの方がすぐ風邪引くくせに。、


 ヒロとの電話が増えて。

 まるで電波のように、ヒロから電話が来るとわかるようになった。

 ヒロもワンコールくらいの速さで電話にでる。学校の廊下でしか会わないヒロ。

 サッカーしてる姿はほぼ見た事がない、

 ただ、たまにヒロに初めて会った時の事を思い出す。一目惚れだった。まるで時間が止まったようで、回りは夕焼けのオレンジ

 サラサラの髪に褐色のはだ、身長は高く

 汗をかいていて、キラキラしてた。

 それと一緒に感じた、嫉妬の気持ち

 何も知らないのに、一眼で、彼女が羨ましいと思った。今でも思う、ヒロの彼女は羨ましいと、ヒロには言わない、

 お互い恋愛の話しは聞かないからだ、

 自然とその話しだけ避けていた

 もうすぐ私は卒業する。

 購買や、廊下でヒロと会えなくなる。

 制服姿とジャージしか見た事ないけど

 ヒロの制服姿は好きだ。

 カッコいい。

 ヒロはおでこが、せまいのが、嫌だと、気していた

 人は意外なな所にコンプレックスがある、

 知っているようでよく知らないヒロ

 なんでなんだろう?たくさん話しをしてきたのに、薄い壁を感じる。

 だけど、ヒロが何も言わなくてもヒロの気持ちがわかるような時がある。

 微力な電波で少しつながっていて

 相手の事をたまに気がつく、そんな

 関係なのかもしれない



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