第4話 言い返すから喧嘩が起きるわけで……それが嫌なら、ひたすら謝り続ければ良い。 ……堪えられれば。。

輪音りんねっ! きみ、自分の立場を判ってるのっ!?」


 ……え?


 白樺先輩、怒ってる? ……でも、涙をポロポロ流して、泣いてる? ……でもでも、僕の頭上で一際ひときわ存在感をはなっている、例の『ぼんぼり』をチラ見して笑ってる!


 ……どんな感情!?


「そうですっ! 輪音くんは『守護対象』なんだから『暗躍者クリープス』が『直接』したら、直ぐに身を隠して!」……と、狭間さんも白樺先輩程では無いけど、全ての感情を僕にぶつけて来た。


 ……ふたりに非難され、僕は居たたまれなくなり、しょんぼりするしかなかった。 頭を下げると、また『ぼんぼり』が、ぼよよ~んと動いた。


「もうっ! その頭、気になる! 早く元に戻って!」……白樺先輩が、半笑い半泣きしながら、僕の腕をバチンと叩いた。 ……痛くは無いが、心が痛い。


 ……「ナメくん、ありがとう」と言うと、保護外殻が解除された。


 ナメくんも、僕の足元でバツが悪そうにしている。



「ごめんなさい!」……僕は必死に、ふたりに謝った。 まさかこんなに怒られるなんて思っていなかった。


 僕を睨んでいた白樺先輩だったが、必死に謝る僕を見て表情を和らげ「……私たちも……言い過ぎた……ごめん」……と頭を下げてくれた。


「……確かに、輪音くんの行動パターンから推測すれば充分に予測可能でした。 ……『策定者フォーミュレーター』として、輪音くんを静止出来なかった私の責任です。 申し訳ありません」……狭間さんも頭を下げた。


 ……僕の軽率な行動で、ふたりを悲しませてしまった。 本当にごめんなさい!


 ………


 ……と……


 ……この場を収める為に頭を下げたものの、僕は心の中で、ある決意をしていた!


「誰が何を言おうと、この人たちは僕が護る!」

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