異世界転生したら神以上に強くなってしまったんだが?

ねくしあ@『暗殺者』投稿なう!

プロローグ

「はぁ……今日も学校疲れた~。

 もうそろそろ冬休みだがそれまでが長い~……」


 そんな独り言を呟くのは僕こと時田 空主人公

 日課の如く画面に向かっていた。


「ん? なんだ? ……この光は?」


 今は昼間だが冬。

 帰宅する時間でも少し暗い。

 それが気づくのを早めたのだろう。

 ――窓の外が突然明るくなったのだ。


「えっ……? 一体なにが?」


 不安に思った僕は急いで窓の外を見る。

 すると、真紅に燃えた隕石が見えた。


「はっ!? 何が起きてるんだ!?」


 隕石の衝突まで「あと数分だろう」、というのを直感で理解できるほどの近さだった。


「あぁもう! なんでこんな事になるんだよ!」


 窓を開け、ベランダに降り立つ。

 ――人生の終わりをもたらすものがこんなに近くにあるのに、

 その終わりをどう迎えようか、なんて考えることは殆どしなかった。


「はぁ……どうせなら隕石の光とかを目に焼き付けてから死ぬとしよう。恋人もいないわけだし。多分誰かに通話かけてもパニックで話にならないだろうな。あー、早く落ちてこないかな!」


 笑い混じりに隕石の落下を、自らの――世界の全生命体もなのだが――死を願う。


 そして数分後……恐らく二分くらい経った後。

 隕石が更に近くなり、その熱を感じ始めた。


 その一分後には目も開けられないほどの暑さになった。

 その一分後。全身から汗が滝のように流れるほどに暑く、熱くなった。


「あぁ……も……う僕は……ぬんだろうな……」


 掴まっている手すりが焼けるように熱い。

 むしろもう溶けている気がする。


 もう一分も耐えられないだろうと思い暑さに、熱さに耐えながら目を開ける。隕石で視界がほぼ埋まっている。


 数秒後、隕石の全体が青く煌めき始めた。その光はとても――十三年の人生で一番というほど――綺麗だった。綺麗さに思わず目を奪われていた。


 そしていつの間にか意識を失っていた。

 ――それが、俺の一度目の人生、最後に見た景色だった。

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