第4話―四つの前悪04―

ギルドで武功を立てれば騎士団に復帰の道が見える。そう考えて足を向けて登録の手続きをする段階で躊躇ちゅうちょして思いとどませる。


「騎士は賊じゃない。

なら自分のほまれを曲げることじゃなく正攻法で行くんだ」


ギルドに活動して騎士として声をかけられるにはケースは過去に数十人しか叙勲じょくんされていないとシザーリオ・ファクトベースはその狭き門を知識としてある。


「そんな実力派でも任命されるか定かじゃない狭き門を目指すのは無謀だ。

俺が目指そうとして挑むには呪いのかせじゃあ。不可能に近い」


時刻は日が沈んだ月夜。シザーリオは静まり返る村の道を独白してあるいていた。

客観性のある分析を持てるのは彼がやるせない思いから置かれた立場と状況を見れていたが、それでも先は明るい未来像が浮かべず想像もつかない。


「それでも、やってやる。

なんとかして騎士に戻ってみせる。俺の騎士道を貫いてやる」


あせらずシザーリオは冷静に職種を選ぶことを目標を決めると走るのであった。

翌日。――まずシザーリオが向かった先は騎士が駐屯している入口前でのこと。


「聞いたぞ、とうとう実践に不向きだからと追い出されたことを。

シザーリオ五等騎士、いやタダのシザーリオ!ここはお前が来るところじゃない」


この時間帯では顔見知りの門番が佇んでいた。その門番は、いつかこういう時が来ることを予想していた。


「いや、まだ俺は騎士。ここでの騎士団から追放されたけど本部から俺が抜けたことを承知していないはずじゃないのか!?

なら公式な場で決めていない現場で指揮されている二等騎士除の権限は悪魔で現場の権限。俺が騎士の世界から出ていたわけじゃないと存じますが」


「はぁー。そうかもしれないが、ここで直訴じきそして何か変わると思っているのか?

1度として出された意見を簡単に引っ込めないのが人のさがだよ。それが騎士なら尚更なおさらだし権力もあれば特に。

そんなに訴えたいなら都市に行けばいい」


その門番は一応は飲み仲間で同情はしているが力添えする。そろそろ騎士の道を折ろうと冷ややかに追い払おうとする。

しかし完全に否定までは出来ずにした中途半端な言葉に助言めいたものはあるが。

それと同じく門を番にする片方もいて上官をシザーリオよりは直接的には言えない。


「俺はそれでも騎士になる……また来る」


「何度も来ても無理だと思うがな」


嘆息して、門番はシザーリオが見えなくなるまで背中を見るのであった。

――日が沈み出して、空がまた昇り出す。早朝すぐに宿を出ると駐屯地に向かった。

噂によれば二等騎士イービル・ホラーが現れる時間帯と手に入れた。しばらく待つこと数十分が経つと数人を率いて入口に出ていこうとする姿が目に入った。


(見つけたッ!?)


今だ!とシザーリオは走って近づいた。

不審人物が近づくことに感知した兵は前に出て柄を握る。威圧的な気配が漂っていることにシザーリオは気づいていない。

立ち塞がられて斬って捨てないのは彼が騎士であり一時的にここで勤務していたことを知っている者がいたからだ。


「イービル殿!どうか俺に考えを改めてくれませんか!?俺は騎士として人々の剣となりたい。だから騎士に戻してください」


懇願した。煮えたぎる思いであったが堪えて頭を下げた。警戒の眼差しを向けていた騎士たちは目を点にして困惑する。

イービルは吐息をつくと、目を閉じて精神を整えようとする。


「…フッ、そんな夢物語をいつまで見ているつもりだ。騎士学校で学ばなかったのか?

騎士は民のために戦うのではない。土地と信仰する神のために戦うのだ」


「そんなはずがない!騎士は…いつだって強く在らないとならないんだ。模範となって」


「それは架空の中であり及び兵を集めさせる理想を与える。中身の無いものと気づけ

シザーリオ。忙しい身であってな。もう二度と会うことないだろう」


「……」


天から一滴の水滴が落ちてくる。また一滴、一滴と落ちて当たると雨であると気づいた。

シザーリオは踵を返して駐屯地を離れていくのであった。

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