第2話 最近の子供は、YouTube観ながらスマホゲームやりながらSNSやりながらご飯も食べるらしいね。

 狭間さんから借りた眼鏡をかけた途端、目からおびただしい情報が流入して来た!


 しかも、左右全く異なる映像? が映し出されている。 ……沼の底? 雲海? 森の中……? ……かどうかも良く判らないが、引っ切り無しに何処どこか? 何か? が表示されている! 文字通り目がチカチカして、数秒もかけていられずに外してしまった。


 狭間さんは、その眼鏡を僕から奪うように受け取ると、間髪置かずにかけ直した。


「な! 何? 何……これ!?」……と聴くと、狭間さんはこう言った。


「……『しんの光景』」


 …………


 …………?


 ……いつも思うけど、この人の言う事は、直ぐに理解出来ない。


 ……そんな僕の戸惑いなどお構い無しに狭間さんが続けた。


「……この前、輪音りんねくんが、ナメくんバイクで私をドライブに連れて行ってくれたでしょ? ……その時、一瞬私の注意がれたきを突かれて『暗躍者クリープス』の『直接』を許してしまった……嶺亜れいあさん! 『ヴィラ・リフテ』!」


 狭間さんが、急に大声をあげたと同時に、閃光が奔り、床に何かの破片が散らばった!


「……さっき、眼鏡を外した一瞬で、また『暗躍者クリープス』が『直接』しちゃった。 ……だから、私は何時いつでもここで『監視』しなくてはならないの」


 そう言って狭間さんは、また席に着いて、本を読み始めた。


 教室の窓から校庭を見ると、白樺先輩がバドラリーをしながら、チラッとこちらに視線を送った。 ……恐らく、さっきの閃光は白樺先輩が、あのラケットを武器にして撃った光線? だろう。 僕が軽く会釈すると、白樺先輩は、片方の口角を上げて微笑んでくれた。


 ……僕はこうして護られているのか……。

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