ちょろちょろチョロQ

鮭さん

第1話

 おしっこがちょろちょろと出ているな、と思っていたらチョロQだった。


 でもちんこからチョロQが出てくるはずないし、見間違いだろう。おしっこだろう。トイレにはチョロQが何台か沈んでいるように見えるけど、気にせずジャーッと流しちゃおうと、ジャーッと流したらジャワーッと溢れた。


 私はちんこに叫んだ。


「こら!!チョロQだしてるんじゃないよ!!何やってるんだよー!!」


 ううう


 ちんこはしわくちゃのハムスターのように、股間にちょこんとついていた。


「うぅ....ごめんなさい....。ごめんなちんぽ....。」


 首を垂れてしょんぼりしている。ああ、強く叱りすぎたかもしれないな.....。頭に血が昇ってつい....。とりあえず、工事のおじさんを呼ばなくちゃ。


「すみません。トイレが詰まってしまって.....。」


「わかったよ!!すぐ行くよ!!」


 工事のおじさんがトイレの奥をガサガサやると、やっぱりチョロQが出てきた。チョロQを見たおじさんは珍しく不機嫌そうだった。


「だめですよー。トイレにチョロQ流したらいけませんよー。詰まってしまうに決まっていますよ。」


 おじさんは怒っていた。トイレをぞんざいに扱われて怒っていた。


「うーんごめんなさい。でも悪いのはこの子です。この子に言ってください。」


 そう、悪いのはちんこだ。私はパンツを下ろし、ちんこをおじさんの方に突き出した。しょんぼりこうべを垂れるちんこ。それを見たおじさんは膝に手を当てて小さい子供を諭すように、優しく言った。


「君かあ。チョロQを出したのは。ダメでしょう。トイレが詰まってしまうんだよ。これからチョロQはおしりに任せなさい。わかったかい?」


「ごめんなちんぽ....。」


 ちんこは消えいるような声で言った。今にも泣き出しそうだ。しかしお尻から?お尻から出す?


「でもお尻から出してもチョロQ詰まっちゃうんじゃないですか?どこから出すかは関係なくないですか?」


 私は泡のように浮かんだ疑問をぶつけた。


「ああ、ああそうか、確かにそうだねえ。参ったねえ全く....。参った参った。ははははは。」


「参りましたねえ、はははは。」



「ははははは。」


「はははははははは。」


「ははははははははははは。」


 私たちは暫くの間、そこで笑い合っていた。



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