カクヨム作家さんが学校に来なすった!

紫 李鳥

カクヨム作家さんが学校に来なすった!

 


ガラガラガラ……(教室に入った音)



崇期:おはようございます。あれ? 遅刻? 見たことないお顔だけど。転校生かな? お名前を伺ってもいいですかね?



あなた:おいどんは股下短左衛門またしたたんざえもんでごわす。




崇期:では、今日は特別にこの教室で授業受けていただいていいですよ。空いた席に座って。私の授業はちとハードですよ。ついてこられるかな〜? 前の学校では成績どうだったの?



あなた:下下げっげっ下下下げげげ~。




崇期:そうなの。ガハハハ。大丈夫大丈夫。半分怯えて、半分楽しむくらいでやってね。あ、このクラスでやっていくんだったら、係を決めなきゃね。役割分担だよ。そういう決まりだから。


 百葉箱撤去反対運動係 

 小さい石鹸重ね係

 白線の外のピラニアの世話係


とか、いろいろあるんだよ。え? 白線の外にいるのはワニでもサメでもなくピラニアなんだよ。うちの学校ではそうなの。とにかく、やってみたい係を言ってみて。



あなた:小さい石鹸重ね係。スベスベスベスベすべら~にゃ。



崇期:すばらしい! ていうか、あなた、言葉慣れしてない? まぁ、いいや。私なんて、趣味で小説書いてるけど、タイトルから作っちゃうからね。タイトル生みだした時点で言いたいこと終わっちゃってるから。そうなのよ。あなたもそんな趣味持っていそうだね。


 出オチの常習犯

 キャッチフレーズ詐欺

 尻すぼみ逃走犯

コメント・レビュー愉快犯

 

あなたの小説はどういう問題を抱えているかな?



あなた:笑いが毎回すべら~にゃ。




崇期:これ、誘導尋問なんだよ……やっぱり、あなたカクヨム作家なんでしょ!? 学生のふりしてやってくるなんて……おちゃめ!


実はね、私も教員免許持ってないの。いきなりこんな告白してごめんね。ガッカリした?



あなた:ガッカリカリカリかりんとう。



崇期:じゃあ、よろしくねー。では、さっそく朝の会だよ。今日さ、学校に来賓として〈マグマ共和国〉の方が来られるからね。いい? 廊下で会ったら必ずご挨拶だよ。なにかしてみたい質問とかある? 文化交流は大事だものねぇ。




あなた:マグマ大使はほんなこつロボット人間でごわすか?




崇期:そういう質問しちゃダメでしょ! 教育委員会さんがザワザワするよ! 私も胸がザワついちゃったよー。


あ、もう授業はじまってる! 今日、チャイム鳴らないからね。マグマ共和国の方、犬の聴覚の3倍らしいから。……笑っちゃだめだよ。


あなたの知り合いにもすごい能力を持った人とかいるんじゃないの?



あなた:鼻息で七輪しちりんん火ば起こすガールフレンドばい。炭火焼きんサンマがチョーうまか。



崇期:人間、いろいろだよ。じゃあさっそく、1時限目は「国語」ね。


 大吉のおみくじが僕に牙を剥くよ

 指を切られて 家路につく

 おやつは 天地無用のプリン

 スプーンがないって どういうことだよ


これは今年も教科書に載らないことになった詩だよ。これって、作者はなにが言いたいんだと思う? 感じたことを書きだしてみよう!



あなた:大吉に負けた~、いいえ、プリンに負けた~、スプーンさえ買えぬ、二人は枯れすすき~。

 

 

崇期:さすがだね、いいところついてるよ。難しく考える必要ないのよ。だけど、心が思っていることを言葉にするのが難しいの。表現力が身についてなきゃだから。


今、パッと思いついた言葉をいくつか挙げてみて。



あなた:恋しさとせつなさと心強さと……腰の強さ。



崇期:だいたいなに考えてるかわかるわ〜。じゃあ、その言葉に含まれてる感情を引きだすの。そう、心から作るの難しいでしょ? 自分の心もわからないときあるよね。だから、逆に言葉の中に普段の自分を発見できないかやってみるのよ。言葉を自分に寄せるみたいなね。言葉からなにを感じる?



あなた:霊感、サバ缶、第六巻。



崇期:そうなんだ。せっかくこうして出会えたのに、もうすぐこの教室を追いだされてしまうのかと思うと寂しいよ。いや、あなたもだよ、あなたも私と一緒に放りだされるよ。まだカクヨムから追いだされていないだけマシと思わなきゃ。


最後にこれを読んでいる奇特なユーザーさんに一言ご挨拶して。




あなた:よろちくわ~。




崇期:どうもありがとう。ではまた、どこかの企画で会いましょう。あなたの答え、とても気に入ったよ。成績として、胸に刻んでおくからねー。じゃあ、さようなら。



あなた:バイビ~。

 

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