第4話 カタツムリが進化するとナメクジになる……って、初めて知った15の夜

 ずは一件落着! と言いたい所だが、ちっとも落着していない。 ナメクジは、更に弱っているようだ。


 父が「カタツムリとかナメクジは乾燥に弱いから、『霧吹き』で湿らせて、何か食べ物をあげてみよう。 お父さんが昔飼っていたカタツムリはキュウリが大好物だったっけ。 さっちゃん、キュウリのヘタか、キャベツの要らない部分ってある?」


「キュウリ……ヘタで良いの?」……と言いながら、母が小皿にキュウリのヘタとキャベツの切れ端を載せて持って来てくれた。


 昨夜ゆうべ拾ってきた缶にナメクジを入れ、霧吹きで水をかける。


 ……! 途端にナメクジが目をパッチリ開いて、缶の中で体を起こした!


 次に、キュウリのヘタをあげると、シャクシャク音を立てて食べ始めた!


 一緒に缶を覗き込んでいた父が……「お腹が空いてたのかもな」と言って、安心した様子で、椅子に座り直して、夕食の続きを食べ始めた。


 ふぅっ! これで、本当に一件落着だ! 良かった良かった。

 


 ……ん? 本当に……良かったのかな?

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