第30話 力の片鱗

配下になったネズミが騒ぎ出す!

「危険!危険!」

危機察知能力をネズミは少なからず持っている


王国側の内地の移動

モンスターの襲撃はまず起こらないと

踏んでいたのだが


私の移動のついでの砦への物資の積荷を

狙った野盗の類の襲撃


傭兵団の、積荷を狙うとはいい度胸だ!

舐めてかかったのが良くなかった


奇襲の弓の攻撃に毒が塗られて居たらしく

擦り傷から麻痺毒により


徐々に動きが鈍くなり無効化される

敵は様子見の後に、安全と判断し

「物資は早い者勝ちだぜ!ヒャッハー」


我先に奪いにくる!


だが・・・


アリステラはその上を行く戦略を立てて居た!

覚えたての念話で声を出さずに

倒れた仲間に声を伝え


状態異常回復 【クリアランス】

20メーター先まで

仲間の20人全て回復させ


更にヒールに関しては既に

今まで1000回以上唱えてきているので

感覚的に意識して

最低出力まで削り

念じるだげで無詠唱発動

ほぼマスタークラス


仲間を回復させ万全の状態でやられたフリ

の罠を仕掛けている


野盗どもはアリステラを見つけ

「子供がいるぜ!強姦して奴隷商行きだ

ヒッヒ!」


舐めてつかみにきたところで

撲殺のメイスマーク2

先端が鉄でできている新品メイスを

敵の顔面に力いっぱい叩きつけ


「ぐへら」

顔面をぐちゃぐちゃにする

嫌がらせに近い持久力を上げるための

筋トレの修行の成果でもある


やりやがったな!皆で一斉にかかれ!

その声に応えたものは半数!


死んだフリしていたものに

後背から腹や首を剣や短剣などで貫かれ

奇襲を受けて労をかけずに不意打ちされている


野盗どもは不利と判断して逃げようとするが


「逃がしません!」


「貴方みたいなのが居るから

世の中が不幸になる」


後背の傭兵団相手にするよりは

子供一人を殺して逃げる方が確実


アリステラの実力では腕力や人数で

4.5人同時に相手にするのは無理と

わかっていても、

自分の正義のためには

無謀な捨て身な行為すらする性格


若い子は利害ではなく無茶をする


仲間の援護が届くまで

傷だらけになり麻痺毒にかかりかけながらも


【ヒール】【クリアランス】

【ヒール】【クリアランス】

【ヒール】【クリアランス】

【ヒール】【クリアランス】


ゾンビの様なしぶとさを見せる


どんな怪我も回復するので化け物!

モンスター


罵られ仲間の到達により

野党は皆殺しになる!


傭兵団は慣れたもので

襲撃者の装備品や小銭銀貨などを逆に奪い

リーダーの首だけは回収して

懸賞金に変えるべく先に近場のギルドに

走らせている



全然お上品ではないが

根性の入ったできる奴

傭兵団向きだとの太鼓判を押され

仲間として歓迎される!


「欲しいものがあったら略奪品からやるぞ!」

「大した奴だ!」

「お飾りとは違う!」


「最終的には皆さんと奇襲を察知した

私のネズミ セタのお陰です!」

「準備や考える暇ができました!」


必至に謙虚なふりをするアリステラだった!

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