第二の街

「おぁ~!すごーい!!」


 ボスを倒した後、ようやく目的の第二の街に着いた。町の名前は『ヨドバリ』。フワオンの最前線の街もあって、始まりの街では見かけなかった強そうな装備着ている人が沢山いた。もちろん、人がいるので今は女の子口調で喋っている。


「せっかく来たんだし、ログアウトは後にして先に街を見よう」


 俺は町中を歩き始める。外観は始まりの街より少し豪華になったくらいで綺麗な町だった。やっぱ、フワオンってすげー!


「ふんふんふんふん♪・・・ん?なんだろうあれ」


 楽しく街を歩いているとこんなに人がいるのに誰も寄り付かない店を見つけた。その代わり、少し先にある豪華な店の方が繁盛している。ものすごい数のプレイヤーが通っているので有名な店なのだろうか。


「こういうお店の方が腕の立つ人がいるものだよね」


 俺は、誰も入って来ない店の中へ入る。中を見てみると店の中にたくさんの武器や装備があるからここは装備屋のようだ。


「そう言えばこういう店って初めて入ったね」


 やり始めて一週間が経とうとしているが未だにこういった店には入っていない。というか、俺の装備って全部モンスターから手に入ったものだったな。普通の人は店で装備を整えるものだしな。俺が異端だったってことか。


「ごめんくださ~い」


「・・・・ん!?お客さん!!??」


 店の人を呼ぶと奥から貞子みたいな人が凄い勢いで現れた。こわ!!


「・・・本当にお客さんだ!!」


「えと、あの」


 俺を見るや否や、ひとりで盛り上がる店員さん。だ、大丈夫かこの人。


「しかもこんなに可愛らしい少女がお客さんなんて!」


「あ、あの!」


「あ、その、ご、ごめんなさいね。初めてのお客さんだったから盛り上がっちゃって」


「いえ、それはいいのですか。ここは装備屋でいいですか?」


「そうよ。ごめんなさい、まだ自己紹介がまだだったわね。私はサダコ。鍛冶師よ。この店のオーナーでもあるわ」


 貞子っぽい見た目をしていると思ったらまさかの名前までサダコとは。おっと、俺も自己紹介をしないと


「私はベレッタって言います。職業はガンナーです」


「ベレッタちゃんガンナーなの!?今からでも変えた方がいいわよ」


 サダコさんがガンナーと聞いて心配される。本当にガンナーって不遇なんだな。


「大丈夫です。これでもレベル30あります」


「ベレッタちゃんレベル30もあるの!!??」


「?はい、そうですが」


「トップランカーと同じくらいなんてこんなに小さい子なのに、凄いわね」


「え!?そうなんですか!?」


「ベレッタちゃん、知らなかったの?トップギルドの『天元』のギルドマスターがレベル32なのよ。私なんてまだ21だわ」


「はは、そ、そうなんですね」


 俺って地下で乱獲したりゴブリンどもを一掃したりしたからな。そのせいだろうな。


「ガンナーなのに凄いわ。どうな武器使っているのかしら、やっぱり火縄銃?」


 サダコさん、この見た目ですごく喋る人なんだな。やっぱり人は見かけによらないな。てか、火縄銃ってまだ俺以外にライフル使っている人いないのか?


「いえ、私はこの武器を使っています」


 俺はアイテムボックスからM4を取り出す。すると、サダコさんは驚いた表情をした。髪で見えないけど。


「そ、それってアサルトライフル!!??前に掲示板で話題になった武器じゃない!」


「ん?そうなんですか?」


「そうよ。確かクリクスって有名なプレイヤーと戦った子がその武器を使っていたっていう武器よ」


 あれ?クリクスってどこかで聞いたような気がするんだが・・・うん、気のせいか。


「ベレッタちゃんももっているなんてね。そのライフルの性能を聞いてもいいかしら」


「いいですよ」


 その後もサダコさんと色んな話をして盛り上がった。まぁ、俺のステータスの話をしたらドン引きされたけど。


・・・・・やっぱり俺って異端なんだ。


 そう認識する俺であった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 このサダコさんは今後も出てきます。






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