5-2.つまらない演出はいったん寝かせて整理

5-2.髪と目と指


急にやってきたかと思うと、意味深な、こわいことをして帰っていく兄。

けっこう書き直した回です。


この回と、あと5-5もですが、目的は、スーリにジェイデンを助けさせようという意志をもってもらうこと。ラストバトルに向かって、スーリ自身に動いてほしいので、心を決めるための準備段階という感じでしょうか。なので、ここから数話は、それとなくジェイデンに危機が迫っています。いま思ったのですが、もうちょっと目に見える形でジェイデンをピンチに陥らせたほうがよかったですね。実際には彼が危なくなるのはラストもラストの5-9でした。ここは改稿の必要がある箇所ですね。


まあでも、お兄さまがけっこう怖い感じなので、「これジェイデンはやばくない?」と雰囲気を感じとってもらえれば、いちおうこの回は成功です。


じつは当初、ジョスランはふつうにやってきて、王都の状況をつたえ、「ジェイデンが危ないかもしれないので手助けしてやってくれ」とふつうに頼んでいました。あんまりおもしろい展開じゃないのはわかっていましたが、そのまま完結まで書きすすめ、またもアップ直前に別演出に書き替えました。今回もコメントからのひらめき?です。というか、コメントはかしこまりこ様のもので、「もうひと波乱ありそうな感じですね」と期待をよせてくださっているだけのものなんですけど、「そうだよ! もうひと波乱させなきゃだめだな」と気合を入れなおしたって感じですね。


箱から出てくるジェイデンの髪と目と指。

ちょいグロでまりこ様にはおもしろがっていただきましたが、こういうギミックは正直、ぎりぎりのほうがおもしろいのを思いつきますね。つまらない演出でも最後まで書いてしまって、あとから整理して書き直したほうが手っ取り早いです。


ジョスランは第一王子なので、すべて自分が思うままになるがゆえの横柄な天真爛漫さと、要らんことを言って周囲をふりまわすトラブルメーカー的なところがあります。暗躍しているように見えて、じつはそこまで考えていないタイプですが、スーリはそのへんは見抜けていないですね。


ジェイデンがフィリップと結託していると言い、彼らにスーリが協力していないか探りに来たと言うジョスラン。彼の真の意図は、ラストで明らかになります。


それから、彼がしたがえる従者ふたりも重要ですね。ひとりはスーリとラストバトルをくり広げる魔女パトリオです。(男ですけど)


魔女オリガが『目』を発見するシーンで、従者のどちらかがやったのだろうと推測していますよね。そこで「どっちかな?」と想像してもらう楽しみのために、タイプが違うのをふたり用意したというわけです。

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